瞑想→内面の幸せ→世界平和『サーチ・インサイド・ユアセルフ』(2)

書籍感想

おはようございます。

本日も前回に引き続き、書籍『サーチ・インサイド・ユアセルフ』を取り上げます。

part 1 の記事では、Google で開発された研修プログラム SIY(search inside yourself )について、また、瞑想が注意力のトレーニングとなることを紹介しました。

未読の方は、コチラからどうぞ。

part 2 の本記事では、瞑想が自己認識を深め、共感力や優しさを高めるトレーニングになることと、瞑想が世界平和に繋がる可能性を紹介します。

瞑想は多くのポジティブな効果が報告されている行為ですが、「世界平和に繋がる」とはいったいどういうことでしょうか。この点について、私なりの解釈も交えて述べたいと思います。

本日は、書籍『サーチ・インサイド・ユアセルフ』(著者:チャディー・メン・タンさん)の要約・感想記事です。

瞑想について学んでみましょう

瞑想→内面の幸せ→世界平和『サーチ・インサイド・ユアセルフ』(2)

記事の内容は、以下の通りです。

  • 自己認識を深める
  • 共感と優しさを習慣にする
  • 瞑想で世界平和に貢献

それぞれの内容についてみていきます。

自己認識を深める

SIY のステップ②は、自己認識を深めることです。

自己認識という言葉自体、多くの方にとってはあまりなじみのないものだと思います。瞑想によってそれを深めるとはいったいどういうことでしょうか。

自己認識とは、文字通り「自分の状態に気付いていること」です。自分自身に対して客観的な視点を持つこと、ともいえるでしょう。もう少し具体的にいうと、自分の身体で思考や情動を知覚し、その由来を知り、自分の行動にどう影響しているかを理解することです。

本書では、自己認識を深めるためには、私たちが抱く思考や情動と自己との関係性を理解することがカギになるとされていました。これは自己認識を深めるうえで重要になる考えですので、少し解説したいと思います。

私たちは、自分の情動ではありません。思考や感情、情動は人間に備わった(ほとんどは生き残るための)単なる機能や現象であり、それが私たちの心と身体で起きているだけです。

そう考えると、人間には「わたし」「自己」という、思考や情動を統べる最上位で絶対的な存在などはなく、様々な現象が起きては消える、単なる「場」でしかありません。

そして、それらの現象に気がつくために必要な力が、瞑想で鍛える注意力です。

私たちが生きていくうえで、ネガティブな感情や思考を抱くことは避けられません。ただし、その状態に気がつき、支配されずに手放す能力は、みな持っていますし、鍛えることができます。

瞑想は自己認識を深めるトレーニングでもあるということです

共感と優しさを習慣にする

SIY のステップ③は、役に立つ心の習慣を生み出すことです。その時のキーワードが、「共感力」と「優しさ」です。

自己認識の能力が高い人は、総じて共感力も高いそうです。これは、どちらも脳の島皮質が重要な役割を果たすためだとされています。

島皮質は脳の中でも身体的な感覚を経験し、認識する機能を司るとされています。また、近年の研究によると、島皮質は自分の外側と内側の感覚や、他人の気持ちと自分の気持ち、過去 – 現在 – 未来の自分のイメージなど、様々な内容を繫げる「ハブ(中継所)」の役割を担っているようです。

つまり、島皮質の機能によって、私たちは他人のことを理解し、共感することができるのです。

共感とは、ただ相手に同意して頷くことや、ましてや心理学的なテクニックを使って相手を分析することではありません。必要なことは、相手に注意を向け、相手の話に熱心に耳を傾けることです。さらに、相手が語る問題が自分にとってどんな意味を持つのか理解しようとする態度です。

これを促すためのトレーニングとして、本書では「私と同じ」「愛情に満ちた優しさ」という 2 種類のエクササイズが紹介されていました。

「私と同じ」エクササイズ

このエクササイズでは、相手は私と全く同じで、

  • 心と身体をもっていること
  • 気持ちや情動、考えをもっていること
  • 幸せになりたいと思っていること

という考えをもつことが目標です。

これは、以前取り上げた書籍『自分の小さな「箱」から脱出する方法』でも、人間関係を築くうえで重要な考えとして紹介されていました。

「愛情に満ちた優しさ」エクササイズ

このエクササイズでは、道ですれ違う人も含めて、自分が出会うすべての人に対して「この人が幸せになりますように」と思う習慣を作ることを目標としています。

それぞれの具体的なトレーニング方法は本書に記述されていますので、気になった方は、ぜひ書籍を読んで頂きたいと思います。

どちらも他人に対して開かれた心をもつためのトレーニングです。共感力や優しさは誰にも備わっており、さらに鍛えることもできます。そのためには、このような態度を促すような、心の習慣を持つことが重要なのでしょう。

他人に対して優しさを発する側になることは、受け取る側以上に心が穏やかになり、幸せな経験をすることに繋がります。本書では「優しさは持続可能な幸せの源泉である」としていますし、他人に優しくできると自分まで嬉しくなるのは、誰しも経験があるのではないでしょうか。

人に優しくして、周りも自分もハッピーになりましょう

瞑想で世界平和に貢献

これは本書の最終章で語られていた内容です。

人類にとって最も深刻な災害は“戦争”で、それは人が自ら作り上げたものであることは間違いありません。第二次世界大戦以降、世界規模での戦争は起きていませんが、各地域に目を向けてみると、未だに紛争は続いています。

これら「外面」の争いをなくすためには、まず一人一人の「内面」が平和になる必要です。その手法として、全人類が実施可能な瞑想があります。

瞑想は沈思黙考の練習であり、これを通じて自分の心を鍛えるトレーニングです。その結果として注意力、共感や優しさが高まり、心の穏やかさ、さらには幸せへと繋がっていきます。

タンさんは SIY を通じて世界平和に貢献することを目標として掲げています。確かに、瞑想を通じて一人一人の情動が安定すれば、世界はよい方向へ進むのではないかと思いました。

しかし、社会を動かすためには多くの力が必要です。瞑想が今以上に市民権を得て、世の中に浸透していくためには、瞑想は決してスピリチュアルなものではなく、あたかも運動と同じように、私たちの心身を支えてくれるものであることを広めていく必要があるとされていました。

どんなことでも、まずは知るところからですね

まとめ

瞑想よって自己認識や共感力を高め、内面の幸せを手に入れましょう。瞑想をすることが当たり前になっている社会、よさそうですね。

本日は、書籍『サーチ・インサイド・ユアセルフ』より、

  • 瞑想で自己認識を深めることが可能。人間はただの「場」にすぎない。そこで起きる現象に対する感度を高めよう。
  • 瞑想で共感力と優しさを高めることが可能。優しさを発することは、幸せを感じるよい方法。
  • 瞑想を通じて内面の平和を得ることができる。それは世界平和に貢献する一歩になるかも。

上記 3 点について、私なりに要約・感想を記しました。

本書を読み、これまで敬遠しがちだったマインドフルネスや瞑想という分野に対して、新しい視点を持つことができました。

part 1 でも述べましたが、マインドフルネスや瞑想は決してスピリチュアルで胡散臭いものではないようです。その効果は科学的な手法で検討されていますし、情報過多で常に忙しく、変化が当たり前の現代において、最も重要な「自分に対する注意」を高めてくれる考えだと思います。

当たり前ですが、よりよい人生を送るために、自分の人生の主導権は自分が握るべきです。マインドフルネスや瞑想を通じて自分をググり、内なる成功や幸せを手に入れましょう。

本書はマインドフルネスや瞑想に興味を持っている方にとっては、入門書としてオススメできる書籍です。多くの方に読んで頂きたいと思います。

ぜひ手にとってみてください

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いずれも自己認識が重要ですので、瞑想とも多少の関連がありそうです。

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