おはようございます。
地球温暖化は、現在人類が直面している大きな問題です。
この問題に対して、政府は地球温暖化対策推進法を制定し、2050 年までにカーボンニュートラルの実現を目標としています。
来るべき 2050 年に向け、我々が知るべきことは何なのでしょうか。
また、世界のトップはこの問題をどのようにとらえているのか。
今回は、ニューヨーク・タイムズ・ベストセラー1位を獲得したデジタル界の巨匠が記した書籍を紹介したいと思います。
本日は、書籍『地球の未来のため僕が決断したこと』(著者:ビル・ゲイツさん)の要約・感想記事です。
本書を読み、地球温暖化対策の現在地を知りましょう
地球温暖化対策の現在地と未来『地球の未来のため僕が決断したこと』
記事の内容は、以下の通りです。
1.毎年大気中に増える温室効果ガスは○○億トン
2.温室効果ガスを排出する 5 つの活動
3.必要なことは科学のブレイクスルーと世界の合意
それぞれの内容についてみていきます。
毎年大気中に増える温室効果ガスは○○億トン
本書によると、世界の大気中に排出される温室効果ガス(CO2 やメタンなど、いくつか種類がある)は年々増加しており、執筆時(おそらく 2019 年)には 510 億トンであると紹介されています。
510 億トンがどんな量なのか、全く想像がつきません。
そして、著者はこの数字を 0 にしなければならないと強く主張しています。
ちなみに、日本の目標は 2030 年にエネルギー起源 CO2 を9 億 2700 万 t としているようです(環境庁 HP より)。
これもまた想像がつきません。
0 までの道のりはかなり険しいようですが、必ず達成しないといけない目標です。
浴槽から水が溢れないようにするためには、蛇口をしっかり閉める必要があります。
温室効果ガスも、たとえわずかでも排出し続ければ、いつか環境が破綻してしまいます。
510 億トン!といってもイメージできませんが…
とにかくものすごく大量で、それを 0 にしないといけません。
温室効果ガスを排出する 5 つの活動
本書では、それら温室効果ガスを排出する人間の 5 つの活動について紹介していました。
以下がその 5 つです。
・電気を使うこと
・ものを作ること
・ものを育てること
・移動すること
・冷やしたり暖めたりすること
それぞれ簡潔に触れていきます。
・電気を使うこと(510 億トンのうち 27%)
本書によると、世界の発電電機のうち、2/3 が化石燃料を用いて生み出されているようです。
一方、クリーンエネルギーとよばれる太陽光や風力による発電は、わずか 7% 程度に留まっています。
その理由は、化石燃料が安すぎること、電気は安定した供給が求められること(自然のエネルギーは不安定)、グリーンエネルギーを使用するにはコストが高いことなどが挙げられていました。
まだまだクリアすべき課題が多いようです。
・ものを作ること(510 億トンのうち 31% )
建物の建築に欠かせない鉄鋼ですが、これは原料である鉄鉱石とコークス(石炭)を加熱することにより製造されます。
また、コンクリートを製造するためにはセメントが必要となるのですが、このセメントを製造するためにも CO2 が発生してしまいます。
また、鉄鋼やコンクリートを製造する工場を稼働させるためにも電力が必要です。
この分野は、特に多くの技術革新が必要とされていました。
・ものを育てること(510 億トンのうち 19%)
特に畜産にかかるガス排出が問題となるようです。
まず、エサを育てる肥料を製造することも CO2 が排出されます。
また、家畜から排泄されるげっぷ、おなら、フンから出るガス(メタンガスで、温室効果は CO2 より高い)も無視できない量とのことです。
この先、世界の人口増加・貧困脱出にともない、食肉量の需要も増加していきます。
確実に予想されている内容だけに、どのように対応するか考える必要があります。
・移動すること(510 億トンのうち 16%)
普通車や大型車、船や飛行機などは、種類は多少異なりますがいずれも化石燃料を用いてエンジンを駆動しています。
これらをクリーンなエネルギーに置き換えるとなると、必要なコストは倍以上になるようです。
その増加分は、当然消費者の負担となります。
輸送の需要もまだまだ増加の一途のようですから、大きな課題でしょう。
・冷やしたり暖めること(510 億トンのうち 7%)
エアコンは、今後世界にどんどん普及していくようです。
これも、人口増加および貧困脱出に伴うものです。
そもそも、暑い国(インドや南アフリカなど)のエアコン普及率は 10% 未満とのことです。
これから需要が高まることは間違いありません。
厳しい話題が並びますね…
解決の糸口はあるのでしょうか。
必要なことは科学のブレイクスルーと世界の合意
これらの問題を解決するために必要なことは、科学のブレイクスルーです。
このためにビル&メリンダ・ゲイツ財団は、多くの資金を温室効果ガス削減において有望な企業に出資しているとありました。
本書では、温室効果ガス排出における問題点は徐々に明らかになっているため、必要なのはそれを解決する技術革新であることが強調されていました。
素人からすると、「それが一番難しいんじゃ…」と思いましたが、人類の発展は技術革新ともにあったのも事実です。
技術屋であるビル・ゲイツさんは、その点については大きな希望を抱いているようでした。
また、地球温暖化対策で欠かせないことが、世界の合意を得ることです。
温室効果ガス排出の恩恵を受けてきた先進国と、電気を安定して使用できない発展途上国では、主張に相違があって当然です。
現在地球温暖化対策として得られている国際同意は 2015 年に採択された「パリ協定」があります。
このパリ協定は、歴史上はじめて「全ての国が参加する公平な合意」で、主要排出国を含む全ての国が削減目標を5年ごとに提出・更新することが約束されています。
機会があれば、このような動向もチェックしたいと思いました。
技術革新に期待!ですね。
まとめ
直面している環境問題に対して、世界のトップがどのように考えているかを覗いてみましょう。
我々一般人でも、ビル・ゲイツさんの考えに触れることは可能です。
本記事は、書籍『地球の未来のため僕が決断したこと』より、
・温室効果ガス排出は、510 億トンを 0 にする必要があること
・温室効果ガスを排出する 5 つの活動
・科学のブレイクスルーに期待
上記 3 点について、私なりに要約・感想を記しました。
本書は地球温暖化に焦点を当て、世界の温室効果ガス排出の現状やその内訳、今後期待できる技術などをデータに基づきながら解説してありました。
もし地球温暖化に興味がある方は一読をオススメします。
地球温暖化は確実に進行しています。
温室効果ガス排出ゼロの道のりは険しいですが、現状を学び、一人ひとりがとれる行動を考えましょう。
ぜひ手に取ってみてください。
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