俺はどうして生まれてきたんだ…?『青天の霹靂』

青天の霹靂 書籍感想

おはようございます。

本日は小説の感想記事です。
可能な限りネタバレのない記事にしたつもりですが、他人の感想など知りたくないという方はタイトルのみチェックしていってください。

こちらはハードカバーです

こちらは文庫版です

本作は同タイトルで映画化もされています。もしかしたらそちらでご存知の方も多いかもしれません。
本作の感想を一言で表すと、不変的な親の愛に触れることができるよい作品でした。

本書を読み、親の偉大さについて触れましょう

俺はどうして生まれてきたんだ…?『青天の霹靂』

記事の内容は、以下の通りです。

  1. あらすじ
  2. 作者について
  3. 感想

それぞれの内容についてみていきます。

あらすじ

本作品のあらすじです。

学歴もなければ、金もなく、恋人もいない三十五歳の晴夫。一流マジシャンを目指したはずが、十七年間場末のマジックバーから抜け出すことができない。そんなある日、テレビ番組のオーディションではじめて将来への希望を抱く。だが、警察からの思いもかけない電話で、晴夫の運命が、突如、大きく舵を切る―。人生の奇跡を瑞々しく描く長編小説。

幻冬舎 書籍詳細ページ https://www.gentosha.co.jp/book/b6850.html より

こちらは映画の予告動画です。
本作は大泉洋さん主演で、2014 年に公開されました。

主人公は轟(とどろき)晴夫という自己肯定感の低い男性です。あらすじにあるようにパッとしない日々を過ごしていた晴夫ですが、あることをきっかけとして過去へタイムスリップし、若き日の両親に出会います。そこで彼が経験したこととは…

という、設定です。

設定は決して珍しいものではありませんが、楽しんで読むことができました

作者について

作者はピン芸人の劇団ひとりさんです。

劇団ひとりさんは 2000 年にピン芸人となって以降、マルチな活動をされています。お笑い芸人のみならず、俳優としても活躍されています。本作にも主人公の父親役として出演しています。記憶に新しいところでは、東京オリンピックの開会式でもコミカルな警備員役で映像出演されていましたね。

作家としては 2006 年に『陰日向に咲く』でデビューされ、本作は 2 作品目にあたります。小説のほかにもエッセイや絵本の執筆、映画監督(本作や『浅草キッド』など)もされています。

活動の幅がひろいですね

感想

本作を読み終えた率直な感想は、「まさか劇団ひとりの小説でウルっとするなんて」でした。
詳細な言及は避けますが、子に対する親の愛情が強く描かれた作品ですので、親となった今は胸に深く響くものがありました。親、特に母親の愛は偉大です。

また、晴夫はパッとしない人生に打ちひしがれ、「どうして俺は生まれてきたんだ」と自問自答する主人公として描かれています。本作では、この誰しもに当てはまりうる疑問に対して、劇団ひとりさんからの力強いメッセージ(と私は受け取りました)が表現されています。個人的には、この箇所に触れることができただけでも本作を読んだ甲斐があったと感じました。

そして、これは本ではなく映画の話ですが、主題歌である『放たれる』(Mr.Children)も作品の世界観にピッタリの曲で、大変気に入っています。この曲について、桜井和寿さんは以下のようなメッセージを送っています。

「放たれる」というタイトルが多くを語ってしまっているかもしれないけれど、
「ケージの中で傷を癒した鳥が、再び空に向かって飛び立つ瞬間」
この物語を読んで、そんなイメージが湧いてきました。

背負ってしまった運命。
付き纏う寂しさ。
拭えない悲しみ。
思い通りに事が進まないもどかしさ。

そんな、重く薄暗い場所にある誰かの心が、自由と明るさを取り戻す大事な場面に、
ただ寄り添うだけの最良の BGM でありたい、そう願っています。

お笑いナタリー HP(https://natalie.mu/owarai/news/109751)より

『放たれる』が映画の主題歌であることは知っていましたが、本を読んでから改めて曲を聞くと、そのよさが何倍にも感じられました。

曲も一緒に堪能してください

まとめ

小説を通して、子に対する親の愛情に触れることができました。
GW のお出かけにおつかれの方は、自宅ソファに座ったまま過去への時間旅行なんてどうでしょうか。

本記事は小説『青天の霹靂』より、

・あらすじを紹介。過去にタイムスリップして自分の出生を知る物語。

・作者について紹介。本作は劇団ひとりさんの作品 2 作目。

・感想を記載。母親の愛は偉大である。

上記 3 点について、私なりに紹介しました。

本作は全 234 ページ(ハードカバー)とボリュームはそれほど多くありません。登場人物も多くなく、活字が苦手な方でも楽しめるライトな小説と感じました。
機会があれば、劇団ひとりさんの他の作品も手にしてみたいと思います。

ちなみに「青天の霹靂」とは中国の古典に基づく故事成語で、晴れ渡った空に突然起こる雷のことです。意味は、急に起きる変動・大事件、あるいは突然うけた衝撃のことを指します。

ぜひ手に取ってみてください。

【オススメ小説の紹介】

『夏の騎士』
少年たちのひと夏の挑戦をきっかけとした成長の物語です。こちらも全 256P とボリュームもちょうどよく、ライトな小説として楽しめました。

『プロジェクト・ヘイルメアリー』

壮大な SF 作品です。公開時期は未定ですが、実写映画化も決定しています。こちらは上下巻で 700P 越えの大作ですが、おもしろすぎて一気読みでした。

コメント

タイトルとURLをコピーしました