アフリカ経済の現在と今後を学ぶ『超加速経済アフリカ: LEAPFROGで変わる未来のビジネス地図』【書籍感想】

アフリカ地図と上向き矢印 書籍感想

おはようございます。

みなさんは、アフリカと聞いてどのようなイメージを持つでしょうか。
砂漠、サバンナ、伝統的な民族…自分には縁がない地域。
失礼ながら、私が抱いた印象はそのようなものでした。
ましてや、アフリカの経済事情なんて、これまで考えたこともない分野でした。

しかし、本書を読んでみることで、アフリカ経済のリアルに触れ、その秘めたるポテンシャルを学ぶことができます。

本日の記事は、『超加速経済アフリカ: LEAPFROGで変わる未来のビジネス地図』という書籍の感想記事です。
本書を読み、アフリカ経済に対するイメージを一新させましょう。

アフリカ経済の現在と今後を学ぶ『超加速経済アフリカ: LEAPFROGで変わる未来のビジネス地図』

記事の内容は、以下の通りです。

  1. アフリカの現在
  2. LEAPFROG でどんどん豊かになるアフリカ
  3. アフリカの未来は?

それぞれの内容についてみていきます。

アフリカの現在

本書では、まず最初にアフリカに関するデータの紹介から始まりました。
アフリカについて何も知らない私にとっては、大変ありがたい導入でした。

本書によると、アフリカは「大きくて若い」のだそうです。

・大きさ
アフリカ大陸の面積は、南北 8000km、東西 7400km にも及びます。
これは日本の国土面積の 80 倍、アメリカの 3 倍だそうです。
世界地図や地球儀ではピンと来ませんが、数字で表すとその広大さがはっきりしますね。

・若さ
2020年のデータでは、アフリカ総人口の中位年齢(ほぼ平均年齢と同じ理解でよい)は、なんと驚きの 19.7 歳です。
この若さには、乳児死亡の減少や、最低限の食糧を確保できていることが影響しているのだそうです。ちなみに日本は48 歳で、世界 1 位です。。
アフリカは、圧倒的に若いですね。
私自身は、もうこの数字だけで「こりゃ将来、日本では敵わないな」と感じました。

LEAPFROG でどんどん豊かになるアフリカ

リープフロッグ現象とは、段階的な進化を踏まず、途中の段階をすべて飛び越して一気に最先端の技術に到達してしまうことを指します。
ビジネス領域では、主に新興国において先端技術が一気に浸透することを表す言葉、とされています(シマウマ用語集サイトより引用)。
大幅なステップアップの様が、カエル(frog)の跳躍(leap)に例えられることからこのように呼ばれます。

本書では、アフリカ東海岸の国ケニアにおけるモバイル送金サービス(M-PESA)を例として、アフリカにおけるLEAPFROG の実際が述べられています。
M-PESA は携帯電話の電波で送金・決済が可能なサービスで、その普及率はケニア国内で80% 以上とされています。
さらに、預金やローンを組むことも可能、税金や健康保険・公共料金の支払いも可能とのことです。

もはや、ケニア国民にとってはなくてはならないサービスですね。

そしてその決済額の合計はケニアの GDP の半分以上にもなるようです。
銀行、ATM、キャッシュカードなんて必要なし。
彼らは固定電話なんて持ってません。携帯電話です。

まさに LEAPFROG の最たる例です。

その他にも、ドローンによる血液・医薬品の物流サービス、AI による医療診断ベンチャーの活躍など、多くの事例が挙げられていました。

これらの LEAPFROG 現象は、
先進国のように「既得権益者」がいない分野において、本質をついたニーズに対して先端技術がその方法を提供した結果生まれたもの、と本書では解説されています。

これこそが、アフリカビジネスの醍醐味なのでしょうね。

アフリカの未来は?

まず、アフリカ全土で、人口が爆発的に増加します。
国連の人口予測によると、2021年ではアフリカ全土の総人口は14億人で、世界人口の18%を占めています。
これが2050年には24億人になり、世界人口に占める割合は25%となります。
世界の4人に1人がアフリカ人という時代です。

加えて、アフリカは経済成長率も高いことが特徴です。
GDPの伸び率は、世界平均を上回っているとも報告されています。

ただし、アフリカは多くの課題を抱えている地域でもあります。
例えば、貧困。
アフリカは世界で最も貧困率が高い地域です。
テレビで見るような栄養失調の子供たちが多く存在することも事実です。
その他にも、厳しい環境や蔓延する汚職問題など、克服すべき課題が多いとも言えます。

ですが、アフリカを含む世界の貧困は、過去と比較して確実に改善されています。
それに、国際援助の充実など、明るい材料も決してないわけではありません。

個人的には人口が増加することによる経済成長パワーを信じていますので、今後アフリカがどのように発展していくか、いち理学療法士ですが注目しています。
もしかしたら、アフリカの方を相手に、オンラインで生活習慣指導をする日本人理学療法士が現れるかもしれません。

まとめ

本書は、今まで考えることもなかったアフリカ経済について、多くのデータや実例が紹介されており、非常に理解しやすい内容だったと思います。

私は、この本を読む前までアフリカ経済について何も知りませんでした。
本書を読み、アフリカの加速度的な成長を知ることができました。
また、この本を読まなければ、一生アフリカの経済について考る機会はなかったと思います。

本書は、ビジネスマンにとって大いに参考になると思いますし、そうでなくても興味深くアフリカ経済について学ぶことができる良書だと思います。

ぜひ手に取ってみてください。

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