急性期病院の理学療法士が生み出す収益を紹介

3 お金 理学療法士の仕事

おはようございます。

新シリーズ 3 記事目は、お金に関する話です。
リハビリスタッフが算定する診療報酬は各施設の医事課スタッフがもれなく処理してくれるので、気にかける場面は少ないと思います。しかし、自分の仕事がいったいどれだけの収益を生み出しているのかを把握しておくことは、経営者の観点を学ぶという点でも無駄ではないでしょう。

本記事を含めた数記事で、急性期の理学療法士を含むリハビリスタッフが生み出す収益について概説したいと思います。

理学療法士のお金に関する記事です

急性期病院の理学療法士が生み出す収益を紹介

記事の内容は、以下の通りです。

  1. これが大部分!「疾患別リハビリテーション点数」
  2. 書類自体にも報酬が発生する「リハビリテーション総合計画評価料」

それぞれの内容についてみていきます。

これが大部分!疾患別リハビリテーション点数

リハビリ職種は医師からのリハビリ処方に基づき、患者さんにリハビリ治療を提供し、その費用を所定の点数により算定します。この点数は疾患別に区分されたものであり、患者さんの疾患などを考慮しもっとも適切な区分を 1 つ選択します。

現時点で疾患別リハビリテーションとして認められているのは、心大血管リハビリテーション料、脳血管疾患等リハビリテーション料、廃用症候群リハビリテーション料、運動器リハビリテーション料、呼吸器リハビリテーション料の 5 つです。その他、認定施設であればがん患者リハビリテーション料も算定することが可能です。

それぞれについて、簡潔に触れていきます。
※なお、1 単位あたりの算定点数は施設基準(Ⅰ)のものを記載しています。

・心大血管リハビリテーション料
急性心筋梗塞や心不全を発症された患者さんや、心臓外科手術を受けた患者さんなどに対して適応されます。リハビリテーションを算定できる期間はリハビリを開始してから 150 日間で、1 単位あたり 205 点が算定できます。

・脳血管疾患等リハビリテーション料
脳出血や脳梗塞・くも膜下出血などの脳血管疾患を発症された患者さんや、パーキンソン病などの神経筋疾患、脳腫瘍や脊髄損傷などの中枢神経疾患の患者さんに適応されます。リハビリテーションを算定できる期間は発症日または手術日より 180 日間で、1 単位あたり 245 点が算定できます。

・廃用症候群リハビリテーション料
急性疾患などに伴う安静による廃用症候群を発症された患者さんに適応されます。リハビリテーションを算定できる期間は発症日または廃用症候群と診断された日より 120 日間で、1 単位あたり 180 点が算定できます。

・運動器リハビリテーション料
急性発症した運動器疾患またはその手術後の患者さん、変形性関節症などの慢性的な運動器疾患により日常生活能力に低下を来している患者さんに適応されます。リハビリテーションを算定できる期間は発症日または手術日より 150 日間で、1 単位あたり 185 点が算定できます。

・呼吸器リハビリテーション料
急性発症した肺炎や無気肺・肺塞栓などの呼吸器疾患や、胸部外科手術後、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、人工呼吸管理下の患者さんなどに適応されます。リハビリテーションを算定できる期間は発症日または手術日、あるいはリハビリを開始した日より 90 日間で、1 単位あたり 175 点が算定できます。

・がん患者リハビリテーション料
当該入院中に、がんの治療のための手術や化学療法、放射線治療若しくは造血幹細胞移植などが行われる予定(あるいは行われた)の患者さんや、症状増悪のため一時的に入院しており、在宅復帰のためにリハビリが必要な患者さんに適応されます。リハビリテーションを算定できる期間は、上記の疾患別リハビリテーション料とは異なり、がん治療の入院中に限り期限はありません。この算定区分では、1 単位あたり 205 点が算定できます。

以上が、急性期病院で働く理学療法士(リハビリ職種)が収益を生み出す根幹部分です。

自分たちの収益はどこから生まれるのか、ざっくりでも知っておきましょう。

書類自体にも報酬が発生!リハビリテーション総合計画評価料

リハビリテーション総合計画評価料は、「リハビリテーション総合実施計画書」という書類を作成したときに算定できます。この書類は、上記のようなリハビリテーション料を算定するために必須の書類です。患者さんまたはその家族への説明と同意、そして初回に関しては署名が必要です。

前述の通り、この書類は疾患別リハビリテーション料を算定するために必要な書類です。それに加え、書類自体を作成し、患者さん(または家族)の同意を得ることでも診療報酬が発生するという特徴を持っています。

総合実施計画書の作成は患者さんの入院時だけでなく月に 1 回のペースで更新し、その度に診療報酬(リハビリテーション総合評価料 1:300 点、同評価料 2:240 点)が発生します。
評価料には 1 と 2 が存在します。これは、患者さんが要介護認定を受けていて、標準的算定日数の 3 分の 1 を経過した期間にリハビリを実施している場合は 2 を、それ以外は 1 を算定するというというルールになっています。これに従うと、多くの急性期病院で算定する評価料は 1 になります。

このあたりの取り決めはかなりややこしいので、算定の判断に迷う事例があれば医事課の職員さんなどの診療報酬の専門家に確認しましょう。

評価料 1 は 300 点ですので、決して無視できません。というか、疾患別リハ料の算定に必須です。もれがないよう気をつけましょう!

まとめ

急性期病院で理学療法士が生み出す収益(診療報酬)について概説しました。自分の仕事がどれだけの収益を生み出しているか、ある程度は知っておきましょう。

本日は、『急性期病院の理学療法士が生み出す収益を紹介』として、

・リハビリ収益の大部分は疾患別リハビリテーション料。現時点では 5 種類+α

・リハビリテーション総合計画評価料は、リハビリ総合実施計画書を作成したときに算定可能。月 1 回、300 点の加算。

上記 2 点について、私なりに解説しました。

本記事に挙げた 2 点以外にも、理学療法士(リハビリスタッフ)が生み出すことができる診療報酬はあります。もう数件の記事でそれらに触れていこうと思います。

本記事が理学療法士という仕事を理解するうえで、少しでも役に立ちましたら幸いです。

自分たちの仕事です。専門職として、概要だけでも押さえておきましょう!

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