兄弟げんかで悩む方へオススメ。親の対応は?『憎しみの残らないきょうだいゲンカの対処法』

けんかのイメージ 書籍感想

おはようございます。

「どうしてきょうだいなのに仲良くできないの!!」
というセリフ、一度は言ってしまったことがあるのではないでしょうか。

そしてそのあとに「なんであんなこと言っちゃったんだろう…」という自己嫌悪。きょうだいを育てる親ならば、きょうだいゲンカは必ずある悩みのタネだと思います。

そんな悩みに対しては、本書で学べる内容が解決のヒントになるかもしれません。

というのも、本書を読むことによって子どもからみたきょうだいゲンカの理由がわかるようになるからです。

本記事では書籍の内容を中心に、きょうだいに意地悪する理由や、きょうだいゲンカに遭遇したときに親がとるべき態度についてまとめたいと思います。

きょうだいに「仲良くしなさい!」と言うことは、ある意味で酷なことを強いているのかもしれません。そんな考えを与えてくれる良い書籍でした。

本日は、『憎しみの残らないきょうだいゲンカの対処法』という書籍の要約・感想記事です。

本書を読み、きょうだいの関係性を考えてみましょう

兄弟げんかで悩む方へオススメ。親の対応は?『憎しみの残らないきょうだいゲンカの対処法』『憎しみの残らないきょうだいゲンカの対処法』

記事の内容は、以下の通りです。

1.どうしてきょうだいに意地悪するのか?
2.相手に対する感情を認めることから始める
3.相手を傷つける行為は許さない

それぞれの内容についてみていきます。

どうしてきょうだいに意地悪するのか?

本書では序盤にこの点について述べられています。
個人的には非常に興味深い導入部分でした。

本書によると、子どもとって「きょうだいの出現」は、私たちにとって「新しい妻(夫)」の出現のようなものと例えられています。

子どもからすれば、親には自分だけを愛してほしいと思っています。
しかし、ある日突然その人は家にやってきて、親の注目を一身に集め、可愛がられ、自分は「ちょっと待ってて」とあしらわれる…
(しかもその子は自分より若い)
つまり、兄・姉からしたら弟・妹は自分の存在をおびやかす「脅威」以外の何物でもない、とのことです。

そして上の子は、その「脅威」を排除するために意地悪をしてしまう。
当然と言えば、当然の行動かもしれません。

そして親からは「仲良くしなさい!」と言われる…

悪循環ですね。

相手に対する感情を認めることから始める

そんな子に対して、親はどのように対応するかです。

本書には、相手に悪い感情を抱くことは許し、親はそれを認めることから始めるとありました。

きょうだいゲンカが始まってしまったとき、まず親はその子の気持ちや言い分を聞き、認めてあげましょう。
それだけでもその子の気持ちは落ち着いてきます。
決して、「やめなさい!!(本当に危険な場面では別)」と理由も聞かずに止めたり、「誰が始めたんだ!?」と犯人捜しを始めることはしない方がよいでしょう。

そして、子に怒りを表現する別の方法を示すことが必要になるようです。
「すごく怒ってるんだね」のように子どもの感情を言葉にしてあることや、「どんなに怒っているかママ(パパ)に話してみて」や「その気持ちを人形にぶつけたり、絵や手紙にしてみたら?」など象徴的または創作的なはけ口にすることが提案されていました。

絵や手紙に、ということは実践したことがないですが、子の感情を親が言葉で表してあげることは有用だと感じました。
ちなみに、自己の感情を認識し言語化するという作業は感情のラベリングとも呼ばれます。
これは大人でもストレスコントロールに有用のようです。

「感情の言語化」は大人が手伝ってあげましょう。
これは脳の発達を待つ必要があるからです。

相手を傷つける行為は許さない

決して許してはいけないことは、相手を傷つける行為です。
もしそのような場面が発生してしまったとき、親がとるべき態度は、
・毅然とした態度で「相手を傷つけてはいけないこと」とその理由を伝える。
・傷つけた側ではなく、傷つけられた側に注意を向ける。
の 2 点です。

相手を傷つける行為はどんな理由があっても許されません。その点は明確に伝えるべきです。
伝えたそのあとで、傷つけた側の言い分を尊重して聞きましょう。
決して「いじめっ子」として扱わないことです。
親としては「どうしてそのような行動をしたか」と問いかけ、善悪のジャッジをしてしまいがちです。
しかし、その必要はありません。
本書によると、問いかけに対して子どもは自分以外に答える必要はないとのことです。
必要なのは、「我が子はきちんと考えられている」と親が信じることです。

そして、傷つけられた側に対しては「いじめられっ子」として扱うことは好ましくないようです。
「嫌だったね」や「痛かったね」など感情の言語化はしてあげるべきです。
しかし、親が次にするべきは「自分でしっかり守ること」を教えることです。
本書では「叩かないでって言うんだよ」「それは私のだから取らないでって伝えよう」など、「自分の中に伝える力があること」や、「いやなことを伝えてもいい」ことを教えることが述べられていました。

いじめた側に対する対応について書かれた本は多いですが、いじめられた側に対する考え方にも触れている点はあまり見かけません。
この点は、個人的には新しい発見でした。

どうしても、「いじめた側」に目を向けてしまいますよね。

まとめ

親が子どもたち同士の悪い感情を認め、よい行動を導きましょう。

本記事では、書籍『憎しみの残らないきょうだいゲンカの対処法』より、
・新しいきょうだいの出現は、新しい妻(夫)の出現のようなもの
・相手への感情を認めることから始める
・相手を傷つける行為は許さない
上記 3 点について、私なりに要約・感想を記しました。

本書は 20 年以上前に出版された本ですが、参考になる箇所がとても多かったです。
著者はアメリカ人で、本文中の事例もアメリカのきょうだいゲンカですが、きょうだいゲンカの本質は万国共通で時代が過ぎても変わることはないのだと感じました。
新しいきょうだいを新しい妻(夫)と例えるあたり、ストンと腑に落ちて読むことができました。

本書はきょうだいゲンカで悩むことの多い親の方々にとっては参考になる本だと思います。
本記事で取り上げた 3 点以外にも、「けんかしているときに助けになる・ならない対応」や、多数決・じゃんけんの弊害など、興味深い内容が盛りだくさんでした。

出版が古く、私自身手に取るのをためらいましたが、まったくの杞憂でした。
本書で学んだことを実行に移せそうです。
まさに「温故知新」ですね。

ぜひ手に取ってみてください。

※出版が 1998 年と古く、インターネット購入は高価です。
(楽天・Yahoo!ショッピングでは該当商品がありませんでした)
古本屋や図書館の利用をオススメします。

こんな記事も書いてます。

どう声を掛けたらいいか、はこちらの書籍を参考にしてみてください。

父親としての役割は、社会の規律を教えることです。

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