おはようございます。
学生にとっては待望の夏休みが始まりました。我が家には小学生と未就学の子どもがおり、さっそくお友達とのお泊りや、夏祭り、夜の水族館など、普段ではできないようなイベントを順調にこなしています。異常な暑さによる熱中症には十分に気をつけながら、子どもたちには元気にたくさん遊んで過ごしてほしいものです。
本日紹介する書籍は、小学校低学年の子育てに焦点をあてた内容です。詳細は後述しますが、この時期の子どもにとっては、机に向かう時間はほどほどにして、たくさん遊んで過ごすことが最優先です。1 万人以上の指導実績を誇る教育のスペシャリストが語る、小学 1-3 年生で本当にするべき「勉強」とは何なのか、少しだけ覗いてみましょう。
本日は、書籍『小学校最初の3年間で本当にさせたい「勉強」』(著者:中根克明さん)の要約・感想記事です。
本書を読み、低学年の学習におけるポイントを学びましょう
勉強は少し、遊びはたっぷり!『小学校最初の3年間で本当にさせたい「勉強」』
記事の内容は、以下の通りです。
- 本書の概要と著者について紹介
- 小学校 1-3 年生は、子どもらしい幸福な時期
- 最優先は、熱中してあそぶ時間
それぞれの内容についてみていきます。
本書の概要と著者について紹介
本書の概要です。本書は 2016 年にすばる舎より出版されました。
難関校合格者を輩出。教育熱心な親の間で注目を集める作文通信「言葉の森」代表が、家庭教育の現場から「10 歳までの本物の勉強法」を発信。
すばる舎 商品紹介ページ(https://www.subarusya.jp/smp/book/b253308.html)より引用
多くの親が焦ってしまうが、低中学年はよく遊び、好きなことを追求するのが大切な時期。勉強は詰め込まず、家庭学習の習慣がつけばいい。ただ、読書だけはたっぷりさせたい。国語力は学力の土台。そして、国語力は読書によって身につくもの。
この時期にたくさん遊んで余力を蓄え、読書で国語力を養った子は高学年から一気に伸びる。学校生活のスタートである「小学校最初の 3 年間」を、どう有意義に過ごさせてあげるか。まったく新しい観点の教育指南書。この時期に読みたいオススメ本 52 冊も掲載。
著者の中根克明さんは 1952 年生まれの男性です。中根さんは千葉大学園芸学部園芸学科を卒業されています。当時の中根さんはマスコミ関連の仕事に興味があったようで、いくつかの新聞社や出版社の就職試験を受けたようですが、(御本人いわく)面接試験にて次々と落とされたそうです。
その後、1 年の留年期間を経て、小学校の事務職員として就職されました。その勤務の傍ら、マスコミ入社を目指す大学 4 年生を対象に、作文教室を始めました。この、作文能力の向上に特化した教室というのは、恐らく日本で初めての取り組みだったようです。しばらく教室経営を続けるうちに、中根さんは、もっと小さい頃から文章を書くトレーニングが必要という考えを抱くようになりました。そこで、指導の対象を小学生に変え、現在の「言葉の森」の基盤が出来上がりました。その後、事務職を退職し、おそらく 30 歳あたりに有限会社「言葉の森」を設立し、現在に至るようです。
中根さんに関するその他の詳しい情報は、言葉の森 HP にて紹介されていました。ご興味がある方はご覧になってください。
小学校 1-3 年生は、子どもらしい幸福な時期
小学 1-3 年生は、子どもが格段に成長する時期です。この時期の子どもは、心身の成長に合わせてできることがどんどんと増えていきます。加えて、この時期特有の「自分は何でもできる」という、ある種の万能感も高まっていきます。
また、3 年生までは学校の授業時間が短めで、クラブ活動や委員会活動などの課外活動は、まだ始まっていない学校が多いです。そのため、子どもたちとっては自由な放課後の時間がたっぷりあります。もちろん習い事で忙しかったり、親の都合で学童クラブに遅くまで残っているということはあると思いますが、中根さんいわく、3 年生までの子ども自身の生活全体には余裕があるため、この時期の子どもはやりたいことをやりたいだけできる、「子どもらしい幸福な時期」を送ることができます。
一方で、4 年生からは 6 時間授業やクラブ・委員会活動が始まることが多く、学校での滞在時間が増えます。また、勉強の内容も本格的になります。いわゆる「10 歳の壁」です。算数などでは四則を交えた計算が出題され、複雑さがグンと増します。その他の教科でも、学習内容に抽象的な概念や理解しにくい項目が増えるため、学習面のつまづきが起きやすくなります。
中根さんいわく、3 年生までの学習内容にはいわゆる難問はなく、「やればだれでもできるようになる」ものだそうです。そのため、3 年生までは「よく遊び、少し学べ」が心身の成長にちょうどよいバランスとなります。
低学年のうちは、よく遊ぶことが子どもの仕事ですね
最優先は、熱中してあそぶ時間
上記のように書くと、1-3 年生の間は勉強をしなくてもいいように思われるかもしれませんが、決してそのような意味ではありません。宿題や教材を使用した家庭学習は、低学年でも行った方がよいでしょう。ただし、この時期の目的は家庭学習の習慣をつけることです。自分から進んであれもこれも取り組む子を止める必要はないと思いますが、本書では、勉強は短い時間でさっと集中して終わらせて、残りの時間はたっぷり遊んだほうがよいとされていました。
そして、勉強よりも優先したいことは「好きなことやあそびに熱中する」時間です。大人にとっては一見ムダに思えることでも、子どもは何かに熱中することにより、集中力や持続力、自主性や思考力を育てています。取り組む内容はどんなことでも構いません。親がやるべきことは子のやりたいことをサポートをすることです。熱中している子に対して、横から口を出して妨げてはいけません。
よかれと思って、うまく行くように口を出してしまうのも NG です。ついやってしまいがちですが。。。
まとめ
小学校 1-3 年生の過ごし方の基本は、「よく遊び、少し学べ」です。つめ込みで頑張るのではなく、家庭学習の習慣づくりができれば OK。指導者数 1 万人以上という「ビッグデータ」から導きだした結論は、一見の価値がありそうです。
本日は、書籍『小学校最初の3年間で本当にさせたい「勉強」』より、
- 本書の概要と著者について紹介。
- 1-3 年生はまだ時間に余裕があり、子どもらしい幸福な時期を過ごすことができる。
- この時期の家庭学習は短時間で終わらせ、残りの時間でたっぷり遊ぼう。
上記 3 点について、私なりに要約・感想を記しました。
家庭学習の習慣がつけば OK、あとはたっぷり遊ぼうというのは、本書からの明確なメッセージだと思いました。幼少期からつめ込み教育は早いうちに頭打ちがくることや、幼少期の「何かに熱中する」ようなあそびの重要性は多くの子育て関連書籍で語られています。親の仕事の都合や、子の習い事などで忙しい日々だと思いますが、子どもが低学年のうちは、上記のような方針も参考にしたいところです。
本書は上記のような子育てに関する考え方のほかに、読書の重要性についても説かれていました。この内容は次の記事でまとめたいと思います。幼少期の読書については、あそびの重要性とともに多くの書籍で紹介されています。本書も例外なく読書を推奨しており、改めて学びが多かったです。それぞれの家庭における未就学児や低学年のお子さんの教育方針を考える際に、オススメの書籍だと感じました。
暑い日が続きますが、体調に気をつけて、子どもたちには目いっぱい遊んでもらいましょう!
ぜひ手に取ってみてください
【子育て関連書籍のご紹介】
『中学受験 やってはいけない小 3 までの親の習慣』
こちらの書籍でも、幼少期はたっぷり遊ぼうと述べられています。この時期の子どもにとっては、あそびが仕事です。
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