おはようございます。
皆さんの口の中は健康ですか?
ある雑誌の調査によると、55~74 歳の男女 1000 人が健康について後悔していることの第 1 位は、「歯の定期検診を受ければよかった」だそうです。
失ってからその重要性に気づくものといえば「愛」ですが、「歯」も同等かそれ以上だと思っています。失う前に、きちんと知識をつけて可能な対策をしましょう。
本日は、書籍『全ての病気は「口の中」から! 歯が痛くなる前に絶対読む本』(著者:森永 宏喜さん)の書評・感想記事です。
本書を読み、口と健康の関係を学びましょう
口は災いだけでなく、病気の元でもある『全ての病気は「口の中」から! 歯が痛くなる前に絶対読む本』
記事の内容は、以下の通りです。
1.健康寿命のカギは、「口の中」にある
2.歯周病菌は、口の中から全身へ
3.歯周病と認知症の関係
それぞれの内容についてみていきます。
健康寿命のカギは、「口の中」にある
健康寿命という言葉も世間にすいぶん浸透した印象です。
健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のことを指します。
この期間は平均寿命とともに右肩上がりでのびていますが、一方で平均寿命との差、つまり「不健康で日常生活に支障をきたしている期間」が問題となっています。
この健康寿命は様々な要因で縮んでしまいますが、最もイメージしやすいものは疾患による短縮です。
例えば脳卒中により半身マヒ状態となった場合は、起きる・歩くといった動作に支障が生じることがあります。また、心筋梗塞により心臓の機能が低下した場合、少しの動作で息切れしてしまうこともあります。その他、転倒して足や背骨を骨折した場合も歩行機能は低下しますし、脳の血管が動脈硬化によっていたみ、認知機能が低下することもあります。
このように、健康寿命の短縮をきたす疾患は枚挙にいとまがありません。
そして、本書ではこれらの疾患のほとんどが口の中とかかわりがあると主張されていました。
口の中をきれいに保ち、歯を守ることはハッピーで自立したシルバーライフを送るために欠かせないのです。
平均寿命と健康寿命の差は、男性で約 8 年、女性で約 12 年です。
この差が短くなれば、健康で長生きできる社会の実現です。
歯周病菌は、口の中から全身へ
口の中の病気として最も一般的なのが歯周病です。
この歯周病は成人の 8 割が患っているとされており、歯を失う原因の第 1 位です。歯周病=口の中だけの問題と思われがちですが、近年では、歯周病菌の出す毒素が口の中に限らず、身体の様々な箇所に影響を及ぼすことが明らかとなっています。
つまり歯周病は、全身に悪影響を及ぼす「怖い感染症」であり、軽視してはいけない病気なのです。
通常は身体の免疫力によって、歯周病菌の影響は抑えられます。しかし、免疫力が低下し、歯ぐきの血管から菌が体内に侵入して全身に巡ってしまうと、前述したような健康寿命を縮める病気を引き起こしたり、悪化させる原因となります。
歯や歯ぐきの健康状態は、多くの疾患の最上流であると言われています。健康状態をドミノに例えるとしたら、口の中の状態が一番最初のピースなのです。
この一番初めのピースが崩れると、その下流にある多くの疾患発症につながります。倒れ始めたドミノを止めるためにはパワーが必要ですが、一番最初のピースであれば、自覚さえあればコントロールは可能です。
連鎖が始まる前に、手を打ちましょう!
予防が最大の治療です。
歯周病と認知症の関係
歯周病は多くの疾患発症に関わっています。中でも代表的かつ大きな問題になるのは、認知症です。
認知症は脳の炎症ともいわれます。炎症といっても、赤く腫れてジンジンズキズキと痛む急性ものではなく、慢性の炎症です。
そして、この脳における慢性的な炎症と、口の慢性炎症である歯周病との関係性が、近年大きな注目を浴びています。
認知症の中で最も大きな割合を占めるのがアルツハイマー型認知症(約 70%)です。
このアルツハイマー病患者さんの脳からは、歯周病菌であるジンジバリス菌(Pg 菌)のリポ多糖(LPS)がという物質が検出されることや、これにより脳の炎症が引き起こされることなどが分かっています。
またマウスを用いた実験では、人為的に歯周病菌に感染させた場合、脳のアミロイド β の沈着が有意に増え、マウスが認知症の行動をとるようになるというデータもあります。
歯周病菌とアルツハイマー病は、因果関係こそ不明ですが、明らかに関連があるようです。歯周病がある→アルツハイマー病の発症リスクを高めるかもしれませんし、アルツハイマー病で認知機能の低下がある→口のセルフケアも不十分になりやすいために、歯周病を発症するのかもしれません。
いずれにせよ少なくとも互いに増強しあう関係ではありそうです。それに、歯周病ともアルツハイマー病とも縁のない人生を送りたいのであれば、私たちがやるべきことはただひとつ。口の状態を良好に保つことのみです。
歯や口は、鏡を使うと自分で異常を見つけることができます。
1 日に 1 度は鏡の前で確認してみましょう。
まとめ
健康を意識するうえで、口腔環境を忘れてはいけません。
睡眠・食事・運動の次は、「口の中」です。
本日は、書籍『全ての病気は「口の中」から! 歯が痛くなる前に絶対読む本』より、
・健康寿命を縮める病気は、ほとんど口の中と関係がある。
・歯周病菌は口から全身をめぐり、身体をいためつける。
・歯周病と認知症は互いに増強しあう関係性。頭を守るために口をきれいに保とう。
上記 3 点について、私なりに要約・感想を記しました。
口は災いの元という言葉がありますが、きれいに保たないと病気の元にもなるようです。本書を読み、改めて口の健康を保つ重要性を認識しました。
学生のうちは学校で歯科検診を受ける機会がありますが、それ以降は歯医者さんの診察を受けたことがないという方も多いのではないでしょうか。
かれこれ 1 年以上歯医者に行ってない方は、今すぐこの画面を閉じて近くの歯医者さんの HP を参照し、予約を取ってください。痛くない方は、しっかりと知識を身につけ、口の健康を保ちましょう。
ぜひ手に取ってみてください。
【こんな書籍もオススメです】
『認知症専門医が教える! 脳の老化を止めたければ 歯を守りなさい!』
内容は似ています。こちらでも構いませんので一冊は書籍を読み、歯の重要性を学びましょう。
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