おはようございます。
みなさんは「アドラー」もしくは「アドラー心理学」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。
アルフレッド・アドラーは 19世紀生まれのオーストリア人心理学者で、フロイト、ユングと並んで心理学の世界三大巨匠とも呼ばれています。
そして、アドラー心理学とは彼が提唱した思想のことを指します。
アドラー心理学は、自分自身を含めた「人間とうまく付き合っていく方法、また自分と真っ直ぐ向き合う方法を教えてくれる心理学」であるという評判があります。
また、書籍『嫌われる勇気』のヒットなどもあり、その知名度が高まっています。
アドラー心理学を紹介する書籍は数多く出版されていますが、今回は一般企業を舞台とした書籍を読む機会を得ましたので取り上げたいと思います。
本日は、書籍『もしアドラーが上司だったら』(著者:小倉広さん)の書評・感想記事です。
本書を読み、アドラー心理学を仕事に活かしてみましょう
勇気と共同体感覚を高め、有益なビジネスパーソンになろう『もしアドラーが上司だったら』
記事の内容は、以下の通りです。
1.ありのままの自分を抱きしめられるようになること=勇気
2.独り相撲でもいいから、他者を喜ばせる=共同体感覚
3.会社では信用と信頼の両者が必要
それぞれの内容についてみていきます。
ありのままの自分を抱きしめられるようになること=勇気
本書は、アドラー心理学における「勇気」と「共同体感覚」の概念を軸としています。
作中では、アドラー心理学に精通した上司からのアドバイスを通じ、主人公はその 2 つを高めていき、社会人として成長していく様が描かれています。
まず「勇気」ですが、作中では「あるがままの自分を自己受容すること」を指していました。
自己受容とは、「自分自身で、自分は存在しているだけでよい」と思うこと。
自分の言動や考えを、否認・抑圧・歪曲せずにそのまま見ること。
これらを「勇気」とし、他者へ関わる前の自己に対する姿勢を見直すことを指摘しています。
不完全さを受け入れ、ありのままの自分を抱きしめる勇気。
「自己肯定感を高く保つ」とも言えそうです。
独り相撲でもいいから、他者を喜ばせる=共同体感覚
話のもう一つの軸が「共同体感覚」です。
これは「他者を仲間とみなし、自分は組織の中で人とつながっていて、組織の中に自分の居場所があると感じられること」とされます。
この感覚が高いほど、人は組織の中で幸せに生きていくことができます。
本書ではこの共同体感覚を育む方法として、他者貢献=毎日、誰かを喜ばせることについて解説されていました。
このとき、「相手がどう思うか」を気にする必要はありません。
また、見返りを求めてもいけません。独り相撲でいいのです。
大切なことは、「自分から始め、自分の主観で判断する」だそうです。
作中では、これらの考えを主人公が実践し、めきめきと頭角を現していく様子が描かれています。
上手くいきすぎと感じたほどです。
会社では信用と信頼の両者が必要
そんな主人公ですが、作中の終盤では仕事でミスを犯してしまいます。
本書ではその時の上司の対応を通して、アドラー心理学の対人関係における「信用」と「信頼」についても触れていました。
当然のことですが、会社ではルールがあります。
会社で働く社員は、「同じ会社で働く」という条件があるからこそ協力します。
これは条件付きの「信用」という関係です。
一方、たとえ仕事から離れて、万が一裏切られたとしても、無条件でその人を信じること。
これは「信頼」という関係となり、良好な対人関係を築く上で重要な考え方です。
ビジネスにおいては仕事で問題があったときに、「相談に乗ってほしい」「力を貸してほしい」と言い合える関係を指します。
会社ではこの両者の考え方が必要になります。
「人にやさしく仕事に厳しく」ということです。
特に上司の立場では、重要な考えになりそうだと感じました。
「信用」と「信頼」をうまく使い分ける必要があります。
人を信頼し、人から信頼される人物になりたいものです
まとめ
勇気と共同体感覚、どちらも自分の心の持ちようで高めることができます。
組織の中で有益な人物になりましょう。
本記事は書籍『もしアドラーが上司だったら』より、
・勇気とは、ありのままの自分を抱きしめること
・共同体感覚とは、組織の中で自分の居場所を感じられること
・会社では信用と信頼の関係が必要なこと
上記 3 点について、私なりに要約・感想を記しました。
ありのままの自分を受容し、相手がどう思うかを考えず「自分から」行動する。
これを実際に行えたら、作中の主人公のように人生が変わるでしょう。
それほどのレベルだと思いました。
本書は、アドラー心理学って何?という方に向けて、平易な口調でわかりやすく解説してあります。
また、作中の舞台が一般企業という点も、多くの人にとってイメージしやすいと思います。
もちろん、すでに他の機会でアドラー心理学に触れたことがある方にとっても、よい復讐の機会になること間違いなしです。
ぜひ手に取ってみてください。
【こんな書籍もオススメです】
アドラー心理学については、以下の 2 冊も読んでみてください。
特に勇気・共同体感覚に加えて、「課題の分離」の考えは秀逸です。
コメント