欲しい・やりたいに使うことが王道『お金の減らし方』

お金のイメージ 書籍感想

おはようございます。

興味深いタイトルですよね。思わず手に取ってみてみましたが、内容も大変興味深いものでした。

世の中には「お金の増やし方」に関する情報はあふれていますが、減らし方について論じたものは見る機会が少ないと思います。

私たちが毎月の出費を最小限にし、貯蓄あるいは運用でお金を増やすのも、いつか使うためです。

貯め方を学ぶのであれば、使い方についても考えてみる機会を持ってみてはいかがでしょうか。
そんな考えを与えてくれる良書を読みましたので紹介したいと思います。

本日は、書籍『お金の減らし方』(著者:森 博嗣さん)の要約・感想記事です。

本書を読み、お金の使い方を学びましょう

欲しい・やりたいに使うことが王道『お金の減らし方』

記事の内容は、以下の通りです。

1.本書で述べられている、お金の価値
2.自分の欲求を知ることが基本
3.必要 < 欲しいにお金を消費しよう

それぞれの内容についてみていきます。

本書で述べられている、お金の価値

いうまでもなく、お金「自体」に価値はありません。ただの紙と金属です。
これを失う(モノを買う、サービスの対価として支払う)ことにより、私たちは価値を得ます。

この時に支払う価格は「売りたい側が勝手に決めた数字」であり、そのモノ・サービスの価値ではありません。
私たちがお金を失うことによって得る価値は、自分自身の満足度によって決まるはずです。

しかし、著者はこの点について、モノやサービスは「そのモノを所有した(サービスを経験した)ときに他者がどう感じるか」という想像によって生まれる〝妄想的な価値〟という別の評価を受けがちと述べています。

そして最近は、人に見せるためにお金を使っている人が多い。つまり、自分のお金を払って他人を喜ばせるサービスを提供している状態だ、と若干の皮肉(と私は受け止めました)を込めて述べています。

もしそのモノを他人に見せることができなかったら、それを買うか?
その食事や風景の写真を他人に見せることができなかったら、それを食べたり見るためにそこにいくか?
お金を使う時は、本当に自分のためになっているのか、一度立ち止まって考えてみることが必要です。

著者は、自分にとって価値のあるものにお金を使っていない人が多いのでは、と感じているようです。

自分の欲求を知ることが基本

自分自身の満足度を高めるためには、自分にとって価値のあるモノ・コトに対してお金を使う(=減らす)ことが必要です。

そのためには、自分自身の欲求をきちんと知っておくことがカギを握ります。

この点について、著者は「うらやましい」と思う気持ちは自分の欲求を知るうえで大事だと述べています。
うらやましいと感じるその気持ちは、自分にとっての欲しいモノ・したいコトを教えてくれます。
価値を手に入れるためには、価値を知ることが第一歩です。

ただし、1 つだけ注意しなければならないことがあります。
それは、自分にとっての価値は他者の関与・評価に依存しないものである方が望ましいという点です。

先にも述べた通り、自分にとっての価値は自己満足で決まります。極端に言えば、人生全体が「いかに自己満足できるか」によって満足感が決まります。
とすると、「自己満足のために他者の評価が得る必要がある」という状態はかなり苦しいですね。根本的に無理がある状態です。

他人は他人です。
「他人がどう思うか」は、自分の努力ではどうにもなりません。
承認欲求に振り回されていると、自分の人生のはずなのに主役になれません。
この点については、アドラー心理学が深い洞察を与えてくれます。

著者は、現代では承認欲求がやや過熱していると指摘しています。
私も同感です。

必要 < 欲しいにお金を消費しよう

本書で述べられている「お金の減らし方」ですが、その王道は「欲しいものを手に入れ、やりたいことを実現すること」です。
これは単なる消費ではありません。自分自身に得るものがある(つまり成長する)という側面を持ちます。

また、私たちはよく「必要だから」という考えでお金を使います。
しかし著者は「その考えには無駄も多いため、一度本当に必要か・どれくらい必要か考えてみるべき」と述べていました。

著者いわく、「必要」は多くの場合、他者の要請や社会の常識・習慣によって決められています。
また、必要性をよく検討して、と言いますが、それ自体がなくても過ごせている状態であるなら、それはより一層低くなります。

一方、「欲しい」はそれ自体でかなり説得力を持ちます。
「必要」には社会的な評価が含まれるのに対し、「欲しい」は自分自身が価値を感じ、評価するものです。

つまり、「必要 < 欲しいものを買う」の方が自分にとって価値があるから、そちらにお金を使うべきだという主張です。

ちなみに著者は、どんなに生活が苦しい時でもまず収入の 2 割を欲しいものを購入するお金として差し引き、残りの 8 割で生活していたそうです。

なんか哲学みたいな論調でややこしくなってきましたが、要するに「欲しい」という気持ちはもっと尊重されるべきなのだと理解しました。

もちろん予算の範囲内で、はいうまでもありませんが。

まとめ

お金をどう減らすか。
向き合うことが少ないかもしれませんが、考えてみてもよいと思います。

本日は、書籍『お金の減らし方』より、
・お金を失うこと=自分にとっての価値を得ること。
・自分にとっての価値=自己満足。他者の評価に依存しないものを。
・「欲しい」はかなり強い説得力をもつ。その気持ちは尊重しよう。

上記 3 点について、私なりに要約・感想を記しました。

支出は「消費・浪費・投資」に分けられるといいますが、人生の満足感を高めるという点では「欲しい」に支出することも「投資」なのかもしれません。

実際、著者である森さんはかなり多趣味のようで、庭園鉄道をはじめとした趣味活動にかなりのお金をかけ、本格的に行っているそうです。
そしてそれらも書籍となっています。趣味への支出は結果的に「浪費」ではなく「投資」なのでしょう。

本書は、普段向き合うことの少ない「お金の減らし方」について考える機会を与えてくれる、貴重な書籍だと感じました。

お金を使わない人は世の中にいないと思いますので、多くの方に読んでいただきたいなと感じました。

私も改めて「お金をどう減らすか」と向き合ってみたいと思います。

ぜひ手に取ってみてください。

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こちらも「お金の使い方」を学ぶ上での必読書です。

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