膝は一生モノ『変形性ひざ関節症』

膝のイメージ 書籍感想

おはようございます。

いつまでも自分の足で健康に歩きたい!誰しもそのように願うと思います。

それに対して大きな影響を及ぼすのが関節の痛み、中でもひざ痛は歩行困難に直結します。

そしてひざの痛みがあることで、認知症や寝たきりなどの「要介護」に移行するリスクが非常に高いといわれています。

大切なひざを痛みから守るためにも、しっかりと知識をつけましょう。

本日は、書籍『変形性ひざ関節症(図解・即解!基礎からわかる健康シリーズ)』(著者:田代 俊之さん)の書評・感想記事です。

本書を読み、変形性膝関節症の基本を学びましょう

『変形性ひざ関節症』

記事の内容は、以下の通りです。

1.変形性ひざ関節症についてあっさりと学習
2.痛いだけじゃない!健康への影響
3.手術に至るまでにできること

それぞれの内容についてみていきます。

変形性ひざ関節症についてあっさりと学習

変形性ひざ関節症とは「軟骨がすり減って、腫れたり歩くときに痛む状態」のことですが、実際に軟骨がすり減り骨がむき出しの状態となるのは第 2 段階です。

その前にひざ関節に生じる変化は、「軟骨の微小な骨折と、それによって生じる滑膜の炎症」です。
これによって痛みが生じます。

軟骨はひざ関節の骨の表層をおおっています。
厚さは 3-5mm ほどで、弾力性(ひざの骨のクッション)を潤滑性(ひざの曲げ伸ばしをなめらかにする)を担っています。

軟骨があるおかげで、私たちのひざはスムーズに痛みなく曲げ伸ばしすることができます。

しかし、軟骨には血管がないため、修復能力は極めて低いです。
そして、軟骨には神経が分布していません。

滑膜は厚さ 1mm にも満たない薄い膜で、ひざ関節の内側をおおっています。
その役割は関節液を分泌し、軟骨の役割を助けることです。
軟骨には神経が分布していないですが、滑膜には神経が分布しているので、痛みを感じます。

そして変形性ひざ関節症の第一段階では、加齢や過剰な負担により生じた軟骨の小さな骨折(骨の破片)によって、滑膜が刺激されるために痛みが生じます。
変形性ひざ関節症=いきなり軟骨がすり減るわけではありません。

軟骨は一生をかけて使うものです。
「軟骨をいかに大事にするか」が変形性ひざ関節症を予防するうえで重要となります。

国内には、痛みのない人も含めると 3000 万人程度の患者さんがいると言われています。

痛いだけじゃない!健康への影響

変形性ひざ関節症の主症状はひざの痛みです。
これにより長距離の歩行が困難となるため、外出や旅行などの機会が減少します。

さらに病状が進行すれば、日常生活を送るうえでも制限がでます。

また様々な研究により、変形性ひざ関節症は認知症や抑うつの発症リスクを高める要因となることが分かっています。

加えて、ひざの痛みによって身体活動量が低下します。
そのため、体力や筋力低下をきたし、転倒の可能性も高まることが推察されます。
もし転んで骨折してしまったら、その人の健康寿命は大きく縮んでしまうことでしょう。

たかがひざの痛みと軽視してはいけませんね。

手術に至るまでにできること

ひざの痛みにより重度の歩行困難となれば、手術の適応となります。

あるデータによると、人工膝関節置換術は日本で年間約 7 万件も行われているようで、すでに一般的な治療法になっているといえます。

しかし、手術にいたるまでには 5-15 年程度かかると言われており、多くの場合、症状の進行はゆっくりです。
そのため、いかに手術の前段階で進行を食い止めるかが重要となります。

著者によると「軟骨は治らないが、ひざの痛みはコントロール可能」とのことです。
そして、まず第一に行うべきは運動療法と主張していました。

運動では、痛みのない範囲での有酸素運動と、太ももの筋肉を鍛える筋力トレーニングを行います。

有酸素運動は、最も簡単に行えるウォーキングがよいでしょう。
最初は歩数や時間はあまり気にせず、ひざに痛みのない程度から開始し、運動を習慣づけることを目標としましょう。
だんだんと慣れてきたら歩数を気にするようにし、5000,6000 歩を目標としましょう。
よく 10000 歩を目標に、と耳にしますが、変形性ひざ関節症の方にとっては多すぎとのことです。

筋力トレーニングは、ジムで行うようなマシーンを使ったものでなくても問題ありません。
椅子に座った状態でひざをピンと伸ばす運動や、両ひざにドッジボール程度の大きさのボールを挟み、ギューッと押しつぶす運動などで十分です。
本書には、上記以外の筋力トレーニング方法を解説した動画リンクも紹介されていました。参考にできると思います。

また、過体重はひざにとって大きな負担となります。
ひざには、歩くとき・階段を使用するときにそれぞれ体重の 2.8 倍・4.9 倍の負担がかかります。
体重は BMI(体重[㎏]÷身長[m]÷身長[m])=22 程度を目標とし、管理に努めましょう。

手術に至るまでに取り組めることはあります。

まとめ

膝、とくに軟骨は一生をかけて使っていくものです。やれることはありますので、大事にしていきましょう。

本日は、書籍『変形性ひざ関節症(図解・即解!基礎からわかる健康シリーズ)』より、
・変形性ひざ関節症について簡潔に紹介
・痛みだけでなく、健康への影響も大きいこと
・まず取り組むべきは運動療法と体重コントロール

上記 3 点について、私なりに要約・感想を記しました。

自分の体は、車と同じです。
しかも、一生乗り換えることはできないです。壊れたからハイ交換、とはいきません。
メンテナンスを怠らず、正常な状態を保ち、強化していきましょう。

ぜひ手に取ってみてください。

【こんな書籍もオススメです】

ひざに良い特定の食品や食事はありません。
腹 8 分目にし、適切な体重を保つことです。

狩猟生活を送っていたころの人類は、ひざの痛み(ケガを除く)なんて無縁だったのでしょうね。
野生の体を取り戻しましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました