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おはようございます。
みなさんは「子育てについて、信頼できる情報が知りたい」と感じたことはないでしょうか。
親にとって子育ては初めての経験の連続であり、多くの方が手探りで行っていると思います。そんな時、正しく信頼できる情報があれば頼りになりますよね。
また、ほとんどの親は「わが子には思いやりのある優しい子に育ってほしい」と願っていると思います。
しかし、そのための方法を誰かから教えてもらうことはなく、子育てに自信を持っているという家庭は少数なのではないでしょうか。
むしろ自信を持つどころか「うちの子、このままで大丈夫かな」と不安を感じることの方が多いのではないかと思います。
そんな子育てに関する疑問や悩みに対しては、本書で学べる内容が助けになるかもしれません。
なぜなら本書には、膨大な量のデータをもとに科学的に検証された、あらゆる年代の子どもの「悪い」性質を取り除き、「よい」性質を育むためのアプローチ方法が網羅的にまとめられているからです。
本記事では書籍の内容を中心に、
- わがままについて
- いじめについて
- アダルトコンテンツ・性教育について
上記 3 点について、私なりに要約・感想を記したいと思います。
本記事を読み終える頃には、これまで「なんとなく」や自分の経験で済ませていた子育てに対して、なんとなくかもしれませんが指針を得ることができると思います。
また、紹介する書籍に興味を持っていただけると嬉しいです。
親が学べば、子育てはもっとうまくいきます。学んでいきましょう。
本日は、書籍『うちの子、このままで大丈夫?がスーッと消える 科学的に正しい子育ての新常識 』(著者:メリンダ・ウェナー・モイヤーさん)の要約・感想記事です。
本書を読み、「科学的に正しい」子育てを学びましょう
『科学的に正しい子育ての新常識』要約 10 代後半までの子育て参考書
わがままについて
「どうしてそんなにわがままなの?」「わがまま言わないで!」というセリフ、親なら必ず口にしたことがあるのではないでしょうか。
子どものわがままは、親を悩ませる最も大きな要因の一つだと思います。これは子どもの「相手の立場に立って考える能力」が発達途上であるために生まれます。
相手の立場に立って考える=脳の前頭葉の機能
実は子どもにとって、相手の立場に立って考えることはかなり難易度が高いです。
というのも、このときに必要な脳の機能(前頭葉機能)が 13-14 歳に発達のピークを迎え、 10 代後半から 20 代でようやく完成するという特徴を持っているからです。
そう考えると、幼いわが子がわがままを言うのも「まあ仕方ないか」と思えてきませんか?
「よい性質」を育む接し方
とは言っても、子どものわがままには対応しないといけません。
ここでは、そのときに意識すると良いポイントを紹介していきます。
前頭葉が未発達なので仕方ない
まず、わがままに対応するときは、先に述べたように「この子はまだ前頭葉の機能が未熟だから仕方ない」という認識をもちましょう。
これは子どもを見下すという意味ではなく、脳科学的に紛れもない真実であることと、親自身がカッとなることを避け、冷静に対応するために有用だからです。
感情について話し合う
わがままな言動をとった時には、子どもと一緒に「子ども自身の感情」や「親の感情」、あるいは「他人の感情」について話をしましょう。
このとき、親は他人の感情を子どもに言葉で伝えであげ、子どもがそれを理解できるようにサポートをしてあげることがポイントです。
言動がおよぼす影響を考える
感情について話し合ったあとは、子どもの言動が他人におよぼす影響について一緒に考えます。
子どもが友達にやさしくするには、まず友達がどう感じているかや、何を望んでいるかを知る必要があります。そうすることで、子ども自身の共感力や思いやりが高まるそうです。
例えば子どもが他の人を叩いてしまった場合は、「たたかない!」と注意して終わるのではなく、「たたかない!たたかれるとすごく傷つくんだよ。ほら、悲しんでるでしょう」というように、自分自身の言動の影響を親が説明してあげるとよいそうです。
感情に寄り添う
子どもがなにか問題行為を起こしてしまったときは、感情に寄り添ってあげることも大切なポイントです。
このとき、たとえ子どもの言い分が親にとっては大げさだったり筋が通っていないと感じても、否定せずにまずは受け入れましょう。
「どんな言動を望むか」をはっきりと伝える
子どもは生まれつき望ましい価値観を持っているわけではありません。
「なぜ○○してはいけないか」あるいは「なぜ△△してほしいか」について、親がはっきりと説明し、導いてあげましょう。
このときに意識するとよいポイントは、望ましい言動と一緒に「なぜ」を伝えてあげることです。
例えば、「おもちゃを片づけようね」→「おもちゃを片づけようね。誰かが踏んだら痛いからね」という具合です。
親がやさしさ・思いやりのお手本を示す
子どもたちは、親の言動を見て他人に対する態度を学んでいきます。
つまり、子どもに対してあれやこれやというよりも、親自身がやさしさや思いやりの姿勢を見せることが、子にとって一番のよい教材となるのです。
やさしさは人から人へ広がっていくものです。
親はパートナーや周囲の人に対して、チクチクとした小言や悪口ではなく、思いやりややさしさなどの「良いお手本」を積極的に示しましょう。
人にやさしくし、愛され、やさしくなれる
上記のように「よい性質」を育てる接し方を続けていけば、子どものやさしさや共感力は高まっていきます。
そして、その人間性ゆえに人から愛され、そしてもっとやさしくなれるという好循環を生み出します。
やさしさや共感力などの「ソフトスキル」は人生の幸福感に直結します。
親の接し方が子どもの長い人生に影響をおよぼすのであれば、プラスとなるように働きかけたいですね。
子は親の背中を見て育ちます。よい背中を見せましょう
いじめについて
言うまでもなく、いじめは深刻な問題です。
たとえこの世からいじめを 100% なくすことは無理であっても、「誰か」が傷つくことは減らした方がいいに決まっています。
しかし残念なことにいじめは存在し、誰もが被害者あるいは加害者になる可能性があります。
本書では、わが子がいじめの加害者および被害者になったときの親のとるべき姿勢や対応について記載がありました。
いじめの加害者になること
ほとんどの親は、わが子がいじめの被害者になることは懸念しますが、まさか加害者になるとは考えません。
それは、いじめ加害者の親ほど、自分の子が意地悪だとは考えていないからです。
著者いわく、親が「いじめ」や「怒りの感情」について子どもにどう話をするかは、その子の他人への攻撃性を左右します。
言い換えれば、親の接し方によっては子どもをいじめの加害者にならないように導くこともできるということです。
まずは、わが子がいじめの加害者になることについて焦点を当てていきます。
子どもと会話をし、居場所をつくる
わが子がいじめの加害者になるのを防ぐために最も必要なことは、子どもと普段からしっかり話をすることです。
家庭環境の悪い子がいじめの加害者になるのは、ある意味で理にかなっています。
それはなぜかというと、いじめの本質はそのコミュニティ内での地位の獲得にあるからです。
家庭環境が劣悪で子どもの居場所がそこにない場合、結果として子どもたちは他人を攻撃して優越欲・支配欲を満たしていきます。
そうならないためにも、家庭では子どもと会話する機会をもち、子どもが居場所を感じられるような場所を作っていきたいところです。
いじめについて話す
子どもといじめについて話をするのも、わが子が加害者になることを防ぐよい方法です。
「子は親の背中をみて育つ」ということわざにもあるように、いじめに対する親の考え方は子どもに伝わります。
わが子がいじめに関与することを喜ぶ親はいないと思いますので、「どんな事情があっても、いじめはダメ」ということを子どもに伝えましょう。
他人の感情を想像するように促す
いじめに対する重要な考え方は、自分がどう感じているかではなく、相手がどう受け止めるかということです。
これは大人にもあてはまることですが、自分の言動がいじめに該当すると認識していない人は少なくありません。一部のいじめ加害者は、相手の立場に立って考える力が低いというデータがあるほどです。
これは先に述べたとおり、子どもは前頭葉機能が未発達であることが一因です。しかし、あまりにも自分のことしか考えていない言動が目立つ場合は、円滑な社会生活の支障になってしまいます。
子どもには普段から他人の感情を想像するように促し、いじめでは「相手がどのように感じたか」が重要であることを理解させましょう。
「怒り」の感情について教える
子どもに「怒り」の感情について教え、そのコントロール方法を一緒に考えましょう。
怒りは人間にとって自然な感情です。そのため、子どもが怒っていることを親が一方的に𠮟りつけたり、あるいはそれを押し殺させるのは不自然な行為といえます。怒りは促してよいのです。
ただし、怒りを含む感情を表出するときの方法や場所について親が不適切と感じた場合は、子どもと一緒にルールを設けるなどで対応しましょう。
もし加害者になったら
もしわが子がいじめの加害者であることが分かった場合、対応を先送りせずに、すぐ子どもと話し合うようにしましょう。
そのときに「どうしてそんなことしたの!」と叱りたい衝動にかられると思いますが、その気持ちはグッと抑えて、まずは子どもの話を聞きましょう。十分に話を聞かずに子どもを非難したり罰を与えることは逆効果です。
話を聞き、子どもの言い分を受け入れたうえで「常に他人を尊重し、敬意をもって接してほしい」という親の考えを伝えましょう。
いじめの被害者になること
続いては、わが子がいじめの被害者になることに焦点を当てていきます。
早く気がつけるよう、子どもの様子を日々観察する
いじめには物理的・社会的・受動攻撃的なものがあります。
物理的ないじめは暴力によって相手を傷つける行為を、社会的ないじめは仲間はずれにしたり悪い噂を広めるなどの行為を、受動攻撃的ないじめは怒りを直接表現せずに相手を困らせるような行動(約束を破る、わざとゆっくりやるなど、いわば後ろに引くことで反抗する)をとることを指します。
やっかいなことに、いじめは何日にもわたって続きます。しかも、物理的ないじめ以外はなかなか表に出てこないので、親が気がつきにくいのが特徴です。
もしわが子が被害者になり、心身に何かしらの変化があったときに早く気がつけるように、子どもの様子を日々観察しておくことが大切です。
親の対応
もしわが子がいじめの被害者になっていることが分かった場合、ここでも重要なのは話し合いです。
このときも親は話を聞き役に徹します。できることなら適切な促しを交えて子どもにすべてを話させ、できるだけ多くの情報を集めるようにしましょう。
また、避けた方がよい対応には、解決にむけたアドバイスをしたり、あるいは「自分で対応しなさい」と見放したり、「あなたにも原因があるよ」といじめられたことを叱るなどが挙げられます。
そもそも子どもは「いじめにあったこと」を大人に話をしたがりません。本書によるといじめ被害者のうち 40% の子どもは、そのことを大人に打ち明けていないようです。
そのため、話を聞きおわったらまずは「大変だったね」「辛かったね」と子どもの感情に寄り添い、そして「話をしてくれてありがとう」とねぎらいの一言をかけることが大切です。
子どもと話し合う時は、両親は聞き役に徹し、話をしてくれることをねぎらい、子どもの気持ちに寄り添うようにしましょう。
いじめは増加傾向。親も覚悟をもって対応しよう
いじめが複雑化した現在では、極端に言えば全ての子どもがいじめの被害者・加害者になる可能性があります。インターネットや SNS の出現により、その潮流はますます強くなっていくでしょう。
それに加えて、残念なデータですが、文部科学省が公表しているいじめの認知件数は 2022 年度には約 68 万件となり、過去最多となりました。
もはや、わが子がいじめとまったく無関係で過ごせる時代ではないのかもしれません。そのことを認識し、もしそうなってしまったときには、親が覚悟をもって対応する必要があるでしょう。
いじめに関与する可能性は、すべての子どもにあるのですね
アダルトコンテンツ・性教育について
最後に紹介するのは、アダルトコンテンツ・性教育についてです。
これらは、子どもにとって自分自身、あるいはパートナーの身体を守るために必要な知識であるにもかかわらず、その教育は親がどこまで介入すべきか悩むポイントでもあります。
本書には、そんな時に参考になりそうな情報がまとめられていました。
ネットの閲覧履歴をみたら、アダルトサイトが…
もしネットの閲覧履歴にアダルトサイトがあったら、みなさんはどう対応しますか?
動揺、困惑、やめてほしいなど、様々な感情が巻き起こると思いますが、ここは前向きに「性について話す良い機会がやってきた」と捉えてみてはいかがでしょうか。
子どもへの性教育を軽視しがち
本書によると、世の中の親は子どもに性やアダルトコンテンツについて教える必要性を軽視しがちなのだそうです。
本文中には日本の性教育についての言及はありませんでしたが、様々なメディアや有識者によってわが国の性教育は他国と比較して遅れていると指摘されています。
それにくわえ、まだ性と子どもとの関係については「寝た子は起こすな」の風潮が未だに強いのではないでしょうか。
しかし、性に関する正しい知識は身を守ります。また、性に関する内容は自己決定や人権に関わるものも多く、大人にむけて成長するうえで決して無視していいものではありません。
親が性教育のすべてを担う必要はありませんが、子どもに信頼できる情報や正しい知識を伝えられるように準備しておいたほうがよいでしょう。
質問には正直・簡潔に答える
もし子どもから性に関する質問を受けたら、正直かつ簡潔に回答しましょう。
なかには大人でも上手く答えられないような内容や、言葉で説明することがためらわれるような質問もあるかもしれません。
しかし、それらに対して明らかに戸惑ったり、あるいは回答をはぐらかしたりすると、子どもは「親にこういうことを聞いたらいけないのかな」と感じてしまい「親に性のことを聞くのはやめておこう」と考えるようになります。
もし質問の回答に困ってしまったときは、「分からないから、一緒に調べてみよう」と性教育に関する本を読んでみたり、あるいはググってみて信頼できる情報源を探してみるのはいかがでしょうか。
アダルトコンテンツは教材ではない
これはアダルトコンテンツについて子どもに伝えるべき最重要のポイントです。
インターネットは今や様々な情報源として欠かせないものになっていますが、性に関しても同様です。もはや子どもがそれに触れること規制・禁止することは非現実的な対応といえます。
一般に、アダルトコンテンツは性を商品化したもの・フィクションであり、あくまで観賞用です。そこで描かれている内容は実際の性行為と違います。このことを子どもにしっかりと伝えておきましょう。
もし性に関して何の予備知識もない子どもが、誰にも何も教えてもらえない状況で、そうしたコンテンツを見て「正しい性知識」と思い込み、それを実行に移していたら…と想像すると、胸が苦しくなるのは私だけでしょうか。
大切なわが子のため、あるいは、わが子と性行為をする相手のためにも、子どもに正しい知識や参考にすべき情報を伝えていく必要がありそうです。
性的同意についても教えておく
もう一つ、子どもの性別に関係なく教えておくべき内容は、性的同意についてです。
性的同意とは性行為の際にお互い積極的に性行為を望んでいるか確認をとることです。性的同意のない性行為は罪になる可能性がある点ですので、正しい認識を伝えておきましょう。
本書によると、性的同意に対する伝え方は、男女別で少し要点が異なるようです。
女の子には断る大切さを伝える
まず女の子には、断ることの大切さを伝えましょう。
著者によると、女の子は幼少時代から、女の子の価値は外見で左右されるという「呪い」にさらされ続けています。
そして、そのことは自分の身体を他人の性欲の対象として扱うという問題につながる可能性があると指摘しています。
そのため、女の子には「男性は性欲を満たす”必要がある” という話は偽りだ」と教え、「交際相手の欲求や経験も大事だけど、自分のそういう気持ちも大切にしてほしい」と伝えることが重要になります。
男の子には歪んだ認識を改めるよう伝える
著者によると、男の子は性的同意についてゆがんだ認識を持っていることが多いため、それを改めるよう伝える必要があるようです。
具体的には、性的同意に限っては「嫌よ嫌よも好きのうち」や「女性の沈黙 = 同意」は全くの誤りであることを伝えることです。
これらの考えは、アダルトコンテンツの影響を強く受けて作られていると推察されます。現実の世界では、同意のない性行為は犯罪です。絶対にダメです。
否定や禁止ではなく肯定的に、毅然と伝えよう
性教育と聞くと親のほうが構えてしまいがちで、子どもを心配するがゆえに禁止や脅しとセットで伝えてしまいがちです。
しかし、ダメと言われるとやってみたくなるのが人間です。ポジティブな姿勢で、毅然と正しい知識を伝えていきましょう。
性に興味を抱くことは心身ともに健康である証です。
それ自体はおかしいことではないですよ。
まとめ
膨大な科学文献から導き出された「正しい」子育てを学び、ご自身の指針としてみてはいかがでしょうか。
本日は、書籍『うちの子、このままで大丈夫?がスーッと消える 科学的に正しい子育ての新常識 』より、
- わがままについて紹介。わがままは前頭葉機能が未熟であるために生まれる。そう考えてみると、わがままのとらえ方が変わるのでは?
- いじめについて紹介。わが子が被害者 / 加害者になったとき、最重要なのは話し合うこと。
- アダルトコンテンツ・性教育について紹介。正しい知識や認識は、わが子とその交際相手を守る。とくに性的同意の重要性はキチンと伝えよう。
上記 3 点について、私なりに要約・感想を記しました。
いかがでしたか?
本記事に記した内容が、毎日が手探りの子育てのなかで少しでも参考になれば幸いです。
個人的には、アダルトコンテンツに関する内容が参考になる箇所が多かったです。
現代は私たちが思春期の頃とは違い、スマホで容易にアダルトコンテンツにアクセスできる時代です。容易にそれらにアクセスできる分、子どもたちが正しい知識・認識に基づいたフィルターを身に付け、商品化された性を真に受けることがないように働きかけていきたいなと思いました。
本書には記事でまとめた内容のほかに、やる気や自己肯定感などの「よい性質」の育み方や、きょうだいゲンカの対応やネット・スマホとの付き合い方など、子育て中の気になるポイントについて幅広くまとめられています。
これってまさにわが子のこと!と感じる内容もいくつか述べられており、まさに子育ての参考書として役立つ書籍でした。
親が学べば、子育てはもっとよくなります。日々学び続けましょう。
ぜひ手に取ってみてください
【子どもの教育に役立つ書籍の紹介】
『わが子に伝えたい お母さんのための性教育入門』
家庭で行う性教育について、その考え方や方法を学べます。性教育 = 性行為教育ではなく、「愛情のフィルター」をつくってあげることです。
『犯罪心理学者が教える子どもを呪う言葉・救う言葉』
親がかけてしまいがちな言葉が子どもに対してどんな影響をもっているかを学べます。「みんなと仲良くしなさい」「頑張りなさい」「勉強しなさい」は要注意ワードです。
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