おはようございます。
突然ですが、みなさんには「かかりつけ歯科医」はありますか?
一昔前は、歯医者=歯が痛くなったら通うところという認識が一般的(私もそうでした)でした。
しかし、それでは対応が後手後手になってしまい、気がつけば歯がグラグラ→抜歯となりかねません。
そして、歯を失うことは脳の老化、つまり認知機能の低下を引き起こす危険を高めてしまうようです。
年をとっても元気で自立した生活を送ることは万人の願いだと思います。
そのために、今からできることを学びましょう。
本日は、書籍『認知症専門医が教える! 脳の老化を止めたければ 歯を守りなさい! 』(著者:長谷川 嘉哉さん)の書評・感想記事です。
本書を読み、自身の歯と向き合ってみましょう
一般人でも歯は命『認知症専門医が教える! 脳の老化を止めたければ 歯を守りなさい! 』
記事の内容は、以下の通りです。
1.歯と脳の密接な関係
2.現代人の 3 人に 2 人は歯周病!
3.今からすべき歯のケア
それぞれの内容についてみていきます。
歯と脳の密接な関係
歯と脳には密接な関係があります。
こちらはホムンクルス図と呼ばれるもので、ヒトの大脳皮質(運動野・感覚野)と体部位との対応関係をまとめたものです。
注目していただきたいのは、感覚野・運動野それぞれに占める口および唇の大きさです。
口という一つの器官だけで大脳の 1/4 程度を占めていることがわかります。
人間にとって、いかに口の機能が重要かわかります。
また、口の機能(特に咀嚼)は脳の血流とも密接な関係があります。
本書によると、咀嚼をするとまず歯がほんのわずかに歯根膜に沈み込みます。
それが歯根膜にある毛細血管をポンプのように圧縮し、脳へ血液を送り込む刺激となります。
脳へ送り込まれる血液は、咀嚼 1 回あたり 3.5ml (お弁当についてくる醤油さし程度)とのことです。
私たちは食べ物を嚙むたびに、脳へピュッピュッと血液を送り込んでいるわけです。
「よく噛んで食べると頭の回転が早くなる」にもきちんとした裏付けがあるようです。
現代人の 3 人に 2 人は歯周病!
歯周病という言葉を聞いたことがない人はいないと思います。
歯周病については、日本歯周病学会の HP に分かりやすい解説がありましたので引用します。
歯周病は、プラーク中の歯周病原細菌によって引き起こされる感染性炎症性疾患で、歯の周りの歯ぐき(歯肉)に炎症が起こり、さらに進行すると歯を支えている骨が溶けてしまう病気。
日本歯周病学会 HP より
大人の歯を失う原因の第一位であり、現代人の 3 人に 2 人はすでに歯周病。
歯を失うことも恐ろしいですが、近年の研究により、歯周病は様々な疾患との関係が明らかになっています。
歯周病にかかり歯肉が炎症状態に陥ると、歯周病菌が体内に侵入しやすくなります。
そして、その歯周病菌が血流にのって体内のいたるところに定着し、炎症を引き起こします。
この炎症は血管を痛め、血栓(血液の塊で、脳梗塞や心筋梗塞の原因となる)を作りやすくします。
また、慢性的な炎症はインスリンの効き目を阻害し、糖尿病の発生率を高めます。
歯周病により糖尿病発症リスクは2倍以上に跳ね上がるそうです。
上記のほかにも、歯周病はアルツハイマー病や誤嚥性肺炎の発症リスクも高めます。
たかが歯周病と侮ってはいけません。
歯周病は、健康寿命を損なう疾患の引き金となる可能性がある恐ろしい病だという認識を持ちましょう。
歯周病は万病のもとです!
今からすべき歯のケア
大切な歯を守り、自分の歯でよく噛んで食事をするためには、歯周病対策をしっかり行う必要があります。
特に、30 歳を超えると歯周病の有病率はグンと上がります。
仕事・家事で忙しいのは十分承知していますが、毎日の生活の中に口のケアをする時間を確保しましょう。
本書では取り入れるべき口のケアがいくつか紹介されていました。
その中でも重要性が高いと思われる 2 点を紹介します。
・毎日の歯磨き+歯間ケア
毎日の歯磨きはもちろんですが、加えて歯間ブラシやデンタルフロス、糸ようじなどの道具を用いて歯と歯の間も掃除しましょう。
歯ブラシのみでは歯間部のプラークは 60% 程度しか除去できません。
「Floss or Die」(フロスをしますか、それとも死にますか?)
これは1998 年にアメリカ歯周病学会が発表したキャッチコピーです。
こんな言葉もあるくらいですから、毎日の口腔ケアにデンタルフロスは必須でしょう。
・かかりつけ歯科医をもとう
これは本書で強く推奨されていました。
歯医者は「歯が痛くなってから」通うのではなく、「歯をきちんとケアできているかチェックしてもらうため」に通うところという認識を持つ必要があります。
治療ではなく、予防が非常に重要です。
かかりつけ歯科医がない方は、通いやすい歯科医の HP をチェックし、予防歯科に注力しているか、歯科衛生士さんがどの程度勤務しているかなどの情報をもとに選びましょう。
長谷川さんは、髪を切りに行くように歯医者にも通おう、と呼び掛けていました。
もう何年も歯医者に行っていない方、今すぐ診察の予約をとってください。
私も十数年、歯医者に行ってませんでした。
子どもの検診ついでに見てもらったのですが、虫歯が多数あり要治療でした。。
今は定期的に通い、チェックを受けています。
まとめ
歯は一生ものです。
歯を大切にすることは、将来の健康への投資(それも、かなりコスパのよい)です。
本記事は、書籍『認知症専門医が教える! 脳の老化を止めたければ 歯を守りなさい!』より、
・歯と脳は密接な関係にあること
・歯周病は万病のもと
・今からできるケアと、かかりつけ歯科医をもつこと
上記 3 点について、私なりに要約・感想を記しました。
昔、「芸能人は歯が命」なんて CM がありましたが、一般人でも歯は命です。
毎日のケアと定期的な診察で、大切な歯をきちんと守りましょう。
健康寿命を延ばすために食事・運動・睡眠が重要なのはいうまでもありません。
その次にくるのは、「歯のケア」かもしれませんね。
これまで歯のケアに関心がなかった方は、本書のような歯のケア関連の書籍を読んでみてください。
歯間ケアしてない私ヤバい、という認識になればそれで十分です。
ぜひ手に取ってみてください。
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