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おはようございます。
本書の英語タイトルは『 Four Thousand Weeks(4000 週)』です。この数字が何を意味するかピンとくるでしょうか。
実はこの数字は、寿命を 80 年と仮定したときに、私たちに与えられた時間を表しています。
本書は、この 4000 週を「限りある時間」とし、あまりに短いこの時間をどのよう生きていくべきかについて問いかけている書籍です。
著者の考える「限りある時間の使い方」は、時間を支配しようとすることを諦めることでした。著者は、いったいなぜそのような考えに至ったのでしょうか。
本記事を読み終わる頃には、「時間についての認識を改めてみようかな」と考えて頂けると思います。それくらい、学びの深い書籍でした。
本日は、書籍『限りある時間の使い方』(著者:オリバー・バークマンさん)の要約・感想記事です。
本書を読み、時間の使い方について考えてみましょう
『限りある時間の使い方』要約
記事の内容は、以下のとおりです。
- 本書の概要と著者について紹介
- 時間を支配することを諦めよう
- 「やらないこと」を決めよう
それぞれの内容についてみていきます。
本書の概要と著者について紹介
本書の概要です。
本書はかんき出版より 2022 年に発売されました。
アダム・グラント、ダニエル・ピンク、
カル・ニューポート他、NY タイムズ、WSJ 絶賛の全米ベストセラー!「効率的に荷物を詰める方法を人生の時間の使い方に当てはめるのは間違いです」
ひろゆき氏絶賛!人生はたった 4000 週間、限られた時間をどう過ごすか!?
人の平均寿命は短い。ものすごく、バカみたいに短い。
80 歳まで生きるとして、あなたの人生は、たった 4000 週間だ。「時間が足りない」なんて、何を今さらと思うかもしれない。
いっぱいになった受信トレイに、長すぎるやることリスト。
ワークライフバランスに、SNS の際限ない誘惑。もちろん世の中には、生産的になるための「ライフハック」があふれている。
けれど、ライフハックを駆使したところで、たいてい状況は悪くなるだけだ。焦りはさらに増していき、人生の大事な部分には、いつまでたってもたどり着けない。
さらに、日々の時間管理に追われていると、本当に大事な問いが見えなくなる。それは、自分の限られた 4000 週間を、いかに過ごすかという問いだ。
本書は古今の哲学、心理学、スピリチュアル思想を駆使し、ウィットに富んだ語り口で、時間と時間管理を実践的に、そして深く問い直す。
「すべてのことを終わらせる」という強迫観念を捨て、自分の有限性を受け入れたうえで、そこから有意義な人生を築く方法を紹介する。
本書を読めば時間に対する見方が変わり、さらには生き方が変わるだろう。
かんき出版商品紹介ページより引用
全米衝撃のベストセラー、ついに日本上陸!
著者はオリバー・バークマンさんで、1975 年生まれのイギリス人男性です。職業は作家兼ジャーナリストで、過去にはイギリス全国紙ガーディアンの記者として、外国人記者クラブの若手ジャーナリスト賞などを受賞するなど、ご活躍されています。
これまで執筆した書籍には、本書の他に『ネガティブ思考こそ最高のスキル』(河出書房新社、2023 年)、『HELP! 「人生をなんとかしたい」あなたのための現実的な提案』(河出書房新社、2023 年)があります。
時間を支配することを諦めよう
まず最初に本書のメッセージを端的に表すと、「時間は支配できるもの」という、これまで私たちに刷り込まれてきた考えを捨て去ろう、になると思います。
本書を手に取ったときは、そのタイトルからタイムマネジメントのライフハック(効率を上げるための工夫や取り組み)について解説した書籍かと思いました。しかし、その考えは冒頭できっぱりと否定されます。
どういうことかと言うと、著者によると、たとえタイムマネジメント術を駆使して時間を作り出したとしても、ますます仕事は増え、やるべきことは空いた時間を埋め尽くすまで膨張します。
そして、その結果として「最終的にはどんどんみじめになり、ストレスがたまるだけである」という、なんとも残念な結末を迎えてしまいます。これは著者自身の経験なのだそうです。そして、著者はこの経験をもとに、時間を支配しようとする態度に対して疑問を投げかけます。
実は、この「時間を支配しようとする態度」こそ、私たちが時間に苦しめられる原因です。
冒頭で申し上げたとおり、人生は 80 年と仮定すると 4000 週間です。この限られた時間を支配し、仕事、家庭、社交、旅行など人生で起こる様々なイベントに対応して、かつすべての重要な計画を成し遂げることは、残念ながら不可能です。
よく聞く「人生は短い」という人生の先輩方や偉人が語る常套句は、まさにその通りなのです。
その限られた時間のなかで何よりも効果的な時間管理術は、上記のような現実を直面し、「何もかもをこなすことはできない」と認めることです。そして、それを認めたうえで生きることが、いつも時間に追われる人生に別れを告げ、今を生きることに繋がります。
著者はこのことを「冷たいシャワーを浴びよう」と表現していました。目を覚まして、現実と向き合いなさいということでしょう。
情報過多でやることが多い現代において、大切な考え方ですね
「やらないこと」を決めよう
「時間を支配することを諦める」のつぎに重要なメッセージは、「やらないことを決めよう」でした。
これはどういうことかというと、限られた時間を活かして今を生きるためには、日々こなすことの効率を高めるのではなく、「やること」リストにある多くの項目の中から「やらないこと」を決めることが重要だということです。
これは口では簡単に言えますが、重要な事だけに集中すること、つまり優先度「中」のことを捨てることは、大変難しい選択だと思います。
しかし、限りある時間を有効に使い、自分の人生を有意義なものにするためには、選択肢を十分に吟味し、そのうえで「自分で選ぶ」ことが必要です。そして、それに向かって全力で進んでいくことがカギとなります。
また、「何もかもはできない」という、自己の有限性を認め、ある意味では時間に対して降伏ともとれる態度をとることも、限りある時間を使ううえで必要となる考え方です。これも上記の「やらないことを決める」と同様に、本書で繰り返し述べられていました。
つまり、
・正しい時間管理術を身につければ…
・もっと頑張れば…
という仮定や、
・今はまだ人生のリハーサル中。もう少ししたら自信に満ちた本当の人生を歩めるはず…
・いつかすべての計画を思い通りに進められるはず…
という将来の希望は、この際、思い切って捨てましょう。
そして、ちっぽけな自分を見つめ、有限性を受け入れましょう。それこそが、「限られた時間の使い方」を考える第一歩になるのです。
だんだんと哲学的になってきましたが、まさにその通りだと思いました
まとめ
人生はあっという間です。本書から「限られた時間を有意義に使うにはどうしたらよいか」という問いに対して、「時間を支配することを諦める」「やらないことを決める」など、生きていくうえで価値のあるヒントを学びましょう。
本日は、書籍『限りある時間の使い方』より、
- 本書の概要と著者について紹介。本書は「人生はものすごく短い」という著者の考えのもと、限られた時間の使い方について問いかけている書籍。著者のオリバー・バークマンさんは、イギリス人ジャーナリスト。
- 時間を支配しようとする態度こそ、時間に苦しめられる原因。その点で、ありとあらゆるタイムマネジメント術は無力。そんな態度は捨て去ろう。
- 最も効果的な時間管理術は、自己の有限性を認めること。これが「限りある時間の使い方」について考える第一歩となる。
上記 3 点について、私なりに要約・感想を記しました。
本書で述べられていた「あらゆるタイムマネジメント術は無力感を高めるだけ」という主張は、他の書籍ではあまり見られない強いメッセージだと感じました。
本書で学んだことは、
・忙しい忙しいとせわしなく動き回るのではなく、一度立ち止まること。
・数ある選択肢の中から自分にとって最重要なものを考え、自分で選ぶこと。
この 2 点です。これが「限られた時間の使い方」を考えるための第一歩だと理解しました。
これまで時間管理についての本を数冊読んできましたが、本書で得られた学びの内容の深さはトップクラスでした。「人生と時間」について考える際には、ぜひ読んでほしいオススメの一冊です。
ぜひ手に取ってみてください
【より良く生きるヒントを得られそうな書籍の紹介】
『人生がときめく片づけの魔法』
こんまりさんこと、近藤麻理恵さんを一躍有名にした書籍です。
片づけに関する方法論だけでなく、「ときめき」を大切にした人生哲学を学べます。記事中の「やらないことを決める」に近い考えだと思います。
『13 歳から分かる! 7 つの習慣 自分を変えるレッスン』
1989 年に原著が発刊され、20 世紀に最も影響を与えたビジネス書のひとつです。
「主体的であること」、「最優先事項を決めること」など、人生をより良く生きる考え方が学べます。未読の方はぜひ読んでください。
本書は入門編となっています。
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