おはようございます。
本日も前回に引き続き、理学療法士の方向けの記事となります。
先日の記事では、2022 年に改定された認定理学療法士制度について、申請までに必要な 5 つのステップについて解説しました。
未読の方は、コチラからどうぞ。
本日の記事では、理学療法士のもう一つの認定資格である「専門理学療法士」について、その制度の概要と申請までの道のりを解説します。詳細は後述しますが、私はこの認定 / 専門理学療法士の関係性について誤解をしていました。
本日の記事が、専門理学療法士制度を知るにあたり、少しでも参考になれば幸いです。
専門理学療法士へのロードマップを解説します
【2022 年改定に対応】専門理学療法士取得への道を解説!
記事の内容は、以下の通りです。
- 専門理学療法士制度の概要を紹介
- 新規申請までの 5 ステップ
- 私の現在位置と、今後の予定
それぞれの内容についてみていきます。
専門理学療法士制度の概要を紹介
日本理学療法士協会では、認定 / 専門理学療法士制度について、以下のように述べています。
日本理学療法士協会ホームページ(https://www.japanpt.or.jp/pt/lifelonglearning/new/certif-specialized/)より引用
- 「登録理学療法士」を基盤とし、自らの専門性をさらに高めたい理学療法士への動機づけとなる「認定理学療法士」・「専門理学療法士」の制度を構築します。
- 認定・専門理学療法士制度は、より専門性の高い臨床技能を有する「スペシャリスト」、いわば個性の育成プログラムです。
登録理学療法士は資格取得後 5 年間で取得可能な「ジェネラリスト」であることに対し、認定 / 専門理学療法士は特定の分野に長けた「スペシャリスト」という位置づけです。
専門理学療法士の資格取得までの具体的な道のりは後述しますが、この要件をクリアするだけでも高い専門性が必要です。専門理学療法士の取得者数は、理学療法士全体の 1-2% 程度のようなので、もし取得できたとしたら理学療法士としての価値が高まり、貴重な人材になることは間違いないでしょう。
認定 / 専門理学療法士の関係性について、協会は「認定理学療法士と専門理学療法士はどちらかが上位資格というものではない」という見解を表明しています。
また、専門理学療法士の資格取得に際して、「認定理学療法士であること」は条件ではありません。私は「専門理学療法士を目指すならば、まずはその前段階の認定理学療法士から目指さないといけない」とロクに調べもせずに考えていました。冒頭で申し上げた私の勘違いとは、このことです。
専門と認定の資格については「どちらかが上というものではない」はいうものの、専門理学療法士数が全体の 1-2% であることに対し、認定理学療法士数は 10% 程度であることや、資格取得までの道のりを比較すると、私はやはり専門理学療法士のほうが上位資格ではないかと思います。
取得できれば、理学療法士としての強いアイデンティティになりそうです
新規申請までの 5 ステップ
ここからは、専門理学療法士の新規申請に必要となる条件を紹介します。全部で 5 ステップです。
指定研修カリキュラムの受講
この研修はオンライン形式の講義で、全 12 コマ(18 時間)を受講することにより履修完了となります。この研修は有料で、費用は 13,200 円です。
先日紹介した認定理学療法士申請のためのものと共通です。
ブロック学会の参加
ここでいうブロックとは北海道、東北、関東甲信越、東海北陸、近畿、中国、四国、九州を指します。
このステップは、協会のホームページでは、学会の「参加」が必要とされています。つまり、「発表を兼ねた参加」は認められない可能性があります。
都道府県学会の参加
このステップも、ブロック学会と同様で、学会の「参加」が条件です。
参加する学会は、自身が所属する士会が主催でなくてもよさそうです(例えば、東京都士会に所属していても、神奈川の県学会参加でも要件を満たす)。しかし、よほどのことがなければ、自身が所属する士会が主催する学会への参加でよいと思います。
指定の学術大会での発表
このステップは、「日本理学療法学会連合の会員団体」が主催する学会での発表を条件としています。
日本理学療法学会連合という名称は聞き慣れない方もみえるかもしれません。これは、2021 年 5 月に設立された組織で、法人化した 12 学会と 8 研究会によって構成されています。
分科学会には運動器理学療法学会や呼吸器理学療法学会、スポーツ理学療法学会などがあり、研究会には産業理学療法研究会やウィメンズヘルス・メンズヘルス理学療法研究会などがあります。
各学会および研究会では、年に 1 回の学術大会が開催されます。この学会での発表が、専門理学療法士申請の条件の 1 つです。このステップでは、学会参加のみでは条件を満たさないので、注意が必要です。
それぞれの学会や研究会についての詳細な情報は、日本理学療法学会連合のホームページを参照してください。
査読付き原著論文業績
このステップでは、査読付き原著論文を 1 編、業績として挙げることが条件です。
論文が掲載される雑誌は協会が指定するものである必要がありますが、英文 / 和文は問いません。対象となる雑誌については協会ホームページに公開されていますので、投稿前にしっかり確認しましょう。
論文は査読ありの原著論文のみが対象となります。システマティックレビューや依頼原稿は申請基準の対象とはならないため、注意が必要です。
以上が、専門理学療法士の新規申請に必要な 5 ステップです。
大変な道のりです!
私の現在位置と、今後の予定
上記を踏まえて、私の現在位置と今後の予定を考えます。
まず指定研修カリキュラムですが、これは先日申込みを済ませました。手続きは理学療法士協会ホームページのマイページから、5 分程度で可能です。
研修はオンラインですので、コツコツと進めていきたいと思います。
次に、ブロック学会と県大会の参加です。
私が所属するブロックの学会は、例年秋に開催されます。今年度の参加は勤務の関係で難しいため、来年度に参加する予定です。
県学会は例年春に行われるので、こちらも来年度に参加しようと思います。
続いて指定の学術大会での発表と、査読付き原著論文の業績を挙げることについてです。
これはどちらも並行で進めようと思います。
専門理学療法士取得のマニュアルには、「論文や学会発表の内容は、取得を目指す専門領域に関するものでなくても構わない」とあります。
しかし、異なる分野のデータをまとめるのは大変な作業になりそうです。ここは素直に、論文執筆に向けたデータをもとにして発表もクリアしたいと思います。
私は心血管分野の専門理学療法士を目指そうと思いますので、学会発表は循環器理学療法学会学術大会で行おうと考えています。
今年度の学術大会は、去る 9/2-3 に行われたようです。そのため、来年度の学会にて発表することを目標にしようと思います。一方、論文は申請までに掲載されていればいいため、コツコツと進めていきたいと思います。
そして、上記を満たした後に認定理学療法士の申請です。申請には期間が決められており、2023 年度の申請期間は 8 月中でした。
仮に、来年度以降も申請期間や学会の開催が同じ時期であるなら、私にとって最短での申請は 2025 年度となりそうです。
認定理学療法士を目指す場合は、早ければ来年度の申請も可能になりそうなので、どちらにチャレンジしようか迷いました。が、決めました。
前回の記事では認定理学療法士を目指すと公言した手前、大変お恥ずかしい話ですが、前言は撤回して、今日から専門理学療法士取得に向けて動き出そうと思います!
申請にむけて論文執筆が 1 番のハードルになりそうですが、自分で決めたことなので、チャレンジしたいと思います。
論文執筆は不安はありますが、頑張りたいと思います
まとめ
申請までのハードルは高いですが、チャレンジのつもりで頑張りたいと思います(もちろん申請がゴールではありませんが)。
本日は、『【2022 年改定に対応】専門理学療法士取得への道を解説!』とし、
- 専門理学療法士制度の概要を紹介。専門理学療法士になるために、認定理学療法士である必要はない。
- 専門理学療法士新規申請に必要な 5 つのステップを紹介。論文執筆と学会発表が高いハードルか。
- 私の現在位置と今後の予定を確認。2025 年度に申請できるよう、今日から動き出します。
上記 3 点について、私なりにまとめました。
専門理学療法士取得までは、先日紹介した認定理学療法士取得以上に険しい道のりになりそうです。
しかし、自分の内なる声に耳を傾けて考えた結論ですので、最後までやり抜きたいと思います。
本記事の内容が、専門理学療法士の資格取得を考えている理学療法士の方にとって、少しでも参考になる箇所があれば幸いです。
専門理学療法士取得までの経過は、適宜記事にまとめていこうと思います。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
目指せ専門理学療法士!
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