食事と健康を気にする方へオススメ 1 冊『医師が実践する 超・食事術』

健康的な食材 書籍感想

おはようございます。

健康的な生活を送るためには、適切な食事が欠かせません。当然ですが、バランスの偏った食事と続けると、健康を害する可能性があります。

また、近年では摂取エネルギー量自体は減少傾向であるにもかかわらず、脂質の摂取割合は増加傾向であるなどの報告もあります。

健康に暮らすためには、食事について改めて考える必要があるのかもしれません。食事改善について細かい点を挙げだしたらキリはありませんが、原則を押さえるという点で学びになった書籍を取り上げたいと思います。

本日は、『医師が実践する 超・食事術~エビデンスのある食習慣のススメ』(著者:稲島司さん)という書籍の要約・感想記事です。

本書を読み、食事に対する知識を学びましょう

食事と健康を気にする方へオススメ 1 冊『医師が実践する 超・食事術』

記事の内容は、以下の通りです。

1.炭水化物:適量を摂る。多くても少なくても×
2.脂質:摂るべきは動物性 < 植物性
3.アブラ:サプリよりも食品から。エビデンスのあるオリーブ油を中心に

それぞれの内容についてみていきます。

炭水化物:適量を摂る。多くても少なくても×

我々日本人の主食は米です。食の多様化が進んでいますが、米を食べないという人はごく少数派でしょう。

日本人がどれくらいの量のお米を食べているかというと、大人一人あたり一日約 1.5~2 合程度だそうです。毎日の食事に欠かせない米ですが、健康管理の点からすると多すぎても少なすぎてもよくないようです。

まず、過剰な米(を中心とした炭水化物)の摂取は糖尿病発症のリスクを高めます。
ある研究によると、米飯の1日あたりの量が1杯強(165g)でもっとも少ないグループに比べ、1日3杯(420g)のグループでは糖尿病の危険性が1.48倍に、1日4杯(560g)以上のグループでは1.65倍に、それぞれ上昇するそうです。
血中に過剰に存在し細胞に取り込まれない糖は、血管を傷つけます。
それにより動脈硬化が進み、多くの病気を発症します。
糖尿病で神経・目・腎臓に障害が出現するのは、これら臓器には毛細血管が非常に多いからです。

反対に、米(を中心とした炭水化物)の摂取が少なすぎることも問題となる可能性があります。
糖は身体のエネルギー源です。これが利用できない状態になると、代わりにケトン体がエネルギー源として用いられます。
そのケトンは通常状態であれば血中にはほとんど存在しないため、脂肪酸や筋肉(アミノ酸)を分解して得られます。
そのようにして得られたケトン体が、糖の代わりのエネルギー源となります。

重要なのは、ケトン体を生成するために分解されるのは、残念ながら脂肪だけではないということです。
過剰な糖質制限ダイエットは、脂肪のみならず筋肉の分解も促進してしまっている可能性があります。

何事も過剰はよくないですね…

脂質:摂るべきは動物性 < 植物性

食品に含まれているコレステロール量と、血液中のコレステロール値にはあまり関係がありません。
コレステロールが多い食品としてイメージされる卵ですが、1 日 3 個までなら心血管疾患(心筋梗塞や脳梗塞)の発症リスクはあまり差がないという研究結果もあります。
そのため、現時点ではコレステロールの摂取量について基準値は定められていません。
(ただし日本動脈硬化学会の声明では脂質異常症の重症化予防のために、コレステロール摂取量は 200㎎/日未満に留めることが望ましいとされています。)

個人的な見解ですが、脂質の摂取については量よりも質が重要だと考えています。
脂質の摂取で気を付けるべき点は、
・飽和脂肪酸の過剰摂取は避ける(赤い肉やバター・マーガリンなどの動物性脂質)
・糖質を摂りすぎない(糖を摂取したときに分泌されるインスリンは、脂肪を蓄積させる作用がある)
・不飽和脂肪酸は可能な限り多く摂取する(ナッツ類や魚類)
というあたりを押さえれば 70-80 点でしょう。
我が家では素焼きのクルミを常備してあります。
ヨーグルトに入れたり、デザートや間食としてドライフルーツと一緒にいかがでしょうか。
甘いお菓子を食べるより、よっぽどよいと思います。

塩のない、素焼きナッツがオススメです。

アブラ:サプリよりも食品から。エビデンスのあるオリーブ油を中心に

体にいい油というと、EPA・DHA が筆頭です。
サプリメントでもよく宣伝されていますよね。私自身も飲んでいた時期がありました。
しかし、残念ながらこれらサプリメント摂取による「疾病発症のリスク低下」という信頼性の高いエビデンスはないそうです。
(少し話が逸れますが、EPA・DHA サプリメント摂取で頭がよくなるという宣伝も根拠は乏しいようです。)

毎日欠かさずサプリメントを飲むことを否定はしません。
しかし、可能であるなら栄養素はサプリメントからではなく食品から摂取したいものです。
EPA・DHA は魚に多く含まれている油です。
魚を食べる機会はあまり多くはありませんが、サバ缶などで上手に摂取したいですね。

また、数ある油の中では、オリーブ油が摂取による疾病発症のリスク低下効果が認められています。
亜麻仁油、エゴマ油も摂取が推奨される油ですが、価格を考えると継続性に難があります。
その点オリーブ油は手が届きやすい商品ですので、積極的に摂取したいものです。
我が家では朝のトーストはバター・マーガリンではなくオリーブ油で食べています。
オリーブの香りが口の中に広がり、とてもおいしいですよ。

魚、オリーブ油…
地中海食が健康に良いといわれるのも納得ですね

まとめ

健康のための食事は、バランスよく腹八分目、いいものを増やし悪いものを減らす。
これに尽きます。

本記事は、書籍『医師が実践する 超・食事術~エビデンスのある食習慣のススメ』より、

  • 炭水化物は適量を。多すぎても少なすぎてもよくないこと
  • 脂質は、動物性(飽和脂肪酸)のものを控えよう
  • 油は、食品からの摂取を意識しよう

上記 3 点について、私なりに要約・感想を記しました。

これまで、食事に関する書籍もいくつか読んできました。どの書籍でも共通することは、「腹八分目」ですね。「過ぎたるは猶及ばざるが如し」、「足るを知る」ということです。

本書籍は健康的な食事に関する知識が網羅的に記述されており、多くのことを勉強できました。また、本記事で取り上げた点以外にも、アンチエイジングや乳製品、飲料水などにも言及されており、大変興味深く読み進めることができました。

食事内容を改めたいけどどうしたら…とお悩みの方にはもちろん、私のように食事について指導する立場の人にも役立つ知識が得られるかもしれません。

ボリュームもちょうどよい程度で、手軽に読める点も含め、おすすめの書籍です。

ぜひ手に取ってみてください。

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以下の書籍で体系的に学べます。

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