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おはようございます。
「子どもの勉強のやり方について参考になる情報はないかな」
「塾に通わずに勉強できるようになってほしい。どんな風に勉強の計画をしたらいいかな」
上記のような子どもの学習に対する悩みや疑問は、親であれば誰でも持つのではないでしょうか?
もしそうであるならば、本書から得られる内容がそれらを解決するヒントになるかもしれません。
とくにお子さんが年長から小学校低学年である場合、本書を読むことで求めている情報が得られる可能性が高いと思います。
なぜなら、本書には自宅学習についての考え方や計画の立て方だけでなく、具体的な取り組み方や必要な教材について分かりやすく解説されているからです。
本記事では書籍の内容を中心に、
- 家庭が子の学習を担う理由
- 家庭学習戦略の考え方と計画の立て方
- 毎日取り組む漢字・音読・百ます計算について
上記 3 点について紹介したいと思います。
本記事を読み終える頃には、子の家庭学習についてイメージできるようになると思います。また、紹介する書籍にも興味を持っていただけると嬉しいです。
我が家では本書を読み、漢字練習と百ます計算を家庭学習の軸にしました。家庭学習のコツを学びましょう。
本日は、書籍『陰山流 新・おうち学習戦略』(著者:陰山英男さん)の要約・感想記事です。
本書を読み、おうち学習を実践しましょう
『陰山流 新・おうち学習戦略』要約 学習の中心は家庭!
家庭が子の学習を担う理由
学習のデジタル化やコロナ禍の影響により、学校および家庭での学習のあり方が大きく変わっています。そんな中、本書ではこれからの時代の学習は家庭が担うことや、子の家庭学習戦略を持つことの重要性が説かれています。
勉強を学校だけに頼ることは学力低下のリスク!?
著者は勉強を学校だけに頼ることは学力低下のリスクにつながる可能性があると指摘しています。
まずは、その根拠となる学校教育の現状について紹介します。
できる子とできない子の二極化が進み、地域や学校による差もある
現代の子どもたちの学力は「できる子」と「できない子」の二極化が進んでいます。また、公立学校の中でも「高得点をとる学校」と「そうではない学校」に分かれる傾向が見られるそうです。
子の学力には家庭背景が大きく影響を及ぼします。一般的には、豊かで安定した家庭の子どものほうが成績がよいそうです。
ある調査では、子の成績には世帯収入と強い相関があることや、両親が大学卒の家庭の子はそうでない子よりも成績がよいというデータがあります。
つまり、子の成績 = 親の収入や学歴に左右されるという、ある一面で残酷な真実が存在しているのです。
また、2007 年から始まった「全国学力・学習状況調査」では、各都道府県や市町村、あるいは学校ごとに得点を分析することができるようです。
それによると、テストの得点はたとえ公立学校であっても学校が立地する地域や、あるいはその学校を選択する親たちの社会経済的地位に大きく規定されるものとされています。
このように、子の学力には家庭背景や経済事情が関係します。ある意味残酷ですが、言い換えれば学校以外での学習、つまり家庭での学習によって好影響を与えることもできると言えそうです。
教師不足、丸付け外部委託…学校で一人一人に合った学習は難しい
ここ数年、教師のなり手が少ないことや離職率が高いことなど、教師不足に関する報道をよく目にすると思います。
また、働き方改革は企業だけでなく学校でも行われています。具体的には、教師の仕事の外部委託が進んでいるそうです。本書ではその一例として、時間外業務の代表格ともいえる「テストの丸付け」が挙げられていました。
忙しい教師の負担を軽減する仕組みは必要だと思います。しかし著者によると、丸付けは児童 / 生徒一人一人の学習進捗状況を把握するよい方法なので、「理想を言えば丸付けの外部委託は好ましくない」と主張していました。
教師が丸付けを通して一人一人の理解度を把握し、それぞれに合った学習を行うことが理想だと思います。しかしそれは絵に描いた餅です。
教師不足や働き方改革の潮流を踏まえると、我が子に最適な学習をすべて学校に期待することは厳しいと言わざるを得ないでしょう。
教科書は厚くなったが宿題は減…
みなさんは学校教材のページ数が年々増えていることをご存知ですか?
ある調査では、小中学校で使用する教材のページ数は 2002 年から 2016 年にかけてそれぞれ 50% 以上増えていると報告されています。
教科書が厚くなることは身に付けなければならない量が増えることを意味します。
そして、学習内容を定着させるには演習(宿題)が不可欠です。
しかし著者によると、宿題の量は近年減少傾向にあるようです。本書ではその理由までは言及されていませんでしたが、おそらく前述した教師の働き方改革の影響があるのでしょう。
つまり、教科書から学ぶ量が増える一方で演習(宿題)の機会が減っているとなると、学習内容の定着が不十分になる恐れがあるといえます。
学校にいけなくなる子、荒れる子が増えている
何らかの理由で学校にいけなくなる児童数は年々増加しており、その数は R3 年に 24 万人を超えました。そしてその理由が「学業の不振」であることも少なくないそうです。
また、暴力行為あるいは親および教師の話を聞かないなどの問題行為を起こす児童の数も増えています。
厚生労働省が公表している調査結果によると、R4 年度の小・中・高等学校におけるいじめの発生件数は約 68 万件、暴力行為の発生件数は約 9.5 万件で、それぞれ過去最多でした。
つまり、学校に行けなくなる、あるいは学校で安心して学習できなくなるリスクが少なからず存在しているといえそうです。
子の心身を守り学習をサポートする親の姿勢が重要に
ここまで紹介したように、これからの時代は子の学習を学校だけに頼ること = それなりにリスクのあることだと言えそうです。
子の心身を守り、学習をサポートするという親の姿勢は、今後ますます重要になるに違いありません。
学習面では「学校に通わせておけば大丈夫だろう」は甘いのかもしれませんね
家庭学習のポイント
学習を学校に依存することはリスクを伴う行為であるため、著者は家庭を子の学習の中心にすることを推奨しています。
ここからは、その際のポイントについて紹介します。
キーワードは「追い越し学習」「基礎」「親の深いサポート」です。
家での予習を中心にする「追い越し学習」
子の学習は家での予習を中心として、2-3 ヶ月で 1 年分の単元を終わらせるように進めていきましょう。
そのようにすると、学校の授業は復習や応用学習にすることができ、先に述べた演習機会の減少に対応することができます。
著者はこの学習方法を「追い越し学習」と呼んでいました。
基礎を固めたらまた基礎、そのつぎも基礎
読み・書き・計算はあらゆる学習の基本となります。本書では、この 3 点を徹底的に反復することにより子に自信がつき、結果として勉強に対して前向きなれるとされていました。
具体的には、追い越し学習によって 2-3 ヶ月で 1 年分の単元を終えたら、もう一度はじめに戻って 2 回目の学習をします。そして、それが終ったら再度 3 回目の学習をするようです。
まず ① 基礎を作り、次に ② 盤石な基礎を作り、そして ③ 超強力な基礎を作るというイメージです。
私はてっきり「基礎ができたらその次は応用に進む」と考えていました。しかし本書によると、そもそも応用力とは複数の基礎的な知識を組み合わせる学習によって身につくものです。よって、見せかけの基礎力では応用力はつかず、結果的に子の学力は伸びていかないのだそうです。
繰り返しの学習で、まずは超強力な基礎を身につけましょう。
小 2 までは親が深くサポート
家庭学習では、親の深いサポートが必要となります。親が一番の指導者・理解者になりましょう。
子の学力が伸びるまでは時間が必要です。「この子は必ず伸びる」と信じ、勉強に取り組む姿勢を褒め、ともに成長を喜びましょう。家庭学習が上手くいかなくなる最大の理由は、親の焦りです。
とはいっても、上記の学習方法をしっかり継続していれば、子は小学校 3 年生くらいから勉強にしっかりと取り組むようになります。そうなったら親は見守りの姿勢に切り替え、「質問されたら答える」くらいの距離をとりましょう。
家庭学習の戦略を持とう
上記のような家庭学習の戦略をもとに勉強を続けていけば、子の学力はしっかりと伸びていきます。
勉強するのは子自身ですが、勉強方法や考え方は親がしっかりと学んでいきましょう。
では、家庭学習の具体的な中身をみていきましょう
音読・百ます計算・漢字練習を毎日
家庭学習で行うべきことは、音読と百ます計算と漢字の練習です。3 つをセットにして、毎日取り組みましょう。時間は 15-30 分程度で構いません。短い時間で済ませてしまいましょう。
音読は教科書や古典から
音読は目で見た文章を声に出し耳で聞くため、視覚・聴覚の両方を刺激します。また、意味のまとまりをとらえ、文の構成や論展開をつかみやすくなります。 それにより内容の理解を高めることが可能です。
音読する教材は古典が推奨されていました。平家物語や徒然草、方丈記などの有名なものから始めてみましょう。これらは親も聞いたり習ったりしているはずなので、一緒に取り組むことができると思います。
まずは親がお手本をみせ、それをマネしてもらうことから始めてみましょう。
百ます計算 2 分以内を目標に
百ます計算は縦 10 ×横 10 のますの左と上にそれぞれ 0 から 9 の数字をランダムに並べ、それぞれ交差するところに指定された計算方法(+、-、×、÷)の答えを記入する計算トレーニングです。隂山英男さんを一躍有名にした勉強方法としても有名です。
この方法は計算力を上げながら脳を鍛えることを目的としており、毎日行うことで集中力も身についていきます。
百ます計算に取り組むときはタイムを計ることがポイントです。2 年生が終わるときまでに、たし算・ひき算・かけ算を 2 分以内にできるようにすることが目標となります。
そして、それが達成できたら割り算へ移行します。目標タイムは 4 年生で 5 分、それ以降は 2 分以内です。このときに、「商」でつまづくようならかけ算を、「あまり」でつまずくようなら引き算をそれぞれ復習し、基礎の穴埋めを行うとよいそうです。
「100 ますを 2 分以内」は高いハードルのように感じますが、毎日取り組めば必ず達成できる目標です。焦らずじっくりと取り組みましょう。
漢字 まとめて覚える
漢字学習の目的は、漢字を組み合わせて熟語をマスターし、語彙を増やすことです。このときのポイントは、「コツコツ」ではなく「まとめて」覚えることです。
本書で紹介されていた漢字学習のステップは、
- 音族で漢字の読みと意味を覚える
- 漢字を書く練習をして覚える
- 漢字を使って短文の読み書きをする
- 覚えた漢字を使った熟語を覚える
- 熟語のテストをする
というものでした。
小学生で習う漢字数は 1026 文字です。まとめて覚える × 徹底反復で読み書きを身につけられるように、しっかりとサポートしましょう。
上記 3 セットを毎日繰り返せば、必ず学力は伸びるようです!
まとめ
「うちの子は必ず伸びる」と信じ、家庭学習の戦略を学びましょう。家庭学習の最大の阻害因子は、親の焦りです。
本日は、書籍『陰山流 新・おうち学習戦略』より、
- 家庭が子の学習を担う理由を紹介。学習面に限れば、学校だけに頼ることはが学力低下のリスクになる。
- 家庭学習のポイントについて紹介。追い越し学習で超強力な基礎をつくることがカギ。
- 家庭学習で毎日行うことは、音読・百ます計算・漢字練習。徹底して繰り返そう。
上記 3 点について、私なりに要約・感想を記しました。
いかがでしたか?
本記事の内容が、子の学習に関する悩みや疑問に対して解決のヒントになれば幸いです。
個人的には追い越し学習の考え方を学べたこと、百ます計算を毎日行うことが本書から得られた学びでした。
本書を読み、さっそく子どもに百ます計算を提案しました。はじめは足し算で 10 分以上かかっていましたが、最近では 2 分ほどでできるようになってきました。
また、漢字・音読も頑張って取り組んでくれています。この先も妻と協力して子の学習をサポートしていきたいと思います。
本書には記事で紹介した内容のほかにも、学年別のアドバイスや学習成功のための環境づくりなど、家庭学習を始める、あるいは進めるうえで有益な情報がまとめられています。
もし就学前~低学年のお子さんがいて、子の家庭学習について興味がある方は一読をオススメします。
子の学習をしっかりサポートしていきましょう!書籍もぜひ手に取ってみてください
【子の学習について学べるオススメ書籍の紹介】
『小学校最初の 3 年間で本当にさせたい「勉強」』
小学校低学年の間で行いたい勉強について、その考え方と内容が学べます。
勉強時間は短時間で済ませること、読書・漢字・計算練習の重要性が説かれています。
『学力が劇的にアップ!小学生のための「家庭学習」の教科書』
家庭学習を習慣化するうえで親が心掛けるべきことを学べます。
親が勉強を教えることは避け、教材は自力で進められるものを選び、続けやすいシンプルな計画を立てることがポイントです
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