食事は吸収・排出までがセット『医師がすすめる少食ライフ』

健康な食事のイメージ 書籍感想

おはようございます。

突然ですが、皆さんの便通・排尿は良好でしょうか。
日本トイレ研究所による 2020年のアンケート調査によると、日本人の半数以上は「自分のことを便秘だと感じている」とのことです。

食べたものを排出することは生きる上で欠かせないことです。
そういう意味では、「何を食べるか」と同時に「しっかり出せているか」も気にする必要がありそうです。
本日は、食事内容のみでなくそのような視点を持たせてくれた書籍を取り上げたいと思います。

本日は、書籍『医師がすすめる少食ライフ』(著者:石黒成治さん)の書評・感想記事です。

本書を読み、少食ライフのなにがよいのか学びましょう

食事は吸収・排出までがセット『医師がすすめる少食ライフ』

記事の内容は、以下の通りです。

1.何をどれだけ吸収・排出したかも大切
2.排出に関わる臓器 腸
3.排出に関わる臓器 腎臓

それぞれの内容についてみていきます。

何を食べるかと同時に何をどれだけ吸収・排出したかも大切

「健康のために何を食べたらよいのか」は多くの人が気になる点ですが、これについては様々な研究成果により、ある程度一定の見解が示されています。
それは、果物や野菜、茶色い(精製されていない)糖質、動物性ではなく植物性を主とした食事です。

本書では、もちろん上記についての言及もされていますが、それらの食事を体内でどれくらい吸収し、排出(排泄)したかという点についても解説されています。
著者である石黒さんは消化器外科医であるようですから、ここの重要性について触れることは当然と言えば当然なのかもしれません。
どうしても「何を食べるか」を注視してしまいがちですが、胃腸の中身を適切に出さないと、次の食事は入りませんからね。

お恥ずかしい限りですが、私はこの視点がすっかり抜け落ちていました。
大変よい気づきとなりました。

排出に関わる臓器 腸

食べたものを出す、という点で真っ先に頭に浮かぶのは便。つまり腸の働きです。
腸は食べ物の栄養を吸収することと、体内への有害物質の侵入を防ぐバリアという相反する機能を有しています。
そして、腸の機能が十分に働いているかの目安として、我々が最も確認しやすいものが便です。
本書では、とくに便秘に関する記述が多くされており、参考になりました。

便秘は多くの定義があるようですが、一般には「1 週間の排便回数が 3 回未満」とされます。
また、便秘は便が腸内に溜まった状態となるのですが、便秘状態の女性では食事をとってから排泄されるまでの時間が 110 時間以上となる場合もあるようです。(男性については記述がありませんでした)。
そして理想の便の性状はバナナ状です。
表面がひび割れていたりコロコロした便は、腸の通過時間が長いことを示唆します。

腸の機能は、食物繊維や発酵食品の摂取による腸内環境の改善がカギを握っています。
また、抗生剤の不適切な使用は腸内細菌を必要以上に死滅させてしまいます。
いち理学療法士なのでこの点については言及できませんが、必要以上の服薬は避けた方がよいしょう。

便の性状、チェックした方がよいですね。
110 時間って、4-5 日ですよ!

排出に関わる臓器 腎臓

もう一つの排出は尿、つまり腎臓です。
腎臓は血液をろ過し、老廃物と体に必要なものを仕分けして、尿をつくるのが役割です。
健康であれば尿は淡い黄色をしており、排尿直後に匂うこともなく、泡立ちも少ないです。
排尿時には、尿の色や量、臭いなどをチェックするとよいでしょう。

そんな腎臓にとって最もダメージを与えるのは脱水です。
積極的な水分摂取を心掛けましょう。お水かお茶で十分です。
また非ステロイド性抗炎症薬と呼ばれる、いわゆる「痛み止め」の服用も腎臓に負担をかけます。
これらの薬を必要時に使用することは仕方ないですが、慢性的な服用は避けた方がよさそうです。

本書では、腎臓にとってよい食物もいくつか紹介されていました。
具体的には、ブルーベリーやショウガなどです。
ブルーベリーにはアントシアニンによる抗酸化作用が、しょうがにはガラノラクトン・ジンゲロールによる血管拡張作用がそれぞれ期待できるようです。

悪いものを避け、良いものを摂取。
当たり前ですが大切なことですね。

まとめ

何をどれだけ食べるかだけでなく、どれだけ吸収・排出しているかという視点も持ちましょう。

本記事は、書籍『医師がすすめる少食ライフ』より、
・食事は、どれだけ吸収・排出したかという視点をもつ
・便の排出は腸の機能
・尿の排出は腎臓の機能
上記 3 点について、私なりに要約・感想を記しました。

本書で強調されていたのは、「足るを知る」ということです。
個人的には、タイトルにある「少食ライフ」とは「食べない」ことではなく、「腹八分目で十分だ」ということを理解し、規則正しく一定に節度を持って食事を楽しむことだと理解しました。

本書は、食事についての解説のみでなく、運動や睡眠など多くの健康に関する情報が記述されています。主たる食事については本書で学び、その他については新たに専門書を読むなどして理解を深めましょう。

本書は、食について学ぶうえでは、多くの人にお勧めできる書籍だと感じました。

これからは、何を食べるかだけでなく、それらがきちんと出ているかにも気にかけながら食生活を楽しみたいと思います。

ぜひ手に取ってみてください。

【こんな書籍もオススメです】

食事については以下の書籍も参考になります。
本書の内容と組み合わせれば、70-80 点はとれるでしょう。

添加物まで気に掛けることができれば 80-90 点でしょうか。
食品は成分表のみでなく原材料名も目を通してください。

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