避けられないなら、上手に付き合おう『どんな怒りも 6 秒でなくなる』

どんな怒りも 書籍感想

(アイキャッチの商品画像は、リベラル社 HP よりダウンロードしています)

おはようございます。

突然ですが、みなさんは仕事中や子育て中にイライラすることはありませんか?(大小を問わず、私にはおおいにあります)

激しい怒りはサイヤ人が超サイヤ人へと覚醒するためには必要ですが、明確な悪の敵がいない私達の世界では、怒りは爆発させるものではなく、むしろうまくコントロールしたいものだと思います。

この怒りの感情をコントロールする方法として「アンガーマネジメント」が注目されています。今回は、そんなアンガーマネジメントの入門書としてピッタリの書籍を読む機会を得ました。本書から学んだ内容を、記事にまとめたいと思います。

本日は、書籍『どんな怒りも 6 秒でなくなる アンガーマネジメント・超入門』(著者:安藤俊介さん)の要約・感想記事です。

本書を読み、怒りについて体系的に学びましょう

避けられないなら、上手に付き合おう『どんな怒りも 6 秒でなくなる』

記事の内容は、以下の通りです。

  • 本書の概要と著者について紹介
  • あなたのイライラは、時代のせい
  • 怒りに関する 5 つの誤解

それぞれの内容についてみていきます。

本書の概要と著者について紹介

本書の概要です。
本書は 2020 年にリベラル社より出版されました。

仕事・子育て・人間関係の怒りストレスをゼロに!

話題の「アンガーマネジメント(怒りのコントロール術)」を学べばイライラに悩まされず、心穏やかに過ごすことができます。
自分のイライラの原因やパターンがわかる、怒りタイプ診断付き。

リベラル社 商品紹介ページより引用

著者の安藤俊介さんは、1971 年生まれの男性です。現在は一般社団法人日本アンガーマネジメント協会の代表理事を務められています。また、2022 年から新潟産業大学の客員教授に就任されており、教育現場から企業まで幅広く講演、企業研修、セミナー、コーチングなどで活躍されているようです。

著書には、本書の他に『タイプ別 怒れない私のためのきちんと怒る練習帳』(CCC メディアハウス、2022 年)、『アンガーマネジメントで読み解く なぜ日本人は怒りやすくなったのか?』(秀和システム、2022 年)など数多くあります。セミナーや研修のみでなく、執筆活動も精力的に取り組まれている方のようです。

日本におけるアンガーマネジメント第一人者といえる方です

あなたのイライラは、時代のせい

イライラを感じる人は右肩上がりに増加している

日本人の国民性調査統計(数理研究所が 1953 年以降 5 年ごとに実施しているもの)によると、「 1 か月の間にいらいらしたか」という質問に対して「はい」と回答した人の割合は、1953 年から 2018 年にかけて右肩上がりに増加しており、2013 年からは 50% を超えています。

イライラの要因は経済面や仕事、あるいは生活全般など多岐にわたりますが、時代とともに怒りを感じやすくなっていることは確かなようです。

価値観の多様化と生活のスピードアップが要因

同様の指摘は、本文中にもみられました。一体なぜ、このようにイライラする人が増えているのでしょうか。

本書では、その要因として「価値観の多様化が進んだこと」と、「世の中の利便性が高まり、変化のスピードが上がったこと」が挙げられていました。

・価値観の多様化が進んだこと
ダイバーシティ&インクルージョン、LGBTQ、ジェンダーレスなど、価値観の多様化を象徴するキーワードもずいぶん聴き慣れてきました。

タレントや著名人では、ご自身が性的マイノリティーであることを公言されている方も多く、今やそのような方々に対して、社会が白い目を向けることは少なくなっていると感じます。

また、多様性は社会全体が豊かになるために必要な要因だと思いますので、さまざまな価値観や、それを持つ方々を否定するつもりは全くありません。

しかし一方で、多様性を受け入れるということは、自分と異なる価値観を認め、その人たちと生活や仕事をともにする機会が増えることも事実です。

もし、自分の考えや価値観とは正反対で相容れない人と、多くの時間を共有しなくてはならない状況であるなら、イライラが増えることは当然といえます。

・世の中の変化のスピードが上がったこと

技術革新は日進月歩と言えるほど目覚ましいものがあり、世の中はどんどん便利なっています。そして、私たちの生活をとりまくあらゆるものが、驚くべきスピードで変化しています。

その結果、私たちが行動や決断を求められる(迫られる、と言ったほうが適切かもしれません)までの時間も、分あるいは秒単位になっています。

このように、現代に生きる私たちは、常に時間に追われるストレスにさらされている状態です。これもイライラを感じる人が増えている要因の 1 つです。

上記 2 点は時代の大きな潮流であり、もはや避けることはできません。

イライラを感じやすくなっているのは、あなたが悪いのではなく、時代のせいです。

それにもかかわらず、私たちには怒りについて体系的に学び、それをコントロールする術を教わる機会はありません。

しかし、心配する必要はありません。怒りについて学び、具体的な対処法さえ取得すれば、怒りに関する問題はだれにでも解決可能なのです。

正しい知識は、怒りから自分の身を守ります

怒りに関する 5 つの誤解

前述の通り、私たちには怒りについて学ぶ機会がありませんでした。

むしろ、「とにかく怒ることはダメなこと」という思い込みの元で育った場合、怒りについて誤解していることが少なくありません。

ここでは、本文中に述べられていた「怒りに関する 5 つの誤解」を紹介します。

誤解①怒ることは悪いこと

いつもニコニコしているあの人はステキ、一方で怒ってばかりの私は…と自己嫌悪。このような場面は、よくあるのではないでしょうか。

この「怒ること = 悪いこと」という認識は、怒りについてよくある誤解の 1 つです。

そもそも怒りはごく自然な感情であり、それ自体は決して悪いことではありません。

また、本文中には、「怒る目的は伝えること」とありました。

怒りを適切に表現し、こちらの思いや考えを相手に伝えることさえできれば、怒りで人間関係を壊すことも、自己嫌悪に陥ることもありません。

ただし、怒る以外にも他人に気持ちを伝える方法はたくさんあります。さすがに、「いつも怒ってばかり」という事態は避けなければいけません。

誤解②怒りっぽい人は性格が悪い

怒りとは、自分を守るために備わっている感情です。

怒りを感じるときは、自分自身が大切にしているモノや考えが侵害されたときであり、ちゃんとした理由があるはずです。

一般的な社会生活を送っている人は、理由もなく怒ることはおそらくないと思いますので、「怒る = 性格が悪い」というロジックには、なんの根拠もありません。

「どんなときに自分が怒りを感じるか」を認識するには、記録をつけるなどの作業が必要です。

誤解③グチをこぼせばイライラを解消できる

グチをこぼす行為は、イライラやストレス発散の方法としてよく挙がると思います。

しかし、本書によると、これは方法としてはあまり適切ではないようです。

グチをこぼす際には、嫌だったことを思い出し、その時の感情を再度味わうことになります。グチをこぼしたくなるような経験ですから、わざわざ記憶から引っ張り出してくる価値はありません。

人間の記憶は思い出すたびに定着するようにできています。そのため、グチをこぼす行為はしつこい怒りを生み出す可能性があります。

ストレスを発散する方法は、グチをこぼす以外にもあります。グチをこぼしたくなるような事情があることはお察ししますが、その行為が習慣になっている方は、注意しましょう。

誤解④怒れば相手を動かせる

相手や子どもが自分の思うとおりに動いてくれないとき、私たちはイライラや怒りを感じます。

「早くしろ!」「そんなことしないで!」のように、声をあげて相手の行動を正そうとしてしまいがちですが、怒れば怒るほど、自分の考えは相手に伝わりません。

イソップ物語の『北風と太陽』の話を思い出してください。相手に自分の気持ちを伝え、人を動かすために必要なことは、厳罰や怒声ではなく、穏やかで暖かな伝え方です。

誤解⑤怒りはコントロールできない

怒りは反射的に生まれるもので、感情をコントロールすることは、一見難しそうに思えます。

しかし、怒りの発生メカニズムや、怒りが生まれやすいポイントをきちんと理解していれば、怒りに振り回されずにすみます。

怒りを含む感情は、起きたことに対する意味付け(とらえ方)によって生じます。感情は、何もないところから突然生まれるものではありません。

何かに怒りを感じたときは、少し間をおいて、「これをどう受け止めたからイラっとしたんだろう」と考え、怒りの原因を言語化することがコントロールのカギです。

また、怒りが発生しやすいポイントは、自分にとっての「べき」が裏切られたときに生じやすいようです。

「べき」にしがみついていると、人は怒りっぽくなります。

この「べき」は人によって異なり、信じている本人にとってはそれが正しいという特徴があります。

また、同じ「べき」でも、人によって許容範囲が異なります。

例えば、「メールの返信は早くすべきだ」という「べき」について考えてみます。

この「早く」は、人によっては「1 時間以内」と考えるでしょうし、「日付が変わるまでには」という人もいれば、「2-3 日以内」という認識の方もみえるでしょう。そして、このギャップがイライラを生み出します。

先に紹介した「怒りを言語化する」と同様に、自分にとっての「べき」を紙に書き出して把握することも、怒りをコントロールするためのステップになるようです。

以上、怒りに関する 5 つのよくある誤解を紹介しました。

個人的には ④ と ⑤ が「なるほど」と感じました

まとめ

私たちは、怒りを感じやすい時代を生きる必要があります。怒りについて体系的に学び、自分自身を守る知識を身につけましょう。

本日は、書籍『どんな怒りも 6 秒でなくなる アンガーマネジメント・超入門』より、

  • 著書および本書の概要を紹介。安藤さんは日本アンガーマネジメント協会の代表理事であり、日本におけるアンガーマネジメントの第一人者といえる方。
  • 現代は価値観が多様化し、常に時間に追われる生活であるため、イライラを感じやすい時代。これらは避けられない潮流であり、怒りをうまくコントロールする術を学ぶ必要がありそう。
  • 怒りについてよくある誤解は、怒ることは悪いこと、怒る人は性格が悪いこと、グチがイライラ解消になること、怒りで人を動かせること、怒りはコントロールできないこと、の 5 つ。怒りについて、正しい認識を持とう。

上記 3 点について、私なりに要約・感想を記しました。

本書はアンガーマネジメントの入門書として位置づけられており、この分野に馴染みがない私にとっても、怒りについて理解しやすい文章で解説されてありました。

本書を読むことにより、本記事で紹介した内容のほかに、怒りをコントロールするための具体的な方法や、人に怒るときのポイントなどが学べます。いずれも日常生活や仕事の場面で活かすことができそうな学びだと思います。

怒りを感じずに生きていく人はおそらくいないと思いますので、避けられないものならば、上手な付き合い方を学んでみるのはいかがでしょうか。

ぜひ手に取ってみてください

【オススメ書籍の紹介】

『サーチ・インサイド・ユアセルフ』
マインドフルネス瞑想の入門書です。瞑想も、感情をコントロールするトレーニングになると思います。本書では、瞑想について具体的な方法が学べます。

『人を動かす』
100 年近く読み継がれる、自己啓発本の名著です。「蜂蜜が欲しければ蜂の巣を蹴らないこと」はアンガーマネジメントの理解を深める手助けになるでしょう。

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