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おはようございます。
「あなたの話は分かりにくいなぁ」
「で、要点は何?」
こんな風にストレートに言われることは少ないかもしれませんが、自分の考えや意図が相手に伝わっているかどうか、不安になることはありませんか?
伝える相手が友人ならともかく、ビジネス現場では上司への報告や取引先への提案など、伝達ミスが許されない場面は多いのではないかと思います。
また、私のような医療従事者にとっても、患者さんやその家族に対して分かりやすく説明することや、誰が見ても理解できる記録を残すことは、必須のスキルと言えます。
実は、自分の考えを相手に伝たり、わかりやすい記録を残す際には、「科学的な」視点を持つことが大きな助けになる可能性があります。
なぜなら、科学的に伝えるということは、論理的でデータを交えながら、世界中の人を納得させることであり、お作法や型を守れば誰でも実践可能なことだからです。
本記事では、書籍の内容を中心に、「伝え方」「プレゼン」について、科学的に考えるときのポイントについて紹介します。
本記事を読めば、人に何かを伝える際に意識するとよいポイントが理解して頂けると思います。また、紹介する書籍にも興味を持って頂けると思います。
本日は、書籍『なぜ君は、科学的に考えられないんだ?』(著者:松尾佑一さん)の要約・感想記事です。
本書を読み、科学的に伝えるコツを学びましょう
『なぜ君は、科学的に考えられないんだ?』要約 伝える力を高める方法
記事の内容は、以下の通りです。
- 科学的な伝え方:型を守り、数値を用いて、簡潔・明確に
- 伝わりやすいプレゼン:指示代名詞を使わずに、客観的に練習する
それぞれの内容についてみていきます。
科学的な伝え方:型を守り、数値を用いて、簡潔・明確に
人に何かを伝えるときは、型やルールを守ること、具体的な数値を用いること、文章の主語を省かず簡潔・明確に表すことがポイントです。
型を守る
分かりやすい説明や文章には、「型」があります。人に何かを伝える際には、それらの型を場面に応じて使い分けましょう。
型を使うと、伝える内容に一本の筋が通るため、聞き手にとってわかりやすくなります。
もし、話を聞く側が仲の良い友人であるなら、こちらの意図を汲んでくれたり、伝える人の性格を知ったうえで聞いてくれるかもしれません。
しかし、ビジネスシーンでは、こちらの考えを伝える際に、聞く側の想像力を期待してはいけません。聞く側に伝わりやすいように話すことは、伝える側の義務といえます。
また、型を守ることは伝える側にとってもメリットがあります。それは、時間と労力の削減です。
これはどういうことかというと、伝えるときの型を守ることで、いちいち話の構成について悩む必要がなくなるということです。その結果、作業時間が短く済みますし、空いた時間を他のことにまわせます。
型にはいくつかの種類があります。例えば、物語でよく用いられる「起承転結」や、論文などで用いられる「序論 – 本論 – 結論」、その他にもプレゼンでよく用いられる「PREP 法」などがあります。
本記事ではそれぞれの内容については触れませんので、必要があれば、それぞれについて検索してみてください。
結論として、一般的なビジネスパーソンであれば、「伝え方」にオリジナリティはあまり必要ありません。場面に適した型を用いて、聞く側が理解しやすいように伝えましょう。
数値を用いて具体的に
続いてのポイントは、数値を用いて具体的にすることです。
数値は誰にとっても客観的であり、世界共通の認識です。「多い」や「少ない」、「早く」「ゆっくり」などは個人の主観に影響を受ける表現であるため、人に伝える際にこれらの単語を用いるのは不適です。
例えば、伝える内容に期限や締切が含まれる場合は
「なるべく早く」→「〇〇日までに」
また、変化が含まれる場合は
「よくなった」→「△から□になった」のようにすると、誤解なく伝えることができます。
このように、数値を用いることで誰もが素早く正確に、伝えられた内容を理解することができます。
このように、人に伝える際は数値を交えて具体的にすることを意識すると、相手の理解を深めることができます。
簡潔・明確に
もう 1 つのポイントは、主語を省かず簡潔に伝えることです。これは、特に文章を書くときに意識するとよいポイントです。
日本語は、よく「行間を読む」「察する」言語といわれます。会話でも文章でも、主語を省略したコミュニケーションは日常的に行われていますが、安易な主語の省略は大事故のもとになります。
また、相手に伝わりやすくするためには、一文を短くすることもポイントです。ワンセンテンス・ワンメッセージを意識し、一文あたりの文字数は 60 文字以内に収めるようにしましょう。
このように、文章を書くときは主語を省かず、可能な限り短くすることを念頭に置いてみましょう。
これらは伝える力や文章力 up の王道です!
伝わりやすいプレゼン:指示代名詞を使わずに、客観的に練習する
プレゼンは、「こちらが理解してもらいたいように相手に理解してもらおうとする」行為です。
この時に意識した方がよいポイントは、以下の点が挙げられます。
- 話に一本の筋を通し、起承転結を意識すること
- 指示代名詞を使わないこと
- 客観的に自分のプレゼンを見直し、何度も練習すること
起承転結については先述したため、ここでは残りの 2 点について触れていきます。
指示代名詞を使わない
指示代名詞とは、『「これ」「ここ」「あれ」「どちら」のように、話し手や書き手が自分を中心にして、人以外の事物・場所・方角などをさししめすのに用いる言葉』と定義されます(学研キッズネットより)。
この指示代名詞は話す側からすると便利な言葉です。しかし、聞き手にとっては、それが指す単語を思い出す手間が増えるため、指示代名詞の使用はプレゼンの理解を妨げてしまう可能性があります。
また、指示代名詞が示す内容によっては、伝える側と聞く側との間に誤解が生まれてしまう可能性があります。そのため、論理的で分かりやすい説明が求められるプレゼンでは、指示代名詞の使用は不適です。
たとえば、スライドの図や表について説明する場合は、
こちらをご覧ください→画面右上をご覧ください
としたり、
こちらのデータをご覧ください→上から 3 行目のデータをご覧ください
としてみましょう。このように、少しの配慮で伝わりやすさは大きく変わります
また、たいていの場合、聞く側は手元の資料にも目を通しながらプレゼンを受けます。この時に、伝える側が「ここ」「これ」を用いすぎると、どれがどれだか特定できず、置いてけぼりをくらってしまうこともあります。
伝わりやすいプレゼンを目指す場合は、指示代名詞の使用は避けることを意識してみましょう。
客観的に自分のプレゼンを振り返りながら練習する
プレゼンの練習をするときは、機械的に行うのではなく、客観的な視点を持ちましょう。できればプレゼンの様子を動画やボイスレコーダーに残し、自分のプレゼンの様子を第三者の視点でチェックしてみましょう。
プレゼンはスライドと手元の資料に沿って淡々と進めるものではありません。伝える側の視線や表情、声のトーンや身振り手振りなどの「非言語情報」は大きな影響力をもっていて、聞き手に与える印象の 90% 以上を占めるという説もあります。
そのため、伝わりやすいプレゼンのためには、スライドや資料の中身だけでなく、非言語媒体の質も高めておく必要があります。
これらを踏まえると、伝わりやすいプレゼンのために準備することは、
- 視線を上げて話ができるよう、原稿は暗記しておく
- ポインターの示し方や、必要な身振りの練習をしておく
などが挙げられそうです。
また、言葉に詰まってしまう箇所があるとしたら、そこは言葉の流れが悪いために生じています。伝える側が話しにくい部分 = 聞く側も理解しにくい部分ですので、別の表現方法や言い換えはないか、見直してみましょう。
なお、原稿をチェックするときには、「この原稿は私の嫌いな人が作ったもの」だと思うと、厳しくチェックできるそうです。
プレゼンは、「こちらが理解してもらいたいように相手に理解してもらおうとする」行為です。ビジネスには必須の力なので、効果的な伝え方ができるように時間をかけて準備しましょう。
プレゼンや準備は、事前準備が全てといっても過言ではありません
まとめ
科学的に伝えることは、論理的でデータを交えながら、世界中の人を納得させることです。「私は文系(理系)だから…」は関係ありません。伝える力は、要点を押さえれば誰でも伸ばすことが可能です。
本日は、書籍『なぜ君は、科学的に考えられないんだ?』より、
- 伝え方で意識するとよいポイントは、型を守り、数値を用いて、簡潔に明確にすること。
- プレゼンで意識するとよいポイントは、指示代名詞を使わずに、客観的に練習すること。
上記 2 点について、私なりに要約・感想を記しました。
いかがでしたか?
このようにまとめてみると、伝える力は天性のものではなく、伸ばすことが可能だということがわかりますね。
お作法を守り、押さえるべきポイントを理解して、論理的で誰もが理解できるような「伝える力」を身につけていきましょう。
本書は上記のほかにも、人間関係やデータ分析、イノベーションなどのビジネスに関係するポイントについて触れています。いずれも「科学的な」思考を基にまとめられているので、日々のビジネスに役立てられそうだと感じました。
また、小説としてもライトで読みやすく、内容も勧善懲悪(と私は感じました)モノで、スッキリした内容で楽しめました。
本記事が、人に伝える際のポイントについて参考になれば幸いです。
書籍もぜひ手に取ってみてください。
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