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おはようございます。
2024 年が始まりました。今年も弊ブログをよろしくお願いします。
「やりたいことがあるけど、それは将来時間ができてから…」
「お金よりも時間を大切にしたいけど、どうやったらいいかわからない」
上記のような、将来には自由に使える時間があるという前提に立って今の時間を犠牲にしていたり、あるいはお金と時間との関係性について考えることはないでしょうか。
そんな悩みや疑問に対しては、本書で学べる内容が解決のヒントになるかもしれません。
なぜなら本書には、多くの人が陥りがちな「時間よりもお金を優先する = 時間貧乏(タイム・プア)」の状態から脱却し、お金よりも時間を優先し、幸福度が高い状態(タイム・リッチ)に生まれ変わるための習慣や方法について書かれているからです。
本記事では書籍の内容を中心に、
- タイム・プアという考え方と、その悪影響とは
- タイム・リッチという考え方と、それにむけた戦略とは
上記 2 点について紹介します。
本記事を読み終わるころには、時間とお金に対する新しい考え方を知ることができます。また、紹介する書籍にも興味を持って頂けると思います。
時間に投資するとはどういうことでしょうか。学んでいきましょう。
本日は、書籍『TIME SMART(タイム・スマート): お金と時間の科学』(著者:アシュリー・ヴィランズさん)の要約・感想記事です。
本書を読み、タイム・リッチへの一歩を踏み出しましょう
『TIME SMART』要約 時間に投資せよ!
タイム・プアという考え方と、その悪影響とは
タイム・プアとは時間よりもお金を重視し、時間の価値を正しく認識しておらず、さらに時間に対して余裕がなく、それにより人生の幸福感が低くなってしまっている人たちのことを指します。
著者いわく、タイム・プアは現代に蔓延している思考であり、個人にも社会にも甚大な損失をもたらしています。
そのため、タイム・プアを公衆衛生レベルの問題として捉え、その解決のために一人一人がもっと時間に投資すべきだと論じていました。
以下にその理由をいくつか挙げていきます。
タイム・プアは経済・健康の損失をもたらす
タイム・プアであることは、仕事の生産性が低く、さらに健康状態にも悪影響があるとするデータがあります。
タイム・プアによる経済損失額は 4500 – 5500 億ドル
タイム・プアの人はいつも時間に追われているストレスに晒されているため、仕事における生産性が低く、また欠勤数も多くなります。
常にストレスを抱えている状態では、仕事で高いパフォーマンスを発揮しにくいことは容易に想像できます。本書によると、タイム・プアによる経済損失額は 4500-5500億ドルにもなることが紹介されてました。
また、過度のストレスによって精神を病んで欠勤 / 休業してしまうことも、けっして珍しくないでしょう。こちらに関しても、1000 人の従業者のうち 200 人はタイム・プアによるストレスが原因で欠勤しているというデータがあるようです。
このように、タイム・プアは経済面で大きな損失につながる問題であるといえます。
タイム・プアによって心血管疾患発症のリスクが高まる
タイム・プアは心筋梗塞などの心血管疾患の発症リスクを高めます。
タイム・プアである人はそうでない人と比較して運動することが少なく、脂肪分の多い食品を食べがちになります。さらに、前述したストレスにもさらされます。これらはいずれも動脈硬化を促進する要因であるため、そのような関係性が得られるのでしょう。
日ごろ「忙しい忙しい」とバリバリ働いていた方が、ある日とつぜん心筋梗塞や脳梗塞を患うということはよく聞く話です。実際に、月 55 時間以上の残業時間は心筋梗塞発症のリスクを高めるというデータもあるそうです。
このように、タイム・プアは健康面でも悪影響を及ぼします。
結論として、時間よりもお金を優先することが、長期的に見てお金を失うこと(生産性がさがり、健康も損なう)につながるようです。なんとも皮肉な話ですね。
富の追求には落とし穴が待っている
時間よりもお金を追求するタイム・プア思考の終着点には、「お金では幸せは買えない」という落とし穴が待っています。
お金はどれだけ追及しても、満足できるものではありません。それを裏付けるこんなデータがあります。
調査では、人口の上位 1% に属するような富裕層の人たちを対象に、「申し分なく幸せになるには、あといくら必要か」というアンケートが行われました。結果は、対象の 75% 以上が「もっとずっと多く」と回答したそうです。
すでに富を十分持っている人たちですらこの回答なので、この調査結果はお金の追求には限りがないことを端的に示していると思います。
また、富裕層の人ほど時間あたりの単価が高いため、より時間が貴重だと感じているというデータも紹介されていました。
私たちは「もっと一生懸命働いてお金を稼げば、あとでより多くの余暇時間が手に入るだろう」と安易に考えてしまいがちです。しかし、これは間違った解決策です。そんな未来はまったく保証されていません。新年の抱負は、毎年「来年」に回すものではなく、今から取り組むことなのです。
時間よりもお金を優先し富を追求するという思考には終わりがないことを、しっかり認識しておきましょう。
時間の価値を誤解している
時間の価値は測ることが難しく、それゆえに誤解してしまいがちです。
著者いわく、私たちのほとんどは時間の価値を過小評価しています。仕事のために家族と一緒に過ごす時間をあまりにも安易に差し出してしまいがちです。
一方で、お金の価値は生まれてからいやというほど刷り込まれています。そのため、お金を時間に交換するという発想が頭に浮かぶことがありません。(逆はよくやってしますが…)
しかし、時間を重視するような選択をすると健康や幸福感が増すことは、ここまでで紹介したようにデータが示しています。タイム・リッチになる活動は、誰にとっても年収が数十万円増加することに匹敵するほどの幸福感が得られるということは、ぜひ知っておきましょう。
タイム・プアの悪影響を知り、脱却を目指そう
このように、タイム・プアは多くの人に様々な悪影響を及ぼしています。このことを知り、時間を優先するような思考をもってみましょう。
タイム・プアから脱却したいですね
タイム・リッチという考え方と、それにむけた戦略とは
ここまででタイム・プアであることの悪影響を紹介しました。ここからは、その反対の考え方であるタイム・リッチについて述べていきます。
タイムリッチとは、お金よりも時間を優先する考え方を指します。
本書では、その考え方を定着させるためにとるべき 5 つの戦略が紹介されていました。
戦略① 時間とお金に対する自分の認識を知る
まず 1 つめは、お金と時間に対する認識を知ることです。自分自身に「時間よりもお金を大切にする」のか、またはその逆なのかを問いかけてみましょう。
お金と時間に対する考え方は、良い / 悪いではない
ここでポイントになるのは、どちらの考えにも良い / 悪いはないということです。
お金と時間に対する認識はこれまでの人生経験や社会的なポジションなど、多くの要因によって形成されます。例えばお金がなくて辛い経験をした人であれば、「お金が大切!」と考えることは当然です。
まずは自分自身がどのような考え方を持っているかを知ることが、タイム・リッチへの第一歩になります。
戦略② 自分の時間を記録する
2 つめは、自分の時間について記録をすることです。
日々の活動について、それは生産的なのか?楽しいのか?有意義なのか?といった具合に、何気なく過ごしている時間を自分がどう感じているかを振り返ってみましょう。
なお、記録をするのは「決まりきった仕事の日」であることが多い火曜日がオススメです。
戦略③ 時間をみつける
3 つめは、自分にとって良い / 悪い時間をみつけることです。そして、良い時間を増やし、悪い時間を減らすことができないかを検討してみましょう。
好きでないことに時間を縛られる = タイム・プアの要因に
好きではないことや自分でコントロールできないことに時間を縛られることは、タイム・プアに陥る要因の 1 つです。
こうした状況を避けるには、惨めな気分になる活動時間を意図的に減らし、その分を幸福感を高めるような良い時間に置き換えることが推奨されています。
良い時間の具体例には、能動的に取得した余暇や食事をゆっくりと味わう時間、他人を助けるような時間などが挙げられます。
上記以外にも、一人一人にとっての良い時間があると思います。あなたにとっての良い時間は、どんな活動をしているときでしょうか。
戦略④ 時間に投資する
4 つめは、時間に投資することです。いわゆる「お金で時間を買う」という行為です。個人的には、これにお金を出せるかどうかがタイム・プアとタイム・リッチを分けるカギだと思います。
私たちは時間をもっと求めていい
自分にとって良い時間を確保するためにお金を使うことは、お金の重要性をさんざん刷り込まれてきた私たちにとって、少し罪悪感を感じる行為かもしれません。
それでも、時間はお金を投資する価値があるものです。そしてなにより、私たちはお金を使ってでも、もっと時間を求めてもいいのです。
例えば、毎日の通勤時間が苦である人ならば職場の近くに引っ越ししたり、あるいは家事の時間が苦であるならば、家事代行や時短家電を利用するなどが時間に投資をする代表例でしょう。
この際、もし時間に投資することに罪悪感を感じるのであれば、プレゼントとして時間を求めてみるとよいでしょう。
反対に、ある商品を最安値で買うために複数の店舗を見て回ることは時間対効果が低い(タイム・プアに近い)行動の一つです。ついついやってしまいがちだと思います。気をつけましょう。
このように、なにか決断・選択しなければならないときは、コスパ(コストパフォーマンス)だけでなく、タイパ(タイムパフォーマンス)も重視してみましょう。
戦略⑤ 時間のとらえ方を変える
5 つめは、時間のとらえ方を変えることです。これはどういうことかというと、ズバリ「タイム・リッチは価値があることだ」と考えることです。
時間をかけて時間の価値を知っていく
時間とお金に対する考え方は、あなたが生まれたときから長い時間をかけて作られたものです。これを変えることは簡単ではありません。
しかし、タイム・プアやタイム・リッチという考え方を知ったのであれば、あとは時間をかけて自分にとっての「時間の価値」を知っていくことが重要です。
本書ではこの「時間の価値」について、ハピネス・ドルという著者オリジナルの概念が紹介されていました。
ハピネス・ドルとは
ハピネス・ドルとはタイム・リッチになる選択や、それが生み出す幸福感に価値を割り振る考え方です。
例えば、時間を大切にする判断をしたらその価値は 2200 ハピネス・ドル、家事や仕事を外注したら 18000 ハピネス・ドル…という具合です。ちなみにお買い得商品を探す行為は -3300 ハピネス・ドルでした。
個人的には大変いい考え方だと思います。しかし、いくつか注意点もありそうです。
まず、そもそもハピネス・ドルの額は、同じ行為でもその人の価値観によって異なると思います。また、日本人にはドルの感覚もあまりなじみがありません。そのため、この考えをそっくりそのまま使用するかどうかは検討が必要でしょう。
しかし、時間はお金と同等もしくはそれ以上の価値があることを認識し、タイム・リッチであることに価値を見出す活動はぜひ参考にしたいものです。
タイム・リッチになるための戦略を念頭に置き、時間に投資をしよう
紹介した 5 つの戦略は、一部の人しかできない特別なテクニックではありません。これらに共通することは時間とお金に対する考え方・捉え方を、これまでと少しだけ変えてみることです。
タイム・リッチになるために、「時間に投資する」という考えをもってみてはいかがでしょうか。
考え方をタイム・イズ・マネーからマネー・イズ・タイムへ切り替えましょう
まとめ
お金はもちろん大切ですが、時間はそれと同等あるいはそれ以上に価値があり、健康と幸福感の増加をもたらしてくれます。時間に投資しましょう!
本日は、書籍『TIME SMART(タイム・スマート): お金と時間の科学』より、
- タイム・プアという考え方と、それが及ぼす悪影響について紹介。タイム・プアは長期的にみれば、健康も生産性も損なう可能性がある。
- タイムリッチという考え方と、そうなるための戦略を紹介。私たちは時間にもっと投資するべきであり、なにより時間をもっと求めてもよい。
上記 2 点について、私なりに要約・感想を記しました。
いかがでしたか?
本記事の内容が、時間とお金の関係性について改めて考える機会となれば幸いです。
個人的には、私たちはもっと時間の投資すべきであり、もっと時間を求めてもよいという点が最も印象に残りました。タイムイズマネー(時は金なり)は誰もが知る金言ですが、従来のような時間を切り売りしてお金を稼ぐ考えから、マネーイズタイム(金は時なり)の考え方をもち、時間の持つ価値を最大限に活用できるようになりたいですね。
本書には、本記事で紹介した内容のほかにも、科学的な調査や統計データから明らかになった幸福になるための時間の使い方が解説されています。時間とお金や幸福感との関係について学ぶことができる、よい書籍でした。
タイム・リッチを目指しましょう!書籍もぜひ手に取ってみてください
【投資について学べるオススメ書籍の紹介】
時間を優先させるといっても、生活に不自由しない程度のお金があってこそです。
2024 年から始まった新ニーサを十分活用するためにも、数冊は書籍を読んでおきましょう。
『サイコロジーオブマネー』
お金について基盤となる考え方を学べます。いきなり細かいテクニックからではなく、まずは真理・教訓を学びましょう。
『投資の大原則』
投資界のレジェンド 2 人が、個人投資家に必要な要素をギュギュっとまとめてくれた書籍です。
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