低学年は読書=勉強『小学校最初の 3 年間で本当にさせたい「勉強」』(2)

最初の3年間で 書籍感想

おはようございます。

本日の記事では前回に引き続き、書籍『小学校最初の 3 年間で本当にさせたい「勉強」』を取り上げます。part 1 では、低学年の間の家庭学習は短時間でおわらせ、何かに熱中する時間が最優先になることをまとめました。

未読の方は、こちらからどうぞ。

part 2 にあたる本記事では、低学年のころから子どもにやらせてあげたい勉強について紹介します。詳細は後述しますが、それは読書・計算・漢字の 3 つでした。なぜその 3 つなのか、私なりの解釈も交えて紹介したいと思います。

本日は、書籍『小学校最初の 3 年間で本当にさせたい「勉強」』(著者:中根克明さん)の要約・感想記事です。

低学年の学習に対する考え方を学びましょう

低学年は読書=勉強『小学校最初の 3 年間で本当にさせたい「勉強」』(2)

記事の内容は、以下の通りです。

  • 3 年間のうちにたっぷりさせたいこと=読書
  • あと伸びする低-中学年の勉強法
  • 本当に地力のある子に育てるためには

それぞれの内容についてみていきます。

3 年間のうちにたっぷりさせたいこと=読書

この時期は「勉強は短時間にして、たっぷり遊ぼう」というメッセージを発している本書ですが、1 つだけ、親が介入して、子どもにたっぷりとさせるように推奨していることがあります。それは「読書」です。

「また読書かよ」という声も聞こえてきそうですが、その通りです。

この時期の家庭における読書習慣の有無は、学力との高い関連が示されています。また、子どもは読書を通じて語彙や知っている漢字を増やしていくのはもちろん、話を読み取り、深く考える力の基礎を作ります。この基礎部分がしっかりしていることにより、4 年生以降の複雑な問題にも対応できるようになります。

本を読むスタイルは、子ども自身で読んでもいいし、親が読み聞かせをしてあげても構いません。中根さんいわく、目から入る文字と耳から入る文字(音)は別物なのだそうです。もし自分で読むのが苦手な子であれば、「1 ページだけ自分で読んだら、あとは私が読んであげる」など、それぞれの子の得意不得意に合わせて対応してあげましょう。

本のジャンルは、易しく楽しいものであれば何でもいいそうです。『かいけつゾロリ』やふくざわゆみこさんの『ぎょうれつ』シリーズなどは、安定の面白さでオススメです。また、物語だけではなく、自然科学や偉人の伝記などのノンフィクションは、ぜひ手を伸ばしてみたい分野です。特に科学などの説明文からは、すでに知っている日常生活の中に新しい理解の仕方があることを学べます。このような文章に多く触れると、「本当に」頭が良くなるのだそうです。

本を読む量についてですが、たくさんあることに越したことはありません。少なくとも一日 10 分は、読書時間を確保したいところです。現代の子どもたちの周りには、ゲームや動画など、本以外にも魅力的な娯楽が溢れています。残念ながら、これらを押しのけて、自然と「読書好き」な子になることは難しいでしょう。日常的な読書習慣を身につけるのは、大変なことでもあります。しかし、多くのことが学べるのは間違いありません。それは大人でも同じです。ぜひ親も一緒になって読書を習慣にし、本が身近にある生活を送りましょう。

親が本を読んでいれば、子どもも読むようになるそうです

あと伸びする低-中学年の勉強法

低学年の間の勉強なんて、学校の授業と宿題だけで十分なのでは?と考える方もみえると思います。私も子育て関連の書籍を読むまでは、そのように考えていました。しかし、子の学力があと伸びできるようにするためには、授業と宿題だけではどうやら不十分なようです。

本書では、とくに「計算」と「漢字」については、学校の勉強時間だけでは不足するとして、家庭学習での練習の必要性を説いていました。

<漢字>
漢字の力を伸ばすためには、読み取り・書き取りの両方を練習する必要があります。読み取りの力は読書量に、書き取りの力は練習量にそれぞれ比例します。読書習慣の重要性は先に述べた通りですので、家庭学習では漢字の書き取り練習に注力しましょう。3 年生までに習う漢字の数は、1 年生で 80 字、2 年生で 160 字、3 年生で 200 字程度です。これらをしっかり練習して書けるようにすることが、これ以降、さらに増える漢字に対応する基礎となります。

漢字の練習については、以下の書籍でも毎日行うことが推奨されていました。

<計算>
次に計算です。計算は、算数を学ぶうえで避けては通れません。算数がニガテという子は少なくないと思いますが、それは「解き方を理解しているかどうか」に起因するようです。低学年のうちは、奇をてらったような難問は出題されません。多くが基本的な公式やルールに沿った問題のようです。そのため、それらの公式を理解し、その上で計算の練習をすることが望ましいでしょう。

また、公式やルールは、教科書に書かれてある日本語の説明文章から学びます。そのため、いくら算数といえども、学力向上の鍵を握るのはやはり国語力、つまり幼少期の読書習慣なのでしょう。

家庭学習は宿題だけやってれば十分と考える方もみえるかもしれません。しかし、宿題はあくまで全体に課すものであり、一人ひとりの個別性は考慮されていません。それぞれに得意不得意があるなかで、これは非効率です。中根さんは、食事に例えるならば宿題はおかずとして考え、主食は各個人の理解に応じた内容にすることを推奨していました。

上記の他に、家庭学習で用いる教材についても言及されていました。学力は個人差が大きいため、特定の万人におすすめできる教材は、残念ながらありません。子どもの学力に応じ、適切なものを選ぶ必要があります。このときに 1 つだけ注意しなければならない点は、子どもが一人でも進められる難易度の教材を選ぶことです。そして、一日にこなす量は、「少なすぎるかな?」と思うくらいで十分なのだそうです。繰り返しになりますが、この時期の家庭学習の目的は習慣づくりです。難易度が高く、終わりが見えない(もしくは果てしなく遠い)量の勉強では、勉強はやらされるものになってしまい、結果としてキライになってしまう可能性があります。

そして何よりも大切なことは、親が明るく楽しく勉強をサポートするということ。間違ったところに注目してしまいがちですが、できたところを褒めること。また、隣で監視するのではなく、聞かれたら応えられるくらいの距離感を保つことがポイントです。そして、勉強がササッと終わったら「よかったね。さあ、あとはたくさん遊んでいいよ!」と笑顔で声をかけてあげましょう。

できた!を一緒に楽しめれば最高です!

本当に地力のある子に育てるためには

本書の最終章では、低学年における勉強の方法論ではなく、著者の子育て論が述べられていました。いくつか学びとなる点がありましたので、紹介します。

  • 子どもにとって一生の宝物になるような思い出を作ろう

子どもは親に褒められたい・認められたいという願望を持っています。親としては何気なく伝えた一言だとしても、子ども自身は、褒められたことをずっと覚えているようです。

この箇所を読んで、少し自分自身の子ども時代を振り返ってみました。確かに、親が褒めてくれたことは(おぼろげですが)覚えていました。もちろんすべて鮮明ではなく、褒められた以外に叱られた記憶もありますが…

中根さんいわく、この「子どもの頃に褒められた記憶」は、本人にとって一生の自信になります。減点ではなく加点方式で、子どものいいところをたくさん見つけて、自身につながるような声掛けを心掛けたいですね。

  • 子育ての目的は、幸福な子ども時代を与えること

幸福の定義はそれぞれの価値観によって異なるため、ここでは言及しません。しかし、ほとんどすべての子どもに共通していえることは、将来のことを考えて今を生きている小 1-3 年生は、おそらくいないということです。ほとんどの子どもたちは今の幸福を味わうために生きています。「ご飯がおいしい」「こころゆくまで遊んだ」「親と笑顔で過ごした」などの幸福を子どもが感じられることは、親にとっても最も幸せなことかもしれません。

「今、このときを生きる」にフォーカスできるのは、子どもの特権だと感じました。いくら親といえどその権利を奪ってはいけません。

  • しつけは必要

褒める子育て、怒らない子育てが推奨されている現代ですが、時と場合によってはしつけが必要です。本書では、子どもが嘘をついたときにはガツンと叱り、正直に生きることの大切さを伝える必要があることと、汚い言葉遣いをしたときにはその場で注意する必要があることが述べられていました。特に、汚い言葉遣いや正しい礼儀・態度は自然に身につくものではないため、親が率先して見本となり、子どもに望ましい言動を伝えてあげましょう。

上記を念頭に置いて、幸福な子ども時代を与えてあげたいですね

まとめ

読書習慣と家庭学習の習慣作りは親がサポートしてあげましょう。二度とこない子育て時期を親子で楽しみ、幸福な子ども時代をプレゼントしてあげたいですね。

本日は、書籍『小学校最初の3年間で本当にさせたい「勉強」』より、

  • 読書の重要性を紹介。自然に読書好きにはならないので、習慣づくりには親がしっかり介入しよう。
  • 漢字の書き取りと計算の練習は家庭学習で取り組みたい内容。宿題は主食ではなく、おかずという位置づけ。
  • 中根さんの子育て論を紹介。たくさん褒めて思い出を作り、幸福な子ども時代をプレゼントしたい。

上記 3 点について、私なりに要約・感想を記しました。

本書のタイトルである、小学 1-3 年生で本当にさせたい勉強とは、それ以降の勉強の基礎部分を固めるということもあると思いますが、それ以上に、人生全体に影響を及ぼす、「自ら学ぶ姿勢」を身につけることを目的としているのかなと思いました。漢字や計算という具体的な勉強内容も紹介されていましたが、この先の学習内容の基礎部分という理解で、個人的には納得できました。本書のような書籍をもとに、それぞれの家庭のスタイルに合った学習方法を確立できるとよいですね。

本書を読み、自分自身を含め、より一層読書習慣を強固にしていきたいと感じました。週末は子どもを誘って図書館に行き、ドッサリと本を借りてこようと思います。お子さんがいる家庭は、夏休みのお出かけ先として図書館という選択はいかがでしょうか。

ぜひ手に取ってみてください

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