睡眠への加齢の影響『睡眠こそ最強の解決策である』part 2

加齢と睡眠 書籍感想

おはようございます。

本日の記事は、前回に引き続き書籍『睡眠こそ最強の解決策である』をとりあげます。今回は part 2 として、睡眠に対する加齢の影響についてまとめます。
生きているかぎり、全員が年をとり、全員が眠ります。
つまり、本記事は、全人類に向けた内容です。78 億人がみてくれるといいですね。

本日は、書籍『睡眠こそ最強の解決策である』(著者:マシュー・ウォーカーさん)の要約・感想記事です。

本書を読み、睡眠への加齢の影響を学びましょう

睡眠への加齢の影響『睡眠こそ最強の解決策である』part 2

記事の内容は、以下の通りです。

1.加齢の影響① 深いノンレム睡眠の減少
2.加齢の影響② 細切れになる睡眠
3.加齢の影響③ 概日リズムの変化

それぞれの内容についてみていきます。

加齢の影響① 深いノンレム睡眠の減少

睡眠にはレム睡眠・ノンレム睡眠があることはご存知の方も多いと思います。
そのうちレム睡眠の脳波は、起きているときに測定されるものとそっくりで、専門家でも見分けはつかないほどだそうです。

一方、ノンレム睡眠の脳波はレム睡眠のものと比較して、大きくゆったりとしたものになります。
このことからノンレム睡眠のことを徐波(じょは)睡眠とよぶこともあります。
この脳波は、脳(大脳皮質)がリラックスした状態を反映していています。
ノンレム睡眠中の脳は、日中受け取った情報の吟味や整理をしているとされており、まさに脳のメンテナンス期間となります。

そして、加齢によりこのノンレム睡眠は減少します。
具体的に申し上げますと、10 代では深いノンレム睡眠が睡眠時間のうち 120 分程度を占めますが、40 代では 60 分程度に、70 代では 20 分程度まで減少します。
こうなると熟睡感の少ない睡眠となってしまいます。

さらに問題となるのが、多くの場合「深い睡眠が減った」という自覚に乏しい点です。
深いノンレム睡眠が減るということは、脳のメンテナンスの時間が減るということです。その結果、知らず知らずのうちに睡眠負債が溜まり、日中のパフォーマンス低下、疾病発症などの「破産」につながる可能性があります。

高齢になると眠りが浅くなるとはよく聞きます。
ノンレム睡眠の時間、こんなに減るんですね!

加齢の影響② 細切れになる睡眠

この理由は単純で、トイレが近くなるからです。
膀胱の機能もまた加齢とともに衰え、尿を蓄えられる量、尿意を感じてから排尿を我慢できる力、どちらも低下します。
そのため、トイレのために起きることが増え、睡眠効率(実際に寝ている時間 / 横になっている時間)が低下します。

この睡眠効率は、健康な 10 代の人は 95% 以上です。ベッドに入ってバタンキュー、途中覚醒もほぼなく、朝まで熟睡という理想的な状態といえます。
しかし、これが加齢とともに減少し、80 代の睡眠効率は 70-80% まで低下します。
本書によると、睡眠効率 90% が良質な睡眠のラインとなるようです。

睡眠効率の低下は、死亡率を上昇させます。その他にも、日中の活気低下や記憶力の低下などのパフォーマンス低下の原因にもなるとされています。
これらの症状は認知症の症状でもあるので、睡眠不足が原因を気づきにくいところがやっかいとなります。

「年のせい」と安易に考えない方がよさそうです

加齢の影響③ 概日リズムの変化

年をとると早く床に入り、日の出とともに活動開始。なんとなくイメージできますよね。
若い人が早寝早起きをしていると、周囲からは「おじいちゃん(おばあちゃん)じゃん」と揶揄されることもあります。
年をとると早寝早起き。これは概日リズムの変化で説明可能です。

加齢により、私たちの体ではメラトニンの分泌が早く始まるようになり、その量は少なくなります。
メラトニンは脳の松果体という部位から分泌されるホルモンです。夜になると分泌が始まるとされています。
その役割は、「世界が暗くなった」という情報を全身に送り、眠るタイミングをコントロールすることです。本書ではこの機能からメラトニンのことを、「位置について」から「スタート」の合図までを担う「眠りのスターター」と表現していました。

このメラトニンが加齢により分泌が早くなるので、高齢者では夕方あたりに眠気が襲ってきます。ここでウトウトしてしまうと、睡眠圧を生み出すアデノシンが解消されてしまい、夜の眠りに影響します。
また、メラトニンの分泌量そのものが少なくなっているので、睡眠のスタートがうまく切れません(入眠困難)。夕方のうたた寝も相まって、寝つきはいっそう悪くなります。
さらに追い打ちをかけるように、朝の覚醒はいつも通りやってきます。このようにして睡眠負債は蓄積されていき、身体および脳のパフォーマンス低下という悪循環を招きます。

上記の対策として、本書ではメラトニンのサプリメントを使用することが挙げられていました。
ただし、日本国内では市販されていません。個人輸入(通販で取り寄せ)での対応となるようです。
その他、定期的な運動、規則正しい食生活、日光浴(朝はサングラス着用、夕方はサングラスなし)などが推奨されていました。

年をとることはどうにもできませんが、可能な対策はとりたいですね。

まとめ

加齢とともに身体は変化しますが、睡眠も同様です。
対策できること・できないことを見極め、力の及ぶ範囲に注力しましょう。

本日は、書籍『睡眠こそ最強の解決策である』より、
・加齢により、深いノンレム睡眠は減少する
・加齢により、睡眠は細切れになる
・加齢により、概日リズムは変化する

上記 3 点について、私なりに要約・感想を記しました。

残念ながら、私たちは加齢による影響を避けることはできません。
歩む道に落とし穴があるなら、強引に進もうとせず、うまく対処する方法を学びましょう。

ぜひ手に取ってみてください。

本書の要約・感想記事 part 1 はこちらです。

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