おはようございます。
2022 年の JPTA NEWS(理学療法士協会が会員向けに発行している広報媒体)に、「理学療法士がどのような手段・ツールを用いて日々の疑問と向き合っているか」という特集が組まれていました(会員の方はマイページへログイン後、バックナンバーとして閲覧できます)。
理学療法士として働くには、いかにして専門職としての自己研鑽を重ねるか考える必要があります。本日はその点について、私自身の経験も踏まえて述べたいと思います。
入職してからも勉強の日々です
理学療法士はどう自己研鑚する?10 年以上の経験をもとに紹介
記事の内容は、以下の通りです。
- アンケート結果の概要
- 自己研鑚活動の種類
それぞれの内容についてみていきます。
アンケート結果の概要
今回参考にした JPTA NEWS は、「理学療法士の質の担保」(vol 339)というテーマでした。 「臨床の理学療法士はどのような手段・ツールを使いながら、目の前の疑問と問題と向き合っているのだろう?」というアンケート結果を基に、自己研鑽の必要性などが述べられていました。本記事では、まずアンケート結果を概説します。
回答者はどのような集団だったか
回答者は 3,020 人で、男性 74% でした。年代は 20 代が 36%、30 代が 32%、40 代が 20% で、活動領域は医療機関が 76% という集団だったようです。
技術レベルの問題に対する解決策
アンケート結果は、①研修会や講義資料(73%)、②先輩や同僚(70%)、③書籍(62%)でした(複数回答可能)。
個人的にも ① および ② で対応することが多いですね。
知識レベルの問題に対する解決策
アンケート結果は、①書籍(78%)、②文献検索(75%)、③研修会・講義資料(74%)でした(複数回答可能)。
こちらもおおむね同意見です。あとは、簡潔に調べられるもの(解剖学や薬剤など)はインターネット検索で済ませることも多いです。その場合、出典や発信元のチェックもあわせて必要です。
日々の臨床の疑問は、挙がっていた方法で十分対応可能だと思います
自己研鑽活動の種類
ここでは、実際に行うことができる自己研鑽活動を挙げたいと思います。自己研鑽活動といっても幅があり、何から始めたらよいかと迷うこともあるかもしれません。参考になる箇所があれば幸いです。
研修会やセミナーに参加する
自己研鑽活動と言われて真っ先に頭に浮かぶことではないでしょうか。理学療法士向けのセミナーや研修会は数多くあり、主催が協会・民間・所属先によるもの、また規模の大小も様々です。
私も過去に数回、主に講義形式の研修会やセミナーに参加したことがあります。研修会やセミナーは、大人数が対象であり、受動的な学びになりやすいという特性上仕方がないことですが、内容や得られる学びは珠玉混合という印象です。まさにその時に「知りたい」「必要」と感じている内容を知ることができればよいですが、こればかりはこちら側のコントロールが効く範囲ではありません。過剰な期待はしない方がいいと思います。
書籍を読む(専門書・一般書)
知識を得るという点では、非常に有効な手段だと思います。書籍は出版にあたり「校閲」という段階をふみます。校閲では事実関係や社会通念上の問題がないかの調査をおこなうため、それをパスした出版物は信頼できる内容であることが多いです(執筆者の意図で自由に公開できるブログとは大違いです)。
書籍の種類では、医学書などの専門書はもちろんですが、一般書でも学びになる内容は多いです。一般書からの「学び」は当ブログのコンテンツの根幹ですし、知識だけでなく、各分野の第一線で活躍されている方々の「考え方」も学ぶことができます。
資格取得や大学院に進学する
理学療法士協会による認定 / 専門理学療法士制度や、関連学会の資格(心臓リハビリテーション指導士や呼吸療法認定士、糖尿病療養指導士など)制度を活用した資格取得を目指すことも自己研鑽の一つです。また、大学や 4 年制の専門学校を卒業し、「学士」の学位あるいは「高度専門士」の称号を持っている人は、大学院でまず「修士」の学位取得を目指す選択もあります。
資格取得や進学は、上記 2 つと比較してお金も時間も労力もかかります。資格取得では講習会参加費や受験費用、参考書の購入費などが必要です。また、受験資格を得るためのレポート提出や受験勉強も行う必要があるでしょう。進学では、入学費、授業料などが必要です。在学中には卒業に必要な単位を取得し、論文の執筆が必要となります。労力をかける分、身になるものも大きいです。
個人的には「資格取得や進学」が最も身になると感じています
まとめ
理学療法士の自己研鑚(勉強方法)についてまとめました。自己投資は最もコスパの高い投資の 1 つです。前向きに、意欲を持って行いたいですね。
本日は、『理学療法士はどう自己研鑚する?10 年以上の経験をふまえて紹介』として、
・3,000 人を対象としたアンケートでは、研修会、書籍、文献検索、先輩や同僚に聞くことが問題解決の主な手段という結果。
・自己研鑚の方法としては、セミナーや研修会の参加、書籍を読む、資格取得や進学などの方法がある。資格取得や進学は、コストや時間はかかるが身につくものも大きい。
上記 2 点について、私なりの考えを述べました。
理学療法士としての自己研鑽は、必須ではありません。やりたければやればいいし、やりたくない人はやらなくてもいいのです。ただし、やらないことによって生じる不利益に対しては、言い訳してはいけません。
これは、今回記事を作成するにあたり視聴した「リハノメチャンネル」の動画で、株式会社 gene の代表である張本さんがおっしゃっていた言葉です。個人的にとても納得のいく言葉でしたので、動画とともに紹介します↓
最後に、手前味噌で恐縮ですが、私は「自分の考え」で社会人学生として大学院に進学し、修士課程を修了しました。その時の経験や学んだことは、現在の「理学療法士として私」の根幹部分をなしていると感じています。次回の記事では、社会人学生としての大学院進学という点について、私の経験をまとめたいと思います。
コチラの記事にまとめました↓
本記事で紹介した内容が、少しでも参考になれば幸いです
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