コストはかかるが政治参加しよう『17歳からの民主主義とメディアの授業 ぶっちゃけ、誰が国を動かしているのか教えてください』

選挙のイメージ 書籍感想

おはようございます。

「政治に関心があるんです」なんていうと、周囲から浮いた存在になりかねないのが日本の現状ではないかと思います。
家族や友人と政治について話す機会は、ほとんどないですよね。
むしろ「意識高い系」と見られたり、嘲笑されたり…政治の話は少し敬遠されている風潮があります。

今回は、普段目を向けることのない政治について学ぶ書籍を読む機会を得ましたので、取り上げたいと思います。

本日は、書籍『17歳からの民主主義とメディアの授業 ぶっちゃけ、誰が国を動かしているのか教えてください』(著者: 西田 亮介さん)の書評・感想記事です。

本書を読み、政治参加について考えてみましょう

コストはかかるが政治参加しよう『17歳からの民主主義とメディアの授業 ぶっちゃけ、誰が国を動かしているのか教えてください』

記事の内容は、以下の通りです。

1.日本は政治に関心がなくても生きられる国
2.政治に対するわれわれの仕事
3.政治参加はコストがかかる。それでも投票にはいった方がよい

それぞれの内容についてみていきます。

日本は政治に関心がなくても生きられる国

著者である西田さん(東京工業大学リーダーシップ教育院准教授)は本書において、政治に関心がなくても生きていける日本は、幸せな社会であると説いています。

日本は戦後 70 年以上、他国を侵略せず、また他国から侵略されず、明確な自由民主主義を維持しています。

また、表現の自由をはじめとした基本的人権は憲法によって保障されています。
公共の福祉という概念はありますが、基本的には国家によって個人の行動が抑圧されることもありませんし、何をするにも自由です。

これは、世界の中でもまれなことなのだそうです。
つまりわれわれ日本人は、幸運なことに「政治に興味がなくても不自由なく生きられる」のです。

一方で、政治に無関心でも問題がないために、政治について考える機会もほとんどありません。
多くの方にとっては、学校の授業で習ったことがある程度ではないでしょうか。

西田さんは、政治参加しない=予算・資源をめぐる「イス取りゲーム」に参加しないことを危惧していました。

残念ながら、政治では声を上げないと意味がないのです。

白票は、何も産み出しません。

われわれは政治に対して何ができるのでしょうか?

政治に対するわれわれの仕事

では、われわれ一般市民はどのようにして政治に参加すればよいのでしょうか。

その方法として、真っ先に思い浮かぶのは投票です。
西田さんは、「選挙期間中だけでもいい」ので、候補者や政党のかかげる政策に関心をむけ、できることなら投票へ行こうと呼びかけていました。

そして投票を済ませたあとは、だれが当選したかを確認し、その政治家がどんな活動をしているのか「監視」することがもう一つの仕事です。

比例代表制による当選者全員を把握するのはほぼ無理ですが、小選挙区の当選者なら一人です。

ぜひ検索してみましょう。

政治家が当選したあとどんな仕事をしているのか、案外知らないものです。

この記事を執筆するにあたり、昨年の衆議院選挙において、居住地の小選挙区で当選した政治家の活動についてチェックしてみました。

なんと、選挙戦以降、Twitter も Facebook も更新されていないようです。。
SNS での発信がすべてではないと思いますが、なんともさみしいですね。

本書によると、政治家は「支持を得ることが仕事の人たち」と述べられていました。
また、政治家は「いい印象を与える能力に長けている」「いい政治家はいない」という記述もありました。

選挙期間中は、どの政治家もいい人のようにふるまいます。
でも、大切なのは当選した後に、投票した人たちのためにどのような活動をしているかです。

監視を怠ると、政治家は好き勝手したくなるそうです

政治参加はコストがかかる。それでも投票にはいった方がよい

この点は、本書における 1 番のメッセージだと感じました。

政治参加はわたしたちの権利です。
しかし、一般市民の立場からすれば、コストがかかるのも事実です。
政治家の活動を監視し、デモや SNS で訴え…時間も労力も必要なことはまちがいありません。

結局、これら政治参加の中で、一番低コストで影響力を行使できるのは、やはり投票することなのだそうです。

現在、日本には投票に行かなくても罰則はありません。
しかし、自分たちや将来の子どもたちの生活を考え、政治家の人たちに好き勝手させないためにも、「投票には行くのが普通」みたいにはした方がいい。

西野さんはこのような主張を述べていました。

私もそう思いました。
みなさんの周囲は、投票に行くのが普通という雰囲気ですか?

まとめ

政治に参加するか、決めるのは個人の自由です。
投票するという行為は、遠回しですが武器になります。

本日は、書籍『17歳からの民主主義とメディアの授業 ぶっちゃけ、誰が国を動かしているのか教えてください』より、

・政治に関心がなくても生きていけるが、意思は示したい
・政治(政治家)を監視することが、われわれの仕事
・政治参加はコストがかかる。その中で、投票は比較的低コストで影響力は強い武器となる

上記 3 点について、私なりに要約・感想を記しました。

このような記事を書きましたが、私自身、政治に強い関心をもっているわけではありません。
せいぜい、投票前に立候補している候補者について検索したり、選挙広告の記事を読む程度です。
当選後の政治家の活動など調べたことはありませんでしたので、これを機にぜひ「監視」してみたいと思います。

本書は、堅苦しくなりがちな政治参加について、全般的に平易な言葉でわかりやすく解説されていました。
タイトルには『17 歳からの…』とありますが、30 歳を超えた私にとっても学びがありました。
また、「政治参加はコスト」「政治家にいい人はいない」という、ほかの書籍では見かけないような表現が強く印象に残りました。

本書を読み、これまで考える機会の少なかった政治参加について、新たな視点を持つことができました。
政治参加は、日本に住み選挙権を持っている人であれば、だれでも関係する内容です。
本書のような書籍を通じ、政治参加について考えてみるのもムダなことではなさそうです。

読書時間を割く程度のコストなら支払えますよね。

ぜひ手に取ってみてください。

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