食事は成長の土台『医師が教える 子どもの食事 50 の基本』

子の食事 書籍感想

(アイキャッチの商品画像は、ダイヤモンド社 HP よりダウンロードしています)

おはようございます。

You are what you eat.
これは有名な英語の決まり文句です。直訳は「人は何を食べるかだ」となり、人は食べ物によって体が作られていることを表しています。

食べることは生きるための基本であり、子どもの健やかな心と身体の発達に欠かせないものです。食事メニューを考えるときには、「なにを」「どれだけ」食べたらよいかという悩みは尽きることはありません。

この度、子どもにとっての食事について、異色の経歴を持つ小児科医によって分かりやすく解説されてある書籍を読む機会を得ました。多くの学びが得られた良書でしたので、紹介したいと思います。

本日は、書籍『医師が教える 子どもの食事 50 の基本――脳と体に「最高の食べ方」「最悪の食べ方」』(著書:伊藤明子さん)の要約・感想記事です。

本書をよみ、子どもの食について学びましょう

食事は成長の土台『医師が教える 子どもの食事 50 の基本』

記事の内容は、以下の通りです。

  • 本書の概要と著者について紹介
  • 子どもに毎日食べさせたい食品
  • 子どもに不足しがちな栄養素と、それを補う食品

それぞれの内容についてみていきます。

本書の概要と著者について紹介

本書の概要です。
本書は 2023 年にダイヤモンド社より出版されました。

【子どもの食の決定版!】
小児科医が、医学的根拠に基づき「子どもの食」について解説した本。

毎日の食卓で、何を出すべきで、何を避けるべきかが、一目でわかる内容です。

今すぐ取り入れられる食材や食べ方を50に分けて紹介しており、食に対する迷いがなくなります。巻末に、かんたんなのに子どもが喜ぶレシピ付き!

ダイヤモンド社 商品紹介ページ https://www.diamond.co.jp/book/9784478115091.html より引用

著書の伊藤明子さんは、小児科医、日本公衆衛生学会認定社会医学系専門医です。現在は特定非営利活動法人ヘルシーチルドレン・ヘルシーライブス (Healthy Children, Healthy Lives) の代表理事、ならびに赤坂ファミリークリニックの院長をされています。

伊藤さんは帰国子女であり、東京外国語大学を卒業し、同時通訳者として活躍されていました。その後、二児の母になった 40 歳のときに帝京大学医学部を受験され、医師になったという経歴をお持ちのようです。

2017 年より現職となり、子どもの食を医学的な観点から研究し、多くのメディアにて情報発信を行っています。著書には、本書のほかに『小児科医がすすめる最高の子育て食』(講談社、2018)があります。

二児の母になったあとに医学部受験…そのチャレンジに脱帽です!

子どもに毎日食べさせたい食品

本書は「10 の超基本」、「30 の基本」、「もっと知りたい 10 の基本」という構成で、子どもにとってよい / よくない食事について解説していました。

本記事ではそれらのうち、個人的に学びになり、わが家の食事にも取り入れたいと感じた項目を紹介します。

まずは、本書で毎日食べたいと紹介されていた食品です。それは、卵とすりゴマです。

毎朝、卵をひとつ

人間の身体のうち 20% はタンパク質でできています。タンパク質は私たちの血となり肉となるため、子供の成長に重要であることは言うまでもありません。

タンパク質は全 20 種類のアミノ酸から作られます。そして、卵はそのすべてのアミノ酸を含んでいる食品です。さらに、そのバランスも優れています。

食品中に含まれるアミノ酸のうち、必須アミノ酸(体内で生成できず、食品から摂取する必要があるアミノ酸)のバランスを評価した「アミノ酸スコア」というものがあり、なんと卵は最高値の 100 です。

本書では、そんな卵を毎日の朝食で 1 つ食べることが推奨されていました。

ある研究では、朝食にたんぱく質をしっかり摂った人は、周囲の人をより受け入れることができたという結果が示されているようです。つまり、タンパク質をしっかりとると、周囲に優しくできるのです。

すりゴマを 1 日大さじ 1 杯

すりゴマはかけたり和えたりすればお手軽に摂取可能な上に、不足しがちな栄養素であるカルシウム、鉄、亜鉛を多く含んでいます。

また、ゴマの健康成分として有名なセサミンは活性酸素の働きを抑制し、肝機能やビタミン E の抗酸化作用を向上するとされています。

その他に、ごまは食物繊維もしっかり摂れる食品です。食物繊維には水溶性と不溶性がありますが、ごまは主に不溶性となります。水に溶けず、腸内で水分を吸ってふくらみ、大腸が刺激され、排便がスムーズになります。

注意点は、ゴマの半分は油であるため、過剰摂取はカロリーオーバーにつながることと、いりゴマは栄養の吸収率が低い点です。そのため、1 日の摂取目安は大さじ 1-2 杯とし、いりゴマではなく、すりゴマやねりゴマを選ぶようにしましょう。

卵・ゴマなら毎日取り入れられそうですね

不足しがちな栄養素と、それを補う食品

次に、いつもの食事ではどうしても不足しがちな栄養素と、それを補う食品について紹介します。本書では鉄分、亜鉛、ビタミン D などが不足状態に陥りやすいと指摘されていました。

本記事では、鉄分と亜鉛について述べたいと思います。

鉄分は肉と野菜で摂る

本書によると、日本は貧血大国なのだそうです。子どもの貧血は意外と多く、約 20% の子どもは貧血を経験するというデータがあります。

また、貧血が多いことは子供に限らず大人にも言えることです。厚生労働省がまとめた「令和元年国民健康・栄養調査報告」によると、ヘモグロビン値が基準を下回っている割合は男性で約 10%、女性で約 13% にもなるそうです。

貧血の治療は鉄を補充することです。いきなり鉄剤を飲むのではなく、可能であれば鉄分を多く食品を摂取して補充したいところです。

食品に含まれる鉄は、ヘム鉄と非ヘム鉄に分けられます。ヘム鉄は肉類、レバー、青背魚に多く含まれ、体に吸収しやすいです。一方非ヘム鉄は卵、貝類、豆類、緑黄色野菜、海藻類に多く含まれます。ヘム鉄 / 非ヘム鉄は吸収率が異なるため、それぞれの鉄を含む食材(肉類と野菜)をバランスよく摂取することが重要となります。

また、給食やご家庭で牛乳をよく飲むと思いますが、飲みすぎは鉄の吸収を阻害します(これを牛乳貧血というそうです)。本書では、牛乳の 1 日あたりの摂取量は 200ml を目安とし、牛乳の代わりにアーモンドミルクやオーツミルクを飲むことが勧められていました。前者はビタミン E が、後者は食物繊維が摂取できます。

給食で出る牛乳は 200ml 以上と決まっているようなので、給食を食べている子に対しては、自宅で牛乳をたくさん飲ませる必要はないのかもしれません。

亜鉛は意識して補充を

もう一つの栄養素は亜鉛です。

亜鉛は体内で作ることができない「必須微量ミネラル」で、体内に約 2~4g 存在し、歯、骨、肝臓、腎臓、筋肉に多く含まれます。 200 種以上の酵素の構成や酵素反応の活性化、ホルモンの合成や分泌の調整、DNA 合成、タンパク質合成、免疫反応の調節などに作用し、身体の成長と維持に必要な栄養素です(大塚製薬 栄養素カレッジより引用)。

亜鉛不足によって免疫反応が低下し、皮膚炎や口内炎にかかりやすくなることや、脱毛、成長障害、抑うつ / 不安症状との関連が指摘されています。

本書では、亜鉛欠乏は約 13% の子どもにみられたというデータと、伊藤さんのクリニックを受診する子どもでは、さらに高率であるという事実をもとに、亜鉛の積極的な摂取が推奨されていました。

亜鉛を豊富に含む食材は、牡蠣が代表的です。その他に、ウナギやいわし、海藻や枝豆、すりゴマにも亜鉛が含まれているそうです。牡蠣を毎日食べることは非現実的なので、その他の食材をうまく献立に取り入れたいですね。

なお、亜鉛は食品からの吸収は難しいものが多く、欠乏状態の改善には時間がかかるようです。改善に取り組むのであれば、必要に応じてサプリメントの活用も推奨されていました。

本書を読み、私の中で「すりゴマ万能説」が浮上しました。毎日摂りたいですね。

まとめ

毎日の食事に、少しずつでもいいので取り入れたい食材を学べました。子どもにはいいものを食べさせてあげたいですね。

本日は書籍『医師が教える 子どもの食事 50 の基本』より、

  • 著書および本書の概要を紹介。伊藤さんは通訳者かつ医者という、異色の経歴の持ち主。
  • 毎日食べたい食品は、卵 1 つとすりゴマ大さじ 1-2 杯。たんぱく質、ビタミン・ミネラル、食物繊維を補充。
  • 意識して補充したい栄養素は、鉄分と亜鉛。どちらも食品からの摂取が望ましいが、サプリメントを使うのも一つの手。

上記 3 点について、私なりに要約・感想を記しました。

子どもの食事に特化したものは初めてだったので、学びが多い読書経験となりました。

本書で学んだ内容をもとに、自分自身や大切な子どものために、身体にいいものを食べさせたいと思います。

ぜひ手にとってみてください。

【食に関するオススメ書籍の紹介】

『医師がすすめる少食ライフ』
いい食事は排泄までがセットです。しっかり出すことを学び、そしてしっかり食べましょう。

『医師が実践する 超・食事術』
健康やアンチエイジングに関する食習慣が学べる書籍です。食について、土台となる知識を手に入れましょう。

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