おはようございます。
突然ですが、みなさんには運動習慣はありますか?運動は健康的な暮らしに欠かせません。
そんなことは頭では分かっているけれど、忙しい毎日で時間もないし、空いた時間があればついつい SNS や Youtube に手が…
最初の一歩を踏み出すのって、すごくエネルギーが必要です。しかし、背中を押してくれる何かを待っているだけでは、物事は何もすすみません。
個人的には、運動でもなんでも、まず始めてみることが大切だと思っています。本書について結論から申し上げますと、本書では運動によって脳へもたらされる様々な恩恵が、わかりやすく紹介されています。いずれも多くの研究データに裏打ちされたものであり、信頼性の高い情報だと思いました。
運動によって得られる恩恵について正しい知識を提供してくれる本書は、運動に対するモチベーションを大いに高めてくれると思います。こういう良質の書籍は、はじめの一歩を踏み出すきっかけになるのではないでしょうか。知識武装して、一歩を踏み出しましょう。
本日は、書籍『一流の頭脳』(著者:アンデシュ・ハンセンさん)の要約・感想記事です。
本書を読み、身体を動かしましょう!
必要なことは運動『一流の頭脳』
記事の内容は、以下の通りです。
- 本書の概要および著者について紹介
- 一流の頭脳=各領域のつながりが強い脳
- 一流の頭脳=ストレスに強い脳
それぞれの内容についてみていきます。
本書の概要および著者について紹介
本書の概要です。本書は 2018 年にサンマーク出版より出版されました。
ノーベル医学賞決定機関「カロリンスカ研究所」しか知り得ない、
脳の力を100%引き出し、あらゆる能力を最大化する世界最新知見!★スウェーデンにあるノーベル賞決定機関「カロリンスカ研究所」。
サンマーク出版 商品紹介ページ(https://www.sunmark.co.jp/detail.php?csid=3673-2)より引用
そこで研究を重ねたリサーチャーが明かす、世界最新知見を集約した「脳の機密情報」!
★科学的エビデンスに基づく、自分を変える「ブレイン・シフト」とは?
★科学が実証した方法で、「IQ」「集中力」「記憶力」「創造性」「抗疲労力」など、
ありとあらゆる能力を一気に、これでもかと伸ばす!
★異例中の異例! スウェーデンで圧巻の大ベストセラー!!
世界を席巻する、最新データ・極秘リサーチ満載の本書がついに邦訳!!
スウェーデンで異例の大ヒットとなった、
自分を変える方法を解き明かす、世界最新知見満載の1冊が
ついに日本でも刊行されます!
スウェーデンにある「カロリンスカ研究所」は
ノーベル生理学・医学賞を決定する世界最高峰の研究機関。
著者のアンダース・ハンセン氏は
そんな世界の医学研究の最前線で研究を重ね、
これまで2000件以上の医学記事を発表した世界的研究者です。
また、現在は精神科医として活躍し、
カロリンスカ研究所の最新知見をより実践型にアップグレード、
患者の方に実践してもらうことでその驚くべき効果を日々確認しています。
本書は、そんなハンセン氏が脳のアップグレードに成功した
「実践型の情報」が余すことなく詰まった1冊です。
「ストレスを効率よく解消するには?」「集中力を切らさない技術」「底なしの記憶力を手に入れる」「やる気を科学的に高める方法」「学力を高める本当のやり方とは?」など、
ありとあらゆるパフォーマンスを高める方法が余すことなく明かされています。
脳をアップグレードして「ブレイン・シフト」を起こせば、
潜在能力を100%引き出せ、あらゆる能力が最大化する――
科学が実証した世界最新の「自分を変える」ノウハウ、
その英知が手に入る全世界で話題の1冊です!
著者であるアンデシュ・ハンセンさんは 1974 年生まれのスウェーデン人男性で、精神科医をされています。学歴は、スウェーデンのストックホルムにあるカロリンスカ研究所で医学を学んだ後、ストックホルム商科大学で経営学修士(Master of Business Administration:MBA)を取得されたようです。
医師として勤務する一方で、作家、講演家、番組等のプレゼンターとしても人気があり、スウェーデンでは脳に関するドキュメンタリー番組も持っているようです。
これまでの書籍には『スマホ脳(2020)』や『最強脳(2021)』『運動脳(2022)』『ストレス脳(2022)』などがあり、脳に焦点を当てたものです。いずれも世界的なベストセラーになっているようで、人気の高さがうかがえます。
アンデシュ・ハンセンさんの書籍のうち、『スマホ脳』については過去の記事で書評・感想をまとめてあります。未読の方はコチラからどうぞ。
日本の TV にも複数回出演されているようです
一流の頭脳=各領域のつながりが強い脳
私たちの脳は 1 万 2000 年前の人類のそれとほとんど変わりはありません。変わったのは生活習慣です。1 万 2000 年前というと新石器時代にあたり、人口爆発が起きたタイミングだそうです。当時は狩猟によって食べ物を得ないと生きていけませんでした。そのため、私たちの身体や脳は動くことに適したつくりになっています。しかし現代人は…
という導入から本書は始まります。この導入は『スマホ脳』でも同様でした(ただしスマホ脳の場合は急激な近年のデジタル進歩に脳がついていけないという指摘)。アンデシュ・ハンセンさんの書籍では、この導入部は共通パターンなのでしょう。
本書では、脳の機能を高めるには運動が最適な方法であるとして、エビデンスにもとづいた多くの知見が紹介されています。複数ある運動の恩恵のうちの 1 つが、運動によって脳の各領域のネットワークが強化されることです。
私たちの脳は、部分により担う機能が異なります。かなりおおざっぱに説明すると、脳の前方部分(前頭葉)は思考、自発性、感情、性格、理性を司っています。てっぺんのあたり(頭頂葉)は知覚・感覚・空間・時間・味覚の認識を、後頭葉は主に視覚情報を、側頭葉は記憶や言語の情報をそれぞれ司っています。
実際に記憶力がよい、集中力がある、自制心があるなどの特性(これを、本書ではプラスの特性と呼んでいました)を持つ人は、各脳領域の間の連携が強いそうです。アンデシュ・ハンセンさんによれば、脳の機能は細胞数や神経結合の数ではないのです。
そして、ここからが重要な点です。これらの領域の連携を高めるのに最適なのが、運動です。運動によって脳の機能を抑制する物質(GABA など)の働きが最適化され、脳が柔軟になります。本文中ではこの状態を、「運動により脳が柔らかい粘土のようになる」と表現しており、その結果、脳の各領域間のネットワークが再編成しやすくなるのだそうです。
運動中の脳は様々な領域が活性化します。運動の領域だけではありません!
一流の頭脳=ストレスに強い脳
運動による脳への恩恵の 2 つめは、脳がストレスに強くなることです。
まず、ストレス発生のメカニズムについて概説します。外部からの刺激によって、最初に脳の扁桃体と呼ばれる部分が活性化します。この扁桃体は、情動と感情の処理や直観力、ストレス反応に重要な役割を果たしており、主に、「恐怖」「不安」「緊張」「怒り」などのネガティブな感情に関わっています。その刺激は、脳の別の部位である視床下部を介して脳下垂体へと伝わり、左右の腎臓の上部に位置する副腎まで刺激が到達すると、ストレスホルモンであるコルチゾールが分泌されます。このストレス刺激の一連の経路を HPA(Hypothamic-Pituitry-Adrenal)軸といいます。これにより私たちの身体はストレスに対して反応します。
この反応は、命の危険がすぐそばに潜んでいたサバイバル時代においては、生き残るために必須でした。しかし、現代は明らかにストレス過多です。それも、命を脅かすストレスではなく、人間関係や仕事など、原因が慢性的で解決が難しいことが多いストレスです。残念なことに、私達が生活していくうえでこれらのストレスをすべてなくすことは不可能です。そのため、いかにストレスに対して抵抗力を高め、ストレスを上手くコントロールするかに焦点を絞った方が効率的です。
このとき、またしても運動は私たちの味方になってくれます。運動によって、ストレスへの抵抗力を高める 2 つの身体反応を最適化することができます。その 2 つとは、コルチゾールの分泌量をコントロールすることと、扁桃体のブレーキ作用を高めることです。
<コルチゾールの分泌量をコントロールする>
運動は血圧や心拍数の増加を必要とするため、間違いなく身体にとってストレスです。そのため、運動によってもコルチゾールは分泌されます。しかし、運動というストレスは運動を止めればストップし、コルチゾールの分泌もストップします。そして、定期的な運動を続けることによって、同じ強度の運動でも必要とされるコルチゾールの量は少なくなっていきます。運動に対して、体が慣れてくるといってもいいでしょう。
さらに大事なのはここからで、運動というストレスに慣れてくると、運動以外の刺激によって分泌されるコルチゾールの量も、少なくすむようになります。つまり、様々な原因によって生まれるストレスに対する抵抗力が高まるのです。
ある実験では、非常にイライラするようなテストを受ける前に 30 分間エアロバイクを漕ぐだけで、テストによるコルチゾール分泌が少なくなり、ストレス反応が軽減していたという結果が得られました。運動はストレスに対する緩衝材を生み出す手段となるのです。
<扁桃体のブレーキ作用を高める>
もう 1 つは扁桃体のブレーキを高めることです。扁桃体はストレス反応の最上流に位置しますが、脳の前頭葉によって抑制されるという一面を持っています。扁桃体と前頭葉は綱引きのように互いに影響を与えながらバランスを保っているのです。しかし、現代のようなストレス過多の状態、つまり扁桃体がやたら働く状況では、前頭葉によるブレーキ作用は弱くなります。実際に、極度の心配性の人は前頭葉の大きさ自体が小さいようです。
この状態に対しても、運動が効力を発揮します。本書では、定期的な運動によって、前頭葉と扁桃体の機能的なつながりの向上や、前頭葉の物理的な成長が紹介されていました。脳は筋肉と同様に鍛えて大きくなるのです。しかし、この反応は筋トレでは確認されていないようです。アンデシュ・ハンセンさんは、ストレス耐性を身につけたいのであれば有酸素運動をすべきだと推奨していました。
運動はノーリスクで様々な恩恵が受けられます
まとめ
運動は脳の機能を最適化する最良の方法です。投資の世界では「ノーリスク・ノーリターン」ですが、運動と脳の世界では「ノーリスク・ハイリターン」が存在します。活用しましょう。
本日は、書籍『一流の頭脳』より、
- 書籍および著者について概説。アンデシュ・ハンセンさんはスウェーデンの精神科医で、日本メディアの出演も多数あり。
- 運動は脳の各領域の繋がりを強固にする。この繋がりが強いことは、プラスの特性をもつ人の特徴。
- 運動は脳のストレス耐性を高める。運動による適度で適正なストレスが脳を鍛えてくれる。
上記 3 点について、私なりに要約・感想を記しました。
人生 100 年時代と言われる現代です。健康な脳を保つことは自分らしく生きるために必須です。替えの効かない脳と身体です。メンテナンスを怠らないようにしましょう。
ぜひ手に取ってみてください
【オススメ書籍の紹介】
『脳を鍛えるには運動しかない!』
こちらの書籍でも運動が脳に及ぼす好影響について学べます。
読んだら、きっと運動したくなりますよ。運動しないともったいないです。
『睡眠こそ最強の解決策である』
本ブログで何度も紹介している書籍です。
健康のためには運動も重要ですが、睡眠をおろそかにしてはいけません。良い睡眠あってこその良い運動です。
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