おはようございます。
本書籍は発売から 2 年で累計売上 100 万部を超えたミリオンセラーです。
多くのメディアで取り上げられたことものあるため、ご存知の方も多いかと思われます。
私自身、電車の吊り広告で本書を知り、強く興味を持ちました。
遅ればせながら本書を読む機会を得られましたので、私なりに要約したいと思います。
本日は、『FACTFULNESS 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』という書籍の感想記事です。
本書籍に記載されている内容のうち、特に印象に残った 3 点について記したいと思います。
本書を読んで、データに基づいて行動する重要性を学びましょう。
『FACTFULNESS 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』
本書の内容は、以下の通りです。
- 分断本能を知る。「TV でみたあの人たち」はごくわずか。
- ネガティブ本能を知る。悪いニュースばかりではない。
- 宿命本能を知る。ゆっくりとした変化を意識する。
それぞれの内容についてみていきます。
分断本能を知る。「TVでみたあの人たち」はごくわずか。
我々は、無意識のうちに物事を 2 つに分断してしまっています。
例えば、「発展国」と「途上国」、「富裕層」と「貧困層」などです。
分断は、それ自体が悪ではないですが、時として誤った認識につながる可能性があります。
本書では、世界を所得に応じて4 つのレベルに分けて考えることが提案されていました。
それにより、世界の理解が深まる、とのことです。
日本を含む先進国に住む人々は、水道・ガスなどの整備されたインフラ、少なくとも飢餓になることはない食料など、非常に恵まれた環境で暮らしています(本書では、先進国をレベル 4 としていました)。
そして、現在のデータでは、世界の 75% の人々は、レベル2-3 の中所得の国で生活しています。
つまり、ほとんどの国は、最低限のインフラは整備されていて、電気も水道も使える。
食料も、餓死してしまうような危険性は低い状態、のようです。
(ちなみにレベル1 は、内戦や紛争が原因によって貧困状態にある国々のようです)
しかし、レベル 4 からの景色では、1 から 3 の国々の生活はどれも一様にみえてしまう。
「わたしたち」と「そうでない人たち」という分断がおこり、事実をとらえることが難しくなる。
これが、分断本能です。
確かに 2 つに分けてしまえば、一見、物事を理解しやすいように感じられます。
それに、そのグループの差が極端(レベル 1 と 4)であればあるほど、ドラマチックな演出もしやすくなります。
メディアで取り上げられるような、極度の貧困状態の子ども・飢餓に苦しむ地域などが、世の中の大半ではないという事実は、きちんと知っておきたいですね。
(もちろん、0 ではありませんし軽視していいという意味ではありません)
ネガティブ本能を知る。悪いニュースばかりではない。
これは、ショックあるいはネガティブな出来事は耳に入りやすく、頭に残りやすいという本能です。
逆に、良い出来事やゆっくりとした進歩はニュースになりにくいともいえます。
例えば、身近な例でいえば、電車の運行が思い浮かびました。
もし利用する電車が、定刻より遅れて運行されていた場合、そのことは強く頭に残ります。
しかし、鉄道会社の努力により、大半の電車は定時どおりに運行されています。これが事実です。
毎日毎日、明らかに遅延している鉄道会社など、誰も利用したくないですよね。
でも、そのことを改めて認識している方はどの程度みえるでしょうか。
毎日守られている運行よりも、突発的に生じた列車遅延に目が行ってしまう…
これが、ネガティブ本能の影響です。
本書では、世界の犯罪件数やテロリズムの発生件数が例として挙げられていました。
過去と比較して、それらの発生件数は明らかに減っています。
しかし、ひとたびショッキングな事件が報道された場合、そのインパクトによって「世界はどんどん悪くなっている」という認識を抱いてしまう…
というロジックです。
当然ですが、私が考える例より分かりやすいですね。
ネガティブ本能をコントロールするには、
「悪いことはある」と「良くなっている」は両立することを理解することが重要なのだそうです。
宿命本能を知る。ゆっくりとした変化を意識する。
これは、「すべてはあらかじめ決まっている」という思い込みです。
例えば、本書では
・西洋諸国の発展は今後も続き、アフリカ・アジアはそれに追いつくことはできない?
・性交をタブーとしている宗教は、子どもの数が少ない?
などが挙げられていました。
西洋諸国の繁栄は過去の歴史が示す通りです。
多くの国はアジア・アフリカ諸国を植民地とし、大きな発展を遂げてきました。
そしてその構図はこれからも続いていく…そのようにイメージを抱く方もみえるかもしれません。
しかし、アフリカの経済発展は先日の記事で触れたとおりです。
アジアの経済発展も、中国を筆頭とした目覚ましいものがあります。
(日本をここに挙げられないことはさみしい限りですが…)
宿命本能によって導き出される未来と、現実にやってくる未来は大きく異なりそうだと考えるのは私だけでしょうか。
また、子どもの出生率と大きく関連していることは、宗教ではなく、経済状態だそうです。
これは、どの宗教を信仰する国でも、経済レベルが上がるにつれて子供の数は減少するという一貫した傾向があるようです。
経済レベルがあがることで、
・女性が教育を受けることができる。特に、避妊についての知識を学ぶ。
・多くの子供(つまり、労働力)を生む必要がなくなる。
などが、経済レベルと出生数低下の関連する要因です。
宿命本能をコントトールするには、「ゆっくりとした変化でも、変わっているということを認識すること」とのことです。
文化も宗教も国も、貧困から抜け出すことによってゆっくりですが着実に変わっていくということです。
まとめ
本記事では、本書で紹介されていた「10 の本能」のうち、印象に残った 3 つを取り上げました。
本記事ではふれませんでしたが、残り 7 つの本能も、データをもとに物事を正しくみることに必要なものです。
また機会があれば触れてみたいと思います。
ちなみに、本書では「世界の真実に関するクイズ」が12問出題されています。
興味を持った方は、こちら(https://factquiz.chibicode.com/)のリンクから挑戦してみてください。
本書を読んで、私は世界に対していかに無知で、また思い込みを持っていたかを強く感じました。
そして、世界に対する認識を大きく改めることができました。
今は、課題はいくつもありますが、世界はどんどん良くなっていると思っています。
本書を読むことで、世界の真実(ファクトフルネス)を知ることができます。
また、物事を客観視すること・謙虚であることの必要性を改めて認識させてくれます。
世界をドラマチックな見方で見ている人、世界に対する認識をアップデートし、正しい見方を学びたいと思っている方には、強く一読を推奨します。
非常に良書だと思います。ぜひ手に取ってみてください。
コメント