歯ならびは遺伝よりも生活習慣『しあわせ歯ならびのつくり方』

きれいな歯ならび 書籍感想


おはようございます。

皆様は、歯の矯正治療を受けた経験はありますか?あるいは、ご自身・ご家族で現在治療中の方はみえるでしょうか?

厚生労働省が 2022 年に発表した「患者調査」の記録によると、平成29年の初診の矯正患者数は 1 日あたり 800 名だったことに比べ、令和 2 年では 2,900 名となっており、初診の矯正患者数は 3 年間で 3.6 倍に増えたようです。

歯ならびに関しては、願わくば矯正治療を受けずに過ごしたいものです。特にお子さんをお持ちのご家庭では、そのように強く思っているのではないでしょうか。

そのために何かできることがないか、本書を通じて学びになった点を記事にまとめました。カギを握るのは、口に関する生活習慣です。

本日は、書籍『しあわせ歯ならびのつくり方 矯正しないための0歳からの子育て』(著者:浅川 幸子さん)の要約・感想記事です。

本書を読み、歯ならびに関する知識をつけましょう

『しあわせ歯ならびのつくり方 矯正しないための0歳からの子育て』

記事の内容は、以下の通りです。

1.見た目だけじゃない!歯ならびが悪いと困ること
2.どうして歯ならびが悪くなる?
3.歯ならびのチェックポイント

それぞれの内容についてみていきます。

見た目だけじゃない!歯ならびが悪いと困ること

「歯ならび」とは 1 本 1 本の歯のならび方を指します。これは見た目を指摘する用語です。これに対して、「かみ合わせ」という言葉があります。この言葉は、口を閉じて上下の歯を合わせた時の様子を指します。こちらは歯の機能的な面を指す用語です。

そして「歯ならび」も「かみ合わせ」も良好である状態を歯科用語で「正常咬合(こうごう)」と言います。
歯科医療においては正常咬合のことを、一般の方にもわかりやすいように「いい歯ならび」と表現しているようです。

不良な歯ならびは口元の見た目がよくないことはもちろんですが、影響はそれだけでは済みません。目の大きさに左右差が出る、片側の口角だけ不自然に上がっている、猫背になるなど、口元以外の見た目にも不具合が生じます。
また、近年の研究では「噛む力」と握力や走る速さ、バランス能力などの関連も報告されています。かみ合わせが不良だと、身体機能にも悪影響があるのです。

そもそも口や歯は見た目だけではなく、ものを食べる、話す、呼吸とも深く関わっています。著者である浅川さんは、不良な歯ならびは口の機能の低下とも密接にかかわっているため、決して見た目だけの問題ではないと繰り返し強調していました。

見た目が悪くなることだけに意識が向きがちですが、そうではないようです

どうして歯ならびが悪くなる?

歯ならびは遺伝だから仕方ない…となんとなくイメージしている方が多いのではないのでしょうか。私はそのように考えていました。

しかし、著者によるとそれは誤りで、歯ならびは生活習慣の影響が大きいとのことです。もちろん遺伝の影響は 0 ではありませんが、浅川さんが務める矯正歯科の患者さんの 9 割以上が、「口に関係する悪いクセ」による不良な歯ならびなのだそうです(この不良な歯ならびのことを、不整咬合といいます)。

本書には、不整咬合に結びつくような口に関する悪いクセの例がいくつか挙げてありました。

・食べるとき
しっかり噛んでいるか、噛み方や飲み込み方に問題はないか、迎え舌になっていないか。

・呼吸するとき
鼻呼吸ができているか、そのときに舌が適切な位置(舌が上あご全体にあたっている)にあるか。

・姿勢やクセ
唇を噛んだり巻き込むクセはないか。頬杖をついていないか。いつも同じ向きで寝ていないか。指しゃぶりをしていないか。

それぞれがなぜ不正咬合につながるかについては割愛しますが、上記のように、多くの生活習慣が歯ならびに影響します。気になった方は本書をチェックしてみてください。

そして重要なのは、これらに注意できるようになれば不整咬合は予防可能だということです。

不良な歯ならびは生活習慣にも起因します。
心当たりのあるクセはありますか?

歯ならびのチェックポイント

本書では、歯ならびの目標は永久歯が生えそろった状態(永久歯列)のときに、矯正装置なしで正常咬合の範囲内に到達することと述べられていました。

上記のように、不整咬合には不良な生活習慣が影響します。自身やお子さんに、口に関する悪いクセがないか確認し、定期的にかみ合わせの状態をチェックしましょう。かみ合わせはもちろん歯科医でチェックしてもらえますが、本書では家庭でもできる簡単なチェックポイントが紹介されていました。

<乳児期>
乳歯は 3 歳前後で生えそろいます。このあたりで一度、簡単な歯ならびチェックをしてみましょう。
チェックするポイントは、横ずれがないか、すべての上の歯が下の歯より外側へ出ているか、噛みあう歯同士がすべて接触しているかです。また、この後生えてくる永久歯のために、乳歯の歯ならびは全体的にスペースが空いている(すきっ歯)方がよいそうです。

<12 歳以降>
永久歯が生えそろうのが、だいたいこの頃です。チェックするポイントは乳児期と同じですが、永久歯の歯ならびですきっ歯は不整咬合です。

永久歯が生えそろってから歯ならびを直す場合は、矯正歯科における治療となります。一度上記ポイントをチェックしてみて、気になる状態の方は歯科医へ相談してみましょう。

上記ポイント程度でしたら、素人の私でもわかりそうです。

まとめ

歯ならびは決して見た目だけの問題ではありません。
矯正装置なしで正常咬合にたどり着けるよう、対応できることを知りましょう。

本日は、書籍『しあわせ歯ならびのつくり方 矯正しないための 0 歳からの子育て』より、

・不良な歯ならびは口元だけでなく、顔全体や身体機能にも悪影響がある。
・歯ならびは遺伝の要素もあるが、それより大きく影響するのが生活習慣。
・一般人でもできる歯ならびチェックポイントは、横ずれ、上の歯が下の歯より外側へ出ているか、噛みあう歯同士がすべて接触しているか、の 3 つ。

上記 3 点について、私なりに要約・感想を記しました。

私の子どもは乳歯が抜け始める時期です。願わくば、矯正装置なしで正常咬合にたどり着けるといいなと思います。本書で紹介されていた「口に関する悪いクセ」を頭に入れ、親子で気を付けて過ごそうと思います。

本書は 144P でボリュームも手ごろで、イラストも多く文章も平易であり読みやすい書籍でした。
お子さんがいるご家庭で、「歯ならびは遺伝」とお考えの方(本書を読む前の私)は、正しい知識をつけるためにも一読をオススメします。

ぜひ手に取ってみてください。

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