加算点数も確認!理学療法士が関与する多職種連携チーム医療活動を紹介

チーム医療活動 理学療法士の仕事

おはようございます。

新シリーズの 2 記事目は、急性期病院で理学療法士が関与する多職種連携チーム活動について紹介します。

医学は進歩し、症例は複雑化し、患者さんの生活背景も多様化している現代では、専門職種がそれぞれの強みを生かしながら患者さんの治療にあたる必要があります。

医療機関における多職種連携(チーム医療とも呼びます)はもはや常識といってもいいレベルです。多くの医療機関でチーム医療活動が行われています。私が勤務する病院でも複数の活動があり、理学療法士も関与しています。本記事では、そのうちいくつかを紹介します。

理学療法実施以外の仕事を覗いてみましょう

理学療法士が関与する多職種連携チーム活動

記事の内容は、以下の通りです。

  1. 世の中には 10 以上のチーム活動が存在!
  2. チーム活動は病院の収益に

それぞれの内容についてみていきます。

世の中には 10 以上のチーム活動が存在!

前述したように、急性期病院では多くのチーム医療が展開されています。
チーム医療とは、メディカルスタッフが患者とともに、それぞれの専門性をもとに高い知識と技術を発揮し、互いに理解し目的と情報を共有して連携・補完しあい、その人らしい生活を実現するための医療です(チーム医療推進業議会 HP より引用)。

チーム医療には、褥瘡(じょくそう)対策チーム、緩和ケアチーム、糖尿病ケアチーム、栄養サポートチーム、救急医療チーム、摂食・嚥下チーム、感染対策チーム、呼吸サポートチーム、認知症ケアチーム等、さまざまあります。当院では、ここには挙がっていないチーム活動も行われていました。

これらのうち、理学療法士が関与しているものはけっこう多いです。私自身、呼吸サポートチームの一員です。
これらの活動は、理学療法士として患者さんに理学療法を提供することとは別の業務です。チームを組み、臨床の最前線に立つ様々な職種のスキルを融合し、医療の水準を高め、患者さんの生活の質向上に寄与するという病院の取り組みとして、理学療法士も活動に参加しているのです。

それでは、いくつかの活動内容と理学療法士が担う役割について紹介します

チーム活動は病院の収益に。理学療法士の担う役割

本記事では、呼吸サポートチーム、栄養サポートチーム、糖尿病サポートチームについて概説します。これらの活動は理学療法士としての診療点数(リハビリ部署の収益)は請求できませんが、チーム活動に対して診療点数が請求できます(病院の収益)。

<呼吸サポートチーム respiratry support team:RST)>
主に人工呼吸器管理下にある患者さんに対して、適正な呼吸管理を行うことが目的です。関連職種は、医師、看護師、歯科衛生士、臨床工学技士などです。

理学療法士は呼吸リハビリ(排痰を促すための体位ドレナージの提案や、患者さんの離床状況の確認など)の知識を手段としてチーム活動に参加します。

算定要件を満たした場合、RST 活動により 1 患者につき週に 1 回、150 点の診療報酬が加算されます(診療報酬を得るための条件は複雑なので、本記事では割愛します)。

<栄養サポートチーム nutrition support team:NST>
栄養療法を必要とする患者さんに対して、栄養サポートを行っています。検査値や患者さんの状態を総合的に評価し、適切な栄養療法を通して患者さんの生活の質向上に寄与することを目的としています。
関連職種は医師、歯科医師、看護師、管理栄養士、薬剤師、理学療法士、言語聴覚士、臨床検査技師などです。

理学療法士は 身体計測・嚥下や身体能力の報告のほか、理学療法を含めた活動係数を提示することで患者さんの総合的な評価に貢献することが可能です。

算定要件を満たした場合、NST 活動によって 1 患者につき週に 1 回、200 点の診療報酬が加算されます。

<糖尿病教育サポートチーム diabetes mellitus education support team:DET>
糖尿病教育やインスリン治療の導入時などの血糖コントロールを目的とした入院患者さん、または通院患者さんに対してもインスリン注射、血糖自己測定のやり方などについて治療の支援を行うチームです。
関連職種は医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、臨床検査技師、理学療法士、事務部門などです。

理学療法士は患者さんに対して運動療法を提供します。運動療法は理学療法士の専門分野なので、高い知識と実践力が求められます。

糖尿病教育入院は DPC 制度の対象(病名は糖尿病)です。ほかの疾患と同様に診療報酬の請求が可能です。しかし現時点では、糖尿病教育入院中の理学療法は、診療報酬の請求は不可能です(つまりその分の仕事はサービス)。

上記はほんの一例です。
この他にも理学療法士が関与するチーム活動はあります。

まとめ

急性期病院における理学療法士の仕事は、患者さんへの理学療法提供のみではありません。
チーム医療の一員として、その活動成果を最大化するような貢献も求められます。

本日は、『理学療法士が関与する多職種連携チーム医療活動を紹介』として、
・世の中の急性期病院では、多くのチーム医療活動が展開されている。理学療法士が関与する活動もあること。

・例として、呼吸、栄養、糖尿病教育のサポートチーム活動を紹介。それぞれで理学療法士の専門性が求められている。

上記 2 点について、私の経験も踏まえて概説しました。

私自身、このようなチーム活動があることは就職して初めて知りました。多職種のスタッフと連携を図りながらチーム活動に貢献することも、理学療法士に求められるスキルとなっています。磨いていきたいですね。

これらの活動では、呼吸サポートチームでは人工呼吸器や呼吸リハビリに関する知識が、栄養サポートチームでは栄養療法に関する知識が、糖尿病サポートチームでは運動療法と代謝に関する知識が、それぞれ必要です。例えば理学療法士として専門性を高め、これらに関連する認定や資格を取得し、各種チーム活動に反映できれば、自身の価値も高めることができそうです。そのような理学療法士としてのキャリア形成もアリでしょう。とがった専門性をもっている人材は貴重です。

自己研鑽し、理学療法士の中でも専門性を高めていきましょう

【オススメ本の紹介】

『脳を鍛えるには運動しかない!』
運動に対するモチベーションを爆上げしてくれます。患者さんに運動の必要性を説明するうえでも役立つ知識が満載です。

『睡眠こそ最強の解決策である』
睡眠は、もっとも軽視してはいけない生活習慣です。自身のため、患者さんへの指導のためにも睡眠について学ぶことを強くオススメします。

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