おはようございます。
「しっかり寝たのに疲れがとれない」
「なんだかだるくてやる気が起きない」
お疲れ気味の毎日を過ごしていないでしょうか?
毎日の仕事や家事、育児などで忙しい生活を送る中では、どうしても体のケアは不十分になりがちです。
また、疲労は一度たまってしまうと返済が大変です。
「疲れたので 3 日くらい休みます」なんて通用するわけありません。
疲労がたまった状態で仕事→パフォーマンスはイマイチ→結局また疲れがたまる…の悪循環に陥ってしまいます。
疲労がたまるその前に、あらかじめ予防・回復に努めましょう。
本日は、『スタンフォード式 疲れない体』(著者:山田知生さん)という書籍の要約・感想記事です。
本書を読み、疲労回復・予防メソッドを学びましょう
姿勢、神経、呼吸…疲れの予防・回復メソッド『スタンフォード式 疲れない体』
記事の内容は、以下の通りです。
1.疲労の原因はなにか?疲労=乳酸は誤解?
2.疲労予防のために心掛けること(身体)
3.疲労予防のために心掛けること(神経)
それぞれの内容についてみていきます。
疲労の原因はなにか?疲労=乳酸は誤解?
「疲労」と聞いて乳酸の蓄積と考える方もみえると思います。
乳酸は、運動など筋肉でエネルギーを作る際に発生する代謝産物です。
この場合の運動は「嫌気性代謝」とよばれ、個人差はありますがその強度はけっこう高いものとなります。
久しぶりに運動した後の疲労は誰でもあると思います。
しかし、我々が普段生活している中で感じる疲労は、運動した後に感じるものと同じ種類でしょうか?
本書における疲労は、「筋肉と神経の使いすぎや不具合によって体の機能に障害が発生している状態」と定義されていました。
とくに、神経は筋肉の働きを調整する司令塔の役割を担っており、疲労と直結します。
決して、骨・関節や筋肉だけの消耗ではないとのことです。
疲労原因を乳酸だけに求めるのはナンセンスのようです
疲労予防のために心掛けること(身体)
そのことを踏まえると、疲労について考えるときは身体と神経に分ける必要があります。
疲れにくい体を目指すときに、まず身体で重要になる点は「姿勢のゆがみ」とのことです。
長時間のデスクワークで猫背&座りっぱなし、スマホの画面を見るために首が前方に突き出ている…
現代人の 8 割が猫背というデータもあるくらい、姿勢のゆがみは身近な問題です。
本書によると、人体構造的に正しい姿勢は、
①猫背でない
②腰が反っていない
③筋肉が収縮していない
の 3 点を満たす姿勢とのことです。
これらは、まっすぐ立った姿勢が「耳の穴ー肩ーくるぶしの頂点を結んだライン」が一直線に並ぶかどうかでチェックができます。
前述の通り、多くの方が首が前方に出ている状態だと思います。
一日に数回、胸を張り肩甲骨を背中の中心に寄せ、「背が高く」なるイメージで姿勢を正しましょう。
また、腰が反りすぎなどで痛みがある場合、身体の複数部位が疲れている状態とのことです。注意しましょう。
スマホ首(ストレートネックのこと)なんて言葉もあるらしいですよ!
疲労予防のために心掛けること(神経)
神経で重要な点は、自律神経と脳の機能が整っているかです。
しかし、神経を整えよう!と自分で意識しても、それは難しいです。
そこで大きなカギを握るのは、食事と睡眠です。
前者は内臓および脳の働きに、後者は脳・自律神経の機能に大きな影響を及ぼします。
まず食事です。
本書では、食事は「何を、いつ、どう食べるか」が疲れに影響するとされていました。
特に、朝食の取り方について焦点をあてて解説されていました。
本書によると 1 日の疲れやパフォーマンスに対しては、「朝食抜き」が一番よくないようです。
朝食を抜く→昼食をドカ食い→血糖値の急激な上昇→眠気や疲労感に襲われる、という流れです。
また、朝食を抜くと体温上昇が得られにくく、エネルギー源もない状態となることも悪影響を及ぼします。
朝食は時間を固定し、低糖質・高繊維食のシリアルやパン、低脂肪のたんぱく質やヨーグルトなど、自分にとってのレギュラーメニューを決めること、そして腹八分目にとどめることなどが推奨されていました。
次に睡眠です。
多くの人が睡眠不足の現代です。
日本は先進国の中でも特に睡眠時間が短く、睡眠不足は自律神経失調を来すリスクになることや、パフォーマンスの低下につながることが分かっています。
たかが睡眠と侮ってはいけません。
本書では、少なくとも 7 時間眠ること、夜更かし・寝だめをせずに定時入眠・起床をすること、睡眠の質を上げるためにベッドに入る 90 分前には入浴を済ませることなどが挙げられていました。
これらの中からひとつでも取り入れることができれば、確実に睡眠は改善することができそうです。
ただし、本書における食事・睡眠に関する記述は、「広く浅く」という印象でした。
本書をきっかけとしてそれぞれの専門書を読んでみるとよいと思います。
食事も睡眠も、それだけで 1 冊の書籍になる分野です
まとめ
疲れにくい体も、日々の姿勢や習慣で作られます。
一朝一夕ではないですが、身体は確実に変わっていけます。
本記事では、書籍『スタンフォード式 疲れない体』より、
・疲労の原因は筋肉の神経の使い過ぎや不具合
・疲労予防で身体の重要ポイントは姿勢のゆがみ
・疲労予防で神経の重要ポイントは自律神経と脳の不具合
上記 3 点について、私なりに要約・感想を記しました。
実は、本書で最も強調されている点は「お腹を膨らませて体内の圧力を高める」という呼吸方法(Intra Abdominal Pressure:IAP)です。
しかし、本記事ではそのことについては触れていません。
それは、本ブログの記事は基本的に文字だけの質素なものであり、そのためこのような手法の詳しい解説は極めて難しいからです。
また、 IAP は本書籍の核心部分です。
気になる方はインターネット検索のみでなく、ぜひ書籍を読んでみてください。
私は、IAP 以外にも本書で挙げられている疲労予防・回復メソッドのうちいくつかを取り入れています。
疲れが全くないとは言えませんが、疲れが生活に与える影響は少なく済むようになった気がします。
著者である山田さんは、「世界最強のスポーツ大学」とされるスタンフォード大学にて、アスレティックトレーナーとして長年活躍されている方のようです。
本書は、そんな山田さんの経験と実績に裏打ちされた疲労予防・回復に関するメソッドが体系的に記述されています。
本書を読むことにより、疲労解決のヒントになることはもちろん、私のような体調コントロール方法を他人に伝える立場の人にも得られるものがあると思います(私のような理学療法士のはしくれが申すのも恐縮ですが)。
「24 時間戦えますか」というフレーズが昔ありましたが、少なくとも勤務時間くらいは疲労なく過ごせる体にしたいですね。
ぜひ手に取ってみてください。
こんな記事も書いています。
疲れない体を手に入れたら、次は野生の体を手に入れましょう。
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