おはようございます。
「人間は考える葦である」
これはフランスの哲学者パスカルの有名な言葉です。
人間は自然の中では葦のように弱い細い生き物であるが、「考える」ことができる。
そして考えることこそ人間を人間たらしめる要因であり、考えることの重要性を説いた言葉です。
人間であれば誰でも考えることはできますが、方向性を間違えてしまうと、その人がせっかく持っている力を十分に発揮できません。
本日は、考える力を存分に発揮し、よりよい人生を生きるための羅針盤になる「考え方」を学べる書籍を取り上げたいと思います。
本文中には全 52 項目の考え方が紹介されています。今回および次回の記事で、これらの中から、個人的に印象に残った 5 つの考え方について、私の解釈も交えて紹介したいと思います。
本日は、書籍『 Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法』(著者:ロルフ・ドベリさん)の要約・感想記事です。
人生をよりよく生きるための Tips を学びましょう
人生をよくする思考の道具箱『Think clearly』
記事の内容は、以下の通りです。
- 本書の概要と著者について紹介
- 計画は柔軟に変更しよう
- 自分の「能力の輪」を認識しよう
それぞれの内容についてみていきます。
本書の概要と著者について紹介
本書の概要です。本書はサンマーク出版より 2019 年に出版されました。
★令和元年に最も売れたビジネス書 第1位!(honto調べ)
サンマーク出版 書籍詳細ページ(https://www.sunmark.co.jp/detail.php?csid=3724-1)より引用
★オリエンタルラジオ 中田敦彦さん「YouTube大学」で大絶賛!
簡単に揺らぐことのない幸せな人生を手に入れるための「52 の思考法」
■複雑な世界を生き抜くための、鮮明なる指針! この複雑な世界を生き抜くために、私たちは、何を指針にすればいいのか?「よい人生」とはいったいどういうものなのか?
古代の伝統的なモデルから最新の心理学研究の結果、ストア派をはじめとする哲学や、バリュー投資家の思考まで、膨大な研究結果をひもときながら、「よい人生」を送るための52の思考法を本書で明らかにする。
■世界29か国で話題沸騰!『シュピーゲル』ベストセラーランキング1位! スイスのベストセラー作家がまとめた本書は、ドイツで25万部を突破し、世界29か国で翻訳されたベストセラー。ドイツをはじめ世界中から、絶讃の声が多数寄せられている。
「一度手にしたら、あなたは二度と手放せなくなる」――テンリー・E・オルブライト(マサチューセッツ工科大学共同イニシアチブディレクター・ハーバード大学医学部名誉教授)
「どうすればよい人生を送ることができるか、驚くほど多くの助言を与えてくれている」――ジェームズ・R・フリン(ニュージーランド オタゴ大学名誉教授・フリン効果発見者)
「ただ普通に読むのではもったいない。一語一語、ゆっくりと味わうように読んでいる」――フランク・エルストナー(テレビ司会者)
「ヨーロッパでもっとも才気あふれる思想家のひとりだ」――マット・リドレー(ベストセラー作家)
「巧みでわかりやすく、とても説得力がある」――ゲアハルト・シュレーダー(ドイツ元首相)
多くの学術研究の裏づけにもとづいた、人生が上向きになる「具体的なノウハウ」が満載。強力な「思考の道具箱」をぜひ手に入れてほしい。
本書『Think clearly』は最新の学術研究から導き出された「人生をよりよく生きるために役に立つ思考が詰まった道具箱」として、雑多な知識よりも、お金よりも、コネよりも、人生にとって大切なことを紹介する書籍です。
続いて、著者の紹介です。
著者のロルフ・ドベリさんは 1966 年生まれのスイス人で、職業は実業家・作家です。
ドベリさんはスイスのザンクト ガレン大学にて哲学と経営管理を学び、博士号を取得して卒業されています。
その後、いくつかのスイス航空の子会社にて最高財務責任者、最高経営責任者を歴任されたようです。
1999 年にはビジネス書籍の要約を提供する世界最大規模のオンライン・ライブラリー「getAbstract」を設立し、2011 年に執筆活動に専念するために同社を退職されています。
その他には、2008 年に科学、芸術、経済における指導的立場にある人々のためのコミュニティー「WOLRD.MINDS」を創設するなど、幅広く活躍されています。
ドベリさんの著書には、本書の他に『なぜ、間違えたのか?』(2013)、『 Think smart 』(2020)、『 Think right 』(2020)、『 News Diet 』(2021)などがあり、著者累計売上部数が 250 万部を超える人気作家です。
私は News Diet を読みました。語り口も聡明で、人気があるのも頷けます。
なんでも柔軟に対応しよう
ここからは、個人的に学びの多かった考え方について紹介していきます。
1 つめは、修正力の大切さです。
世の中に完璧な条件設定は存在しません。人生をよりよく生きるために重要なことは、完璧なスタートではなく、修正技術です。
本書では、その例として飛行機の運行ルートの修正について紹介されていました(ドベリさんはパイロットとしての顔も持っているようです)。
みなさんは航空機の事故率をご存知でしょうか。
航空機の事故と聞くと、大破した機体や多数の負傷者の映像など、ショッキングなイメージが先行しがちですが、アメリカ国家安全保障会議のデータによれば、航空機事故で死亡する確率は 0.00048% でしかないといわれています。
一方で、毎日利用する人もおおき自動車では、事故による死亡確率は 0.9% というわれています。
つまり、航空機は他の乗り物と比較してはるかに安全な乗り物なのです。
そのような安全性を担保するためには、完璧な運航計画で航路を決め、それに忠実に即しているのかと想像します。
しかし、本書によると、航空機が事前に予定したルート上を飛んでいる割合は、なんと 0% です。
これはどういうことかというと、航空機は予定航路と現在位置を照らし合わせ、常に細やかな修正を繰り返しているということを示しています。
この航空機の例から学べることは、ものごとを円滑に進めるためには、事前の計画を立てることと、ものごとが動き出したら計画にこだわらずに、状況に応じた修正をし続けることが重要であることです。
計画を修正することは、言葉では簡単ですが、実際には抵抗を感じることが多いです。それは、修正=計画が間違っていたという証拠に感じられるからです。
しかし、そのことを気にする必要はありません。世の中の出来事で、100% 計画通りに進むことはありません。
事前の計画に対して早い段階で修正を図る人は、完璧な条件設定にこだわり、計画がうまく行くことを待つ人よりも得るものが大きい、という考え方を身につけましょう。
修正力が大切です。
この考え方を知ってから、計画の修正に対する抵抗が小さくなりました
自分の「能力の輪」を認識しよう
2 つめの考え方は「能力の輪」を認識することです。
「能力の輪」とは、自分にとっての向き / 不向きの境目を考える際に認識するポイントとして紹介されていました。
自分自身の専門分野といっても差し支えないでしょう。
この「能力の輪」は、世界トップの投資家として名高いウォーレン・バフェットさんも、その重要性を説いています。
「能力の輪」を意識することは、投資だけでなく、社会人としてキャリアを築く際にも大切です。
ただし、私たちは「能力の輪 = 自分自身の能力」であり、それが大きければ大きいほどその人が有能であると思いがちですが、そうではありません。
「能力の輪」は、大きくすることよりも境界線をはっきりさせることが重要であり、そしてその内側のことにエネルギーを注力することが、人生における成功のカギです。
この境界線は、超えたくなったり、広げたくなったりする誘惑が多いことが特徴です。
もしあなたに新しい仕事の依頼や、魅力的なオファーが届いたときには、即答はせず、「これは能力の輪の内側の内容か」とよく検討しましょう。
あなたが身につけている能力は、多くのことに機転が利くとは限りません。
これからの世の中で求められるのは、なんでも平均的にできる能力よりも、何かに特出した能力です。
一つのことに、長い時間と強い執着で一貫して取り組みましょう。その方が大きな成功を得られる可能性がグンと高まります。
情報があふれるこの時代では、「まだ自分が知らないこと」が爆発的に増えていきます。
それらを新しく学ぶことは、どれも魅力的に映るかもしれませんが、99% は能力の輪の外側のことです。
よりよい人生を送りたいのであれば、残り 1% の「能力の輪」の内側にあることにアンテナを張り、専門的な知識を増やしていくことが重要であるという考え方を持ちましょう。
とがった特性を持つ人材を目指しましょう!
まとめ
計画は柔軟に修正し、能力の輪の内側のことを高めるという思考をもつことは、有能なビジネスパーソンの特徴だと思います。
この「思考の道具」をきちんと扱えるようになりたいですね。
本日は、書籍『 Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法』より、
- 本書の概要と著者について紹介。ロルフ・ベドリさんはスイス生まれの作家 / 起業家で、本書は世界各国に翻訳されているベストセラー書籍。
- 事前計画を練ることも大切だが、それよりも状況に応じた修正を加え続けることが、成功のカギ。
- 自分自身の「能力の輪」を認識し、その内側のことに時間とエネルギーを注力しよう。
上記 3 点について、私なりに要約・感想を記しました。
1 つめの「大切なのはスタートを切ってからの修正力」という指摘は、やるべきことをなかなか始められない(私のような)人にとっては、非常に有用なアドバイスだと感じました。
致命傷にならない内容で、修正を加え続けるという姿勢されあれば、自分がやるべきことは 60% くらいの準備でも始めて大丈夫なのでしょう。
2 つめの、「世の中で起きる 99% のことは自分と無関係」という考えは、以前読んだベドリさんの書籍『 News Diet 』でも紹介されていました。この考え方は、情報過多な現代においてはとても有用だと思います。
不思議なことに、能力の輪の内側のことや、本当に重要なことは自然と耳に入ってくるものです。安心して能力の内側のことに注力しましょう。
本書には、タイトルにある通り、人生をよりよく生きるために有用な考え方が多く紹介されています。これらは、いずれも著者の個人的な考え方ではなく、学術研究に基づいた主張です。
52 項目全てが万人にあてはまるとは言えませんが、一つでも有用な「道具」を見つけれられれば儲けたものです。
より良い人生を生きることを求めた先人たちの成果を、わずか 1,000 円程度で学べる書籍ですので、一読の価値ありだと思います。
一度しかない人生です。「よりよく 」生きたいですね。
ぜひ手に取ってみてください
【生きるヒントとなりそうな書籍のご紹介】
『 News Diet 情報が溢れる世界でよりよく生きる方法』
本書よりも後に出版されたベドリさんの書籍です。
世の中の一口ニュースは、不要です。本書を読み、ニュースダイエットに挑戦してみましょう。
『13 歳から分かる! 7 つの習慣 自分を変えるレッスン』
自己啓発本の名著の入門版です。
「能力の輪」とは少し表現が異なりますが、自分自身が影響を及ぼせる範囲を明確にし、そこにエネルギーと時間を注ぐ重要性が説かれています。
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