おはようございます。
私は愛知県在住ということもあり、ひいきにしているプロ野球チームは中日ドラゴンズです。今シーズンから立浪さんの監督就任、根尾選手の二刀流挑戦など話題はいくつか上がりました。
しかし、肝心のチーム成績は、残念ながらパッとしません。
そんな時に思い出すのは、黄金時代だった 2004-2011 のドラゴンズです。落合博満監督がチームを率い、常勝球団として輝いていたあの時期です。私も当時はプロ野球中継をよく見ていた記憶があります。
しかし、落合監督は、強いドラゴンズを作り上げた一方で、ファンサービスの足りなさや球団幹部との軋轢など、多くの「記憶」に残る監督でもありました。その胸中を知る人はおらず、また、あまり多くを語らないその姿は、いろいろな憶測を呼んでいました。
今回は、そんな落合監督の本当の姿を、当時の選手や球団職員のエピソードから垣間見ることができた書籍を読む機会を得ましたので、記事にしたいと思います。落合監督は、本当に「嫌われた」のでしょうか。
本日は、書籍『嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか』(著者:鈴木忠平さん)の要約・感想記事です。
本書を読み、名将の考えに迫りましょう。
名将の考えにせまる『嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか』
記事の内容は、以下の通りです。
- 監督としての落合氏
- 本書の中で印象的だったエピソード
- 自身の道理を貫き通すということ。これこそ「嫌われる勇気」
それぞれの内容についてみていきます。
監督としての落合氏
落合博満氏は、2003 年オフから中日ドラゴンズの監督に就任し、2011 年のシーズン終了をもって退任されました。
8 年間の在任期間中はすべての年で A クラス(リーグ 3 位以上)、就任 1 年目を含む 4 度のリーグ優勝(2007 年は日本一)の成績を収め、まさに名将と呼ぶにふさわしい監督でした。
2021 年に「Number Web」で行われた名将を選ぶアンケートでは、落合氏は故・野村克也氏に次ぐ 2 位に選出されており、ファンからの大きな支持も集めていることがうかがえます。
突出した成績を残した一方で、ファンサービスの足りなさ、真意の読めない言動、日本シリーズでの完全試合継投采配など、多くのエピソードも残しています。
ただし、プロ野球という成績がすべての世界において圧倒的な数字を残したということは言うまでもなく事実です。
個人的にも、当時のドラゴンズについては、テレビ中継があれば見ていましたし、スポーツニュースで結果をチェックすることも忘れずに行っていた記憶があります。
本書の中で印象的だったエピソード
先にも述べたように、球場内外での話題に事欠かなかった落合監督です。
本書は、そんな落合監督について、当時の現役選手および球団関係者 12 名に焦点を当てながら実像に迫っていく内容となっています。
その中でも、個人的に印象深かったのは、日本シリーズ完全試合の継投に関する箇所でした。
山井選手のエピソードでは、先に挙げた日本シリーズでの采配について取り上げられています。
本書中では、山井選手と森ピッチングコーチ(当時)とのやり取りが再現されており、まさに当事者 2 人のみが知りえる内容が書かれています。
詳細はここに記述することはできませんが、こういう経緯で岩瀬選手に交代したのか、と個人的には納得することができました。
一ファンとして、ドキドキしながら読み進めました。
著者は、いったいどのような取材をし、二人の会話の再現に成功したのか…気になりました。
自身の道理を貫き通すということ。これこそ「嫌われる勇気」
タイトルにある通り、落合監督は中日ドラゴンズを変えました。
しかし、落合監督自身は、就任当時から変わらなかった、と本書で述べられています。
監督としての勝利への哲学、現役時代から続く己の信念を貫き通し、時には非情ともとれる言動で合理的に勝利を重ねていきました。
その姿によって、中日ドラゴンズの選手・球団関係者が変わっていった、という内容が本書で記されている内容だと理解しました。
本書を読み落合さんの思考の一端に触れ、落合監督は承認欲求を捨て、「嫌われる勇気」を持ち、課題の分離(相手が自分をどう思うかは、相手次第)を実行している人物だなと感じました。
これらはまさに、アドラー心理学について述べている著書「嫌われる勇気」で学んだ内容でした。
(落合監督がアドラー心理学を学んでいた、ということはわかりませんが、私がそう納得したということです)
嫌われる勇気で記されている内容を実行すると、タイトル通り、人から「嫌われる」ということでしょうか。。
まとめ
本日は、書籍『嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか』について、私なりに要約・感想を記しました。
本書は、私が当時の中日ドラゴンズのファンだったことを差し引いても、十二分に楽しむことができるものだと思います。本書を読み、冷徹・無機質・何を考えているのかわからない、という落合監督のイメージは変わりました。また、落合監督の人間味のあるところ・自らの信念を貫きとおす姿に強く心を動かされました。
本書を読むことで、自分の人生では経験しえない、稀代の名将の考えに触れることができます。
こういう著書は大変貴重ですね。いい読書経験をしたと思っています。
スポーツノンフィクションの傑作です。
ぜひ手に取ってみてください
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