変化の速度に振り落とされるな!『2030年 : すべてが加速する世界に備えよ』

ずべてが加速する 書籍感想

おはようございます。

豊かな社会実現のため、テクノロジーは常に進化を続けています。IoT は普及し、あらゆるものがシステム化され、ネットワーク社会が進むことは、誰にも止めることができない大きな流れです。この流れを避けて通ることはほぼ不可能ですので、しっかり乗りこなせるようにしたいものです。

この度、近い将来訪れるこの大きな流れを概観し、わかりやすく解説した書籍を読む機会を得ました。私の生活範囲では知りえない点も多かったため、学んだことを記事にまとめたいと思います。世界の有識者は 2030 年の未来をどう予測しているのでしょうか。

本日は、書籍『2030年 : すべてが加速する世界に備えよ』(著者:ピーター・ディアマンディスさん、スティーブン・コトラーさん)の要約・感想記事です。

本書を読み、来るべき未来の変化を知っておきましょう

変化の速度に振り落とされるな!『2030年 : すべてが加速する世界に備えよ』

記事の内容は、以下の通りです。

  • 本書の概要と、著者について紹介
  • 「変化」の速度が加速する
  • 実現が予測されていることと、私達が認識しておくべきこと

それぞれの内容についてみていきます。

本書の概要と、著者について紹介

本書の概要です。

◎早くも 15 万部突破!
◎『週刊東洋経済』ベストブック 2021 特集 「未来予測本」ランキング 第 1 位
◎イーロン・マスクの盟友が「この先 10 年の未来」を全方位ガイド!
◎学生から投資家・経営者まで、全業界の「この先 10 年の地殻変動」が 1 冊ですべてわかる!
◎Forbes 誌「2020 年のトップ 10 ビジネスブック」選出


医療、長寿、金融、不動産、教育、小売、広告、エンタテインメント、交通、環境……
テクノロジーの“融合”によって、大変化は従来予想より 20 年早くやってくる。
エリック・シュミット(Google 元 CEO)、クリントン元大統領ら世界のビジョナリーが支持する
「シリコンバレーのボス」が、この先 10 年のビジネス・産業・ライフスタイルを1冊で解説!

Amazon 商品紹介ページ(https://www.amazon.co.jp/dp/4910063137)より引用

著者はピーター・ディアマンディスさん、スティーブン・コトラーさんの 2 人です。2 人について、本書巻末と Amazon の著者情報をもとに紹介します。

まず、ピーター・ディアマンディスさんについて。ピーター・ディアマンディスさんはアメリカ人男性で、職業は起業家です。その経歴は華々しく、2008 年、グーグル、3D システムズ、NASA の後援を得て、シリコンバレーにシンギュラリティ大学を創立し、同大学のエグゼクティブ・チェアマンに就任されています。また、学業面でもバリバリで、マサチューセッツ工科大学にて分子生物学と航空工学、ハーバード・メディカルスクールで医学の学位をそれぞれ取得されています。起業家としては長寿、宇宙、ベンチャーキャピタル、およびテクノロジー分野で 20 以上の会社を設立し、現在は X プライズ財団 CEO として活躍されています。2014 年には米経済誌「フォーチュン」で“世界の偉大なリーダー 50 人”に選ばれたこともある、非常に強い影響力を持った人物のようです。

もう一人の著者であるスティーブン・コトラーさんは 1967 年生まれ(56 歳)のアメリカ人男性で、作家・ジャーナリスト・起業家として活躍されています。現在は人間の生産性を研究する「フロー・リサーチ・コレクティブ」の代表を努めているようです。

お二人には本書の他にも共著作品『楽観主義者の未来予測(2012)』『BOLD 突き抜ける力(2015)』などがあり、いずれもテクノロジーの発達と未来予測がテーマとして述べられています。

「変化」の速度が加速する

本書のタイトルにある「加速」とは、様々なテクノロジーの指数関数的な進歩が融合することにより、モノや社会の「変化」の速度が増すことを指しています。本書ではとくに、集積回路の発達とその他の技術(たとえば AI やバイオテクノロジー、材料科学や 拡張現実 / 仮想現実など)の融合が現在進行形で起きていることが述べられており、それらの結果「私たちの生活がどのように変化していくか」が広く紹介されていました。

様々な分野の技術が発展し、それらが融合・掛け合わさることによって生まれた製品やサービスが、私たちの生活に浸透し、既存の市場を破壊するものを破壊的技術とよびます。この破壊的技術は、はじめは産業革命時代の繊維産業で出現しました。産業革命により織機の機械化が進み、水力や蒸気機関を動力源とする紡績機の出現によって多くの労働者が職を失ったとされています(ただし、その代わり新しく生まれてた雇用もありますが)。近年では、スマートフォンの出現によりカメラやビデオカメラ、ラジオなどの単一市場は厳しい状況に置かれています。そのほかにも、WEB の音楽配信サービスは町の CD ショップの、電子書籍は町の本屋さんの役割をそれぞれ代替しはじめています。

著者らによれば、近い将来、この破壊的技術の破壊力および出現するスピードが、技術革新と融合によりケタ違いに強く・速くなっていくのだそうです。2016 年に提唱された第 4 次産業革命(デジタル革命)はまさにこのことを指しており、私たちが生活してきた環境は、どんどんと変化していきます。本文中には「すぐ先に待ち受けている未来を見通し、来るべき事態(時代)に対応できる機敏さを持つことが、これまで以上に重要視されている」という著者らの見解が記されていました。変化に機敏かつ柔軟に対応することが重要である点は、私もまったくの同意見です。

現状維持では維持できなくなるのです

実現が予測されていることと、私達が認識しておくべきこと

本書では、空飛ぶクルマや量子コンピュータ、次世代高速輸送システムであるハイパーループなど、現在進行形の破壊的技術に関する記載がありました。いずれも私の普段の生活では 100% 知りえない分野の情報ですので、知的好奇心がおおいに刺激されました。

本書ではそれら以外にも、指数関数的な技術革新により変化していく買い物や広告業、教育や医療の「未来」についての紹介もありました。個人的には、親として教育の未来、医療従事者として医療の未来に関する記述が興味深く感じました。それぞれ簡潔にまとめたいと思います。

<教育>
AI やテクノロジーの発達により、教育は従来の画一的なものから、より個別性の高いものへと変化していきます。また、「知識」を教えるのは教師からコンピュータに置き換わります。知識の量も記憶力も正確性もコンピュータの方が優れているため、アンドロイド教師が誕生することは間違いないでしょう。さらに、拡張現実(Augmented Reality:AR)や仮想現実(Virtual Reality:VR)によって実りの多い学習を受けることが可能となります。ピラミッドなどの古代遺跡もスイッチ一つで疑似訪問可能となります。また、普段ではできない体験(例えば、ホームレスの日常や外科医の手術など)を VR で行うことにより、新しい道徳教育や専門的なトレーニングも可能になるといわれています。

このように、未来の教育では、これまで私たちが受けてきたものとは大きく様変わりすると考えられています。

<医療>
現在の医療体制は、病気を発症してから対応する「シックケア」が主流です。「ヘルスケア」「予防医学」という言葉もずいぶん市民権を得た印象ですが、この流れが大きく加速することが予想(期待)されています。具体的には、生体センサー技術と通信技術の発達により、自身の健康状態は常時チェックされ、その情報はスマホで処理されます。それらの情報をアルゴリズムが異常と判断した場合、病院受診を促すような通知がくるようになるかもしれません。また、遺伝情報の解読や編集(遺伝子レベルでの治療)技術の進歩により、「将来がん化しそうな細胞がありますが、治療しますか?」なんてお知らせも届くようになるかもしれません。スマホがあなたのかかりつけ医となる日は近いようです。

私の職域であるリハビリ業界にも、テクノロジーの影響は大いに予想されています。理学療法士の専売特許(と思っています)である姿勢や歩行の分析、各種身体機能の評価やリハビリプログラムの立案は AI に変わるかもしれません。理学療法士を含む医療・介護職はしばらくの間は人間の独壇場が予想されていますが、AI に代替されないようなスキルを身につけ、共存できるようにしたいものです。

上記のほかにも、保険や金融・不動産、食料の未来など、非常に多岐にわたって著者らの考察が述べられていました。いずれも興味深い内容であり、新しい学びが多かったです。

どれも空想ではなく、明確な予想でした!

まとめ

変化の時代はすぐそこまで来ています。変化を認識し新しいことを受け入れて、時代に振り落とされないようにしましょう。

本日は、書籍『2030年 : すべてが加速する世界に備えよ』より、

・本書の概要と著者について紹介。著者は 2 人とも強い影響力を有する起業家。

・多くの分野の技術革新が融合し、変化の速度は指数関数的に増加する。

・教育や医療など多くの分野で、大きな転換点が待ち受けている。変化を受け入れよう。

上記 3 点について、私なりに要約・感想を記しました。

過去に読んだ未来予測ジャンルの書籍でも、テクノロジーの進歩には世界を変える大きな可能性が期待されていました。個人的には、病院に勤めているだけの狭い視野にならないよう、このような世の中の動向にはキチンとアンテナを張っておきたいと感じました。進歩するテクノロジーに支配されるのではなく、うまく活用する側の人間になれるように、日々学んでいきたいと思います。

ぜひ手に取ってみてください

【関連書籍のご紹介】

『2040 年の未来予測』

2040 年の未来予測です。日本経済は厳しい予測が並んでいました。最悪を想定し、できることから備えておきましょう。

『21 Lessons』

現代の「知の巨人」による、21 世紀を生きる私たちへの提言がまとめられています。
激しい変化のなかで、わたしたちがどう生きるか…有識者の考えに触れることができます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました